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ネクソンが,韓国ゲーム産業30年の歴史をスクリーンに収めた理由。韓国Netflixが,ドキュメンタリー1作目の「Save the Game」を限定公開
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印刷2026/02/03 13:47

業界動向

ネクソンが,韓国ゲーム産業30年の歴史をスクリーンに収めた理由。韓国Netflixが,ドキュメンタリー1作目の「Save the Game」を限定公開

下記の記事は,GAMEVU(→リンク)に掲載された記事を,許可を得て翻訳したものです。可能な限りオリジナルのまま翻訳することに注力していますが,一部日本の読者の理解を深めるために,注釈の追記や,本文や画面写真の追加・変更をしている箇所もあります。(→元記事

 ゲームは韓国文化の重要な柱であり,膨大な数のプレイヤーが日常生活の中でゲームを楽しみ,ゲーム産業は国家経済の主要な貢献者へと成長した。しかし,この目覚ましい成長の背後にある課題や,この産業を形作った人々や環境を記録した資料は,驚くほど少ない。

 ネクソンが創立30周年を記念して制作したドキュメンタリーシリーズは,まさにこの疑問から始まった。
 「韓国のゲーム産業はこれほど急速に成長してきたが,私たちはここに至る経緯をどれほど記録できているだろうか?」 この疑問を背景に,ドキュメンタリー制作に取り掛かったと,ネクソンの公式ブログ「NEXON TAG」を通じて明らかにされた。

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 約1年にわたる予備調査の後,数十名の開発者やゲームジャーナリスト,流通業者へのインタビューが実施された。嘉泉大学校のオ・ヨンウク博士がアーカイブしていたゲーム雑誌は貴重な歴史資料となり,当時の広告や読者投稿,編集者のコメントに至るまで,その時代を読み解く鍵となった。


Save the Game


 ドキュメンタリーの第1部「Save the Game」は,韓国ゲーム産業の基盤を築いた黎明期の開発者達の記録である。それは,韓国初の商用RPG「神剣の伝説」の開発者である,ナム・インファン氏へのインタビューから始まる。

パッケージ版ゲーム開発の苦闘を収めた「Save the Game」の撮影現場。高校生だったナム氏が,1990年代初頭にApple II互換機向けに「神剣の伝説」を開発した。当時高校生だったナム氏は,その後もゲーム業界で挑戦を続けていたのだ(関連記事
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 同氏は1987年当時の開発過程を振り返り,RPGの魅力に魅了され,「これを作る」という唯一の目的で開発に着手したと語った。しかし現実は容易ではなかった。その当時はハングルでの表示すら困難だったため,その実装方法を一から模索しなければならなかった。
 ゲーム完成後も,海賊版が蔓延する市場環境のなかで,正規販売に踏み切るかどうかの決断をしなければならなかった。

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 正規販売を選んだ「神剣の伝説」は,韓国でゲームを開発して販売することが可能であることを,初めて実証した事例となった。

MSX向けに開発した「For The Day」(原題:그날이오면)。1993年発売の3作目が,韓国で5万本のヒットを記録したシューティングゲームシリーズだ
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 パッケージゲーム「For the Day」シリーズの開発者チョン・ジェソン氏も,似たような経験をした。二度の失敗にもかかわらず同氏が諦めなかった理由は単純だった。雑誌でナム・インファン氏の成功記事を読んだ瞬間,「自分のように国産ゲームを作る人が他にもいる」という事実に再び刺激を受けたのだ。

 当時の韓国は,ゲーム開発者は極わずかしかいなかった。雑誌記事などの情報は人づてに伝わり,その繋がりが誰かに次のゲームを作る動機を与えた。



On the Line


 第2部「On the Line」は,オンラインゲームの誕生と成長を掘り下げる。
 ミレニアムへのカウントダウンから始まり,インターネット黎明期の雰囲気を鮮やかに蘇らせる。テキストベースのMUDゲーム(multi-user dungeon = テキストベースのマルチプレイヤーワールド)を視覚化するというアイデアから始まった「風の王国」は,オンラインゲームの時代の幕を開けた。

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 初期オンラインゲームの特徴は,プレイヤーとの関係性だった。
 個人的な事情に関わらず,彼らは皆,オンラインRPGを体験したいという共通の願望に駆られてこの世界に集まった。ゲームはまだ完成していなかったものの,プレイヤー達は辛抱強く待ち,限られた環境の中でも創造的に自分達の体験を作り上げた。

/ooc, "BOAT!!!!"
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 まだ実装されていない船を波止場で待つプレイヤーの姿は,ゲーム世界を現実として受け入れるユーザーの想像力を象徴的に示している。これは開発者達に「この世界をより早く完成させなければ」という強い動機を与えた。

 しかし2000年代初頭,オンラインゲーム市場の飽和と海外MMORPGの流入は,業界全体に大きな変化をもたらした。オンラインゲームは「コンテンツ」重視から「ライブサービス」重視へと転換した。

 アイデアから始まった開発は,次第に市場,サービス,運営の問題へと焦点を移していった。数え切れないほどのゲームがサービスを終了した一方で,「メイプルストーリー」のように日常文化に根付いたものもあれば,「マビノギ」のように20年以上プレイヤーと共に歩み続けているものもある。

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Good Game


 第3部「Good Game:韓国のゲーマーはどのように作られるか」は,プレイヤーの視点へと焦点を移す。アーケード,PCカフェ,オンラインゲーム,eスポーツに至るまで,ゲーム環境が個々のプレイスタイルをどのように形成してきたかを浮き彫りにする。

 ドキュメンタリーはゲーマーを4つのタイプに分類する。競争を楽しむ「キラー型」,目標達成に集中する「達成型」,関係性と交流を重視する「社交型」,そして世界そのものを探索する「探検型」である。特に韓国には,伝説的な「キラー型」ゲーマーが多く,その多くはアーケード文化にルーツを持つ。

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 1978年に韓国で初めて登場したアーケードは,子ども達にとって単なる遊び場ではなかった。それは競争の空間であり,1枚のコインでどれだけ長く生き延びられるかで技術が測られ,プレイヤー達は画面に自分の名前を刻むために戦略,反射神経,集中力を絶えず磨いた。地元のアーケードを制覇したプレイヤー達は自然と,より強い相手,より大きな舞台への渇望を育んでいった。
 これが,韓国で競争力のあるプレイヤーが生まれた背景である。

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 約3年間の制作過程を経て,ネクソンが得た最も大きな学びは,「結果よりもプロセスが重要であり,何を成し遂げたかよりも誰と働いたかが重要だ」ということだった。インタビューを受けた開発者達は,ゲームの成功そのものよりも,チームと共に苦労した日々を鮮明に覚えていた。そして困難を乗り越えた今,彼らは異口同音に「あれは本当に楽しい時代だった」と語った。

 釜山国際映画祭「ワイド・アングル」ドキュメンタリー部門に正式招待され,完売したこのドキュメンタリーは,観客に一つの問いを投げかける。

 「あなたが最も守りたいものは何ですか?」

 ゲーム産業の過去を記録しながら,この問いは何かを創造し,それを守り続けるすべての人々へと向けられている。なぜなら,次の歴史を作っているのは,今この瞬間もゲームを作り,プレイし,新しい体験を生み出している私たち一人ひとりだからだ。

(著者:パク・サンボム
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