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[韓国ゲーム事情#310]Wikiの波紋:任天堂が大元CIを通じて公式発表
Webzenの「Wiki」が,韓国ゲーム界に大論争を巻き起こし中(2005/2/28)
Text by Kim Dong Wook特派員
先日のカンファレンス(Newsは「こちら」)で公開されたWebzen社の新作MMO「Wiki」が,任天堂の「ゼルダの伝説−風のタクト」に酷似していること関して,任天堂が韓国でのパートナー「大元CI」を通じ,公式見解を表明した。これによって,韓国ゲーム業界は大論争が巻き起こっている。
任天堂の公式見解は前述のように,韓国で同社のニンテンドーゲームキューブやニンテンドーDSなどの流通を行う「大元CI」を通じて公表されている。まずは,その内容から紹介しよう。
●Webzen社の"Wiki"発表に対する任天堂と大元CIの公式見解文
1:任天堂と,任天堂の韓国パートナーである大元CIは,任天堂と大元CIの資産である知的財産権を保護するのが当然だと思っています。また,この権利行使に必要な施策も持っています。
2:もし,WebzenのWikiが任天堂および大元CIの知的財産権を侵害するのが明白であれば,任天堂および大元CIは必要な権利行使をします。これは任天堂と大元CIの共通見解です。
3:この件に対して,現時点で具体的な部分まで発表するつもりはありません。ただし,任天堂と大元CIは,必要だと判断される時点で,必要な処置を取るでしょう。
かつて,韓国内で任天堂のゲームを模倣したタイトルはいくつか存在していたが,任天堂が公式に見解を表明したことはなく,今回が初めてとなる。これに関して,韓国のゲームメディアやIT系メディアは比重置いて報道しており,各種コミュニティサイトでは,韓国ゲームの企画力のなさへの批判や,ゲームにおいて"どこまでを模倣とするか"などの内容で,熱く論議されている。
一方,Webzen側はこの事態を予期しておらず,かなり慌てているようだが,今のところ,今回の件に対して公式なコメントなどは出していない。
ある業界関係者は,「日本ゲームを模倣すれば成功するという,韓国内の開発者達が持っている開発マインドを捨てなければならないときが,ついに来たという感じだ」とコメントしており,政府は韓国ゲーム産業の外面部分ばかり育成しているが,著作権などに関する教育と支援を優先的にすべきだとも指摘した。
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