DDR3-2000動作を実現する「Dominator」シリーズの実動デモが行われていた,Corsair Memoryのプライベートブース
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ゲーマーやオーバークロッカー向けのハイエンドメモリモジュール製品で知られるCorsair Memoryは,COMPUTEX TAIPEI 2008の期間中,Hall 1に隣接するホテル「Grand Hyatt Taipei」に設けたプライベートブースで,最新製品を紹介。併せて,「ゲームパフォーマンスを向上させるためには,I/Oマップの制約からシステムメモリとグラフィックスメモリの合計が4GBまでしか認識されない
32bit OS環境を捨て,64bit OSへ移行すべき」というデモを披露した。
Corsairの示した,メインメモリ4GB(+64bit OS)と同2GB(+32bit OS)間にあるパフォーマンスの違い
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Corsair Memoryが注目したのは,NVIDIA SLIやATI CrossFireX構成時における,最低フレームレートの落ち込みだ。ゲームプレイにおいては,最低フレームレートが低いと,プレイ感覚に大きな影響を与えかねず,とくにマルチプレイにおいては,突発的なフレームレートの落ち込みが勝敗を分けることすらあり得る。
そこで同社は,64bit版Windows Vista+メインメモリ4GBの環境と,32bit版Windows Vista+メインメモリ2GBという二つの環境で,ATI CrossFireX構成でのゲームパフォーマンスを比較。タスクスイッチでは12倍近い性能向上を確認でき,さらに「Company of Heroes」の最低フレームレートでは最大で5倍,前者のほうがパフォーマンスで上回るとアピールする。
ブースに置かれていたデモ機でベンチマークテストを走らせた
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プライベートブース内のデモ機におけるテストなので,正確な比較データにはならないことをお断りしておくが,下の画面が,実際のベンチマークテスト結果だ。最低フレームレートに注目すると,確かに,64bit OS+メインメモリ4GBが13.3fpsなのに対し,32bit OS+メインメモリ2GBでは9.5fpsと,40%高いスコアが出ている。ただよく見ると,平均フレームレートは前者のほうが低かったりもしており,必ずしも諸手を挙げて歓迎できるようなスコアにはなっていない。
Windows Vista 32bit版 + 2GBメモリ環境のテスト結果。たしかに,ミニマムフレームレートは64bit環境下よりも大きく劣っている
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ブースには,IntelやNVIDIAのプラットフォームに向けた,DDR3の4GBモジュールをラインナップ。左はEPP 2対応の8GBキットだ
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4Gamerでは先に,
「最適解は何GB? ゲームとOSとメインメモリ容量のベストな組み合わせを探る」として,メインメモリ容量の違いがゲームパフォーマンスに与える影響を検証しており,メインメモリ容量の違いが劇的なパフォーマンス向上にはつながらない(※差が出ないわけではない)という結論に至っている。Corsair Memoryの言い分に,残念ながらそれほどの説得力はないと判断すべきだろう。
ただし,同テストレポートでは最低フレームレートまで比較していないのも確かだ。最低フレームレートの底上げを重視するのであれば,Corsair Memoryのアピールに耳を傾けてみる価値があるかもしれない。