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“米びつ”PCケースにMini-ITX対応版が登場,Raven RV04は「開発中」〜秋葉原で行われたSilverStoneイベントレポート
本イベントは,ユーザーに向けて同社のPCケースや電源ユニットなどの新製品を展示したり,プレゼンテーション形式で披露したりするもの。基本的にはCOMPUTEX TAIPEI 2011(以下,COMPUTEX 2011)で公開されていた製品が中心だったものの,“米びつ”あるいは“ゴミ箱”などと呼ばれる外観で注目を集めたMicroATXケース「Fortress SST-FT03」(以下,FT03)のMini-ITXフォームファクタ対応版となる「Fortress SST-FT03 Mini」(以下,FT03 Mini)など,初登場の製品も展示されていたので,製品写真を中心にレポートしてみたい。
Fortress SST-FT03 Mini
FT03 Miniは,そのシルエットこそFT03と共通ながら,筐体サイズは189(W)×235(D)×397(H)mmと,FT03の235(W)×284(D)×487(H)mmからかなり小型化しているのが最大の特徴だ。ドライブベイは3.5インチシャドウ,2.5インチシャドウ,スロットイン式スリムタイプ光学各1と,拡張性は犠牲になっているものの,ぱっと見,とてもPCとは思えないようなPCを作れるという意味では,かなり面白そうである。
かなり小型化された印象を受けるFT03 Miniだが,グラフィックスカードの搭載は可能で,展示機では2スロット仕様のGPUクーラーを搭載した「Radeon HD 6670」カードを差した状態で,十分すぎるほどの余裕があった。筐体の高さも考えると,300mm長……とまではいかずとも,一般的なハイエンドクラスのグラフィックスカードまでは対応できそうだ。
なお,SilverStoneによると,まだ初期サンプル段階だそうで,発売時期,価格ともに未定とのことだった。
外部インタフェースはすべて上に引き出される仕様になっているのはFT03と同じだ。拡張スロットは,2スロットが用意されている |
サイドパネルを外したところ。搭載できる電源ユニットはSFXタイプのものだが,電源ユニット自体は別売になるという |
Grandia GD07&GD08
GD07 |
GD08 |
まずは,HTPC(Home Theater PC)向けと位置づけられる,ATXマザーボード対応デスクトップ型PCケース「Grandia GD07」「Grandia GD08」(以下順にGD07,GD08)。HTPC向けとされながら,330mm長の拡張カードをサポートしていたり,筐体底面に最大2基の120mm角ファンを取り付けて冷却能力を引き上げられたりと,デスクトップ筐体ベースのゲームPCに十分使えそうなのが大きな特徴である。
両製品の違いは基本的に前面パネルとドライブベイの数で,GD07は開閉式の前面パネルを採用し,ドライブベイが5インチ×4,3.5インチオープン×1,3.5インチシャドウ×2,2.5インチシャドウ×2。これに対してGD08は,シンプルな前面パネルを採用し,ドライブベイが5インチ×2,3.5インチシャドウ×8,2.5インチシャドウ×2となっている。
前面パネルの構造が異なる分,本体サイズはGD07が440(W)×435(D)×175(H)mm,GD08が440(W)×425(D)×175(H)mmと若干異なるが,現行製品「Grandia GD06」で賛否両論あった奥行きの短さにメスが入ったことで,AVラックへの設置を考慮しない場合には相当面白い存在となりそうだ。
なおいずれのモデルも,価格は1万4000円程度になる見込み。12月末の国内販売を予定しているとSilverStoneは述べていた。
GD07の前面パネルを開けたところ |
GD08にパーツを納めた様子 |
Temjin TJ08T-E&Precision PS07
PS07。本体サイズは210(W)×400(D)×374(H)mmで,前面パネルが変わったことを受け,TJ08-Eと比べて奥行きが15mm長くなっている |
TJ08T-E。外観以外はTJ08-Eから変わっていない |
PS07は,TJ08-Eだと180mm角×1になっている前面ファンが120mm×2となり,さらに前面パネルが,2連ファンへ簡単にアクセスできるよう,扉付きになっているのがポイント。前面パネルの素材がアルミからマットな質感のプラスチックへ変わっているのも特徴だ。
一方のTJ08T-Eは,内部が黒く塗られていることも含め,外観がシルバーになった以外,オリジナルのTJ08-Eからの違いはない。ちなみに本製品は日本限定モデルとのことである。
気になる発売時期は,PS07が11月初旬,TJ08T-Eが10月中だそうだ。価格はいずれも8000円程度になる見込みという。
PS07の前面パネル |
PS07の前面扉を開けたところ |
TJ08T-Eの前面パネル |
Temjin TJ04-E&Kublai KL04
Temjin TJ04-E |
Kublai KL04 |
筐体前面向かって右側には,3.5インチシャドウベイ×8のトレイ部を直接冷却できるよう,120mm角ファンを2基取り付け可能。また,HDDには冷却用のヒートシンクを取り付けることもできるそうだ。
COMPUTEX 2011で展示されていた時点では,「米国での市場想定価格はTemjin TJ04-Eが119ドル,Kublai KL04が99ドル」とされていたのだが,国内での価格は,Temjin TJ04B-Eが1万6000円程度,Kublai KL04が1万2000円程度になるという。いずれも2011年内の国内発売を予定しているとのことだ。
銀色の取っ手がついている部分が引き出せる3.5インチシャドウベイだ |
Temjin TJ04-Eにパーツを搭載した様子 |
ZEUS series
ZEUS seriesの容量1350W電源ユニット |
すべてのケーブルがモジュラー式になっている |
Raven RV04は2012年以降の市場投入予定になっているそうで,「来年のCOMPUTEXでは披露できるだろう」とTseng氏。登場はかなり先のことにはなりそうだが,Ravenブランドの次世代PCケースが開発中なのは間違いないようだ。
SilverStone Technology公式Webサイト
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