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[E3 2004#094]ネットを駆使して失踪した男女を追うサイコスリラー「Missing」
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印刷2004/05/16 09:49

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 [E3 2004#094]ネットを駆使して失踪した男女を追うサイコスリラー「Missing」 - 2004/05/16 09:49

 2001年にElectronic Arts社がリリースした「Majestic」は,現実世界のEメールやWebブラウザ,さらには携帯電話やファックスまでを駆使して,政府の陰謀を解明していくという独創的なアドベンチャーゲームだった。しかし,新しいジャンルを作り上げるほどの可能性があったにも関わらず,そのアイデアが奇抜すぎたのか大きく受け入れられることのないままサービス終了となった。
 このMajesticほどの規模ではないものの,The Adventure Companyが2004年夏にも北米市場に向けて投入する「Missing」は,そのゲーム性を受け継いだ久しぶりの"ジャンル・ブレーカー"だ。

 あるジャーナリストが,家族の過去を探るうちに恋人と共に謎の失踪を遂げた。猟奇的な連続殺人犯と目される人物の関与が推定されるものの,解決の糸口なく暗礁に乗り上げてしまっている。そんな中,犯人は大胆にもCD-ROM入りの封書をジャーナリストが所属していたSKLメディア社に送りつけてくる。
 プレイヤーは,SKLメディア社に雇用された捜査官として,このディスクに記録された謎のメッセージの数々を解き明かしながら,ジグゾーパズルのような散らばった証拠をまとめ上げ,犯人と消えた二人の行方を追っていく。

 インターネット以外のコミュニケーションにも重点を置いていたMajesticとは異なり,MissingのCD-ROMにはビデオ映像や写真などのファイルが満載されている。だからといって,MissingはすべてのプレイフィールをCD-ROMのコンテンツだけに委ねているのではない。開発を担当したLexis Numerique社は,実に400種以上に及ぶダミーサイトを制作したり,ニュースサイトと提携してゲームのストーリーに関わるページを隠し込んだりして,プレイヤーが「Google」や「Yahoo!」などの検索サイトで本作の情報を調べたときに,ストーリーに関する何らかの情報が引っ掛かるように工夫している。
 ゲーム内容を検索させること自体はMajesticと同じ手法ではあるものの,普段からブラウジングに慣れている世代のプレイヤーにとっては,至極日常的な行動でしかないのも事実。つまり,虚偽の情報をインターネット上に埋めておくことで,現実と虚偽の境界線を曖昧にしてしまっているのである。Missingで遊んでいると,本当に事件を解明しているかのような感覚を覚えるに違いない。
 検索によってパズルを解き明かす糸口をつかむだけでなく,プレイヤーはさまざまな人物からEメールを受け取るようになるはずだ。プレイヤーはSKLメディア社に雇用された唯一の捜査官という役であるため,SKLの担当者とはメールでのやり取りを続けることになる。もちろんこの通信会社は現実には存在しないから,メールを送ってくるのもLexis Numerique社のゲームマスター達というわけだ。



 MMOではないが,Missingのようなジャンルのアドベンチャーゲームには,それなりのゲームマスターや役者達が常駐しておく必要があり,あと数週間で全米リリースされると見込まれる本作のためにも,The Adventure Company社はサービス体制を構築しているはず。電話などを活用する必要はないため,英作文と聞き取りに自身のある人ならプレイできるかもしれない。日本には到達していない遊び方だけに,非常に気になるゲームではある。(奥谷海人)

「Missing」の記事一覧は,「こちら」


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