レビュー
なめんなよ! 正義の不良くにおくんがオンラインゲームになって帰ってきた
熱血高校! くにおくんオンライン
くにおくんはその後,ケンカだけでは飽き足らず,ドッジボールやバスケ,野球などにも進出。20あまりの関連タイトルで,さまざまなスポーツ(とケンカ)を制してきたのだ。そんなくにおくんが2008年,オンラインゲーム制覇に乗り出す。
今回紹介する「熱血高校! くにおくんオンライン」は,韓国Windy Softが開発し,日本ではハンゲームによって展開されるタイトルである。現在行われている本作のクローズドテストに参加したので,早速プレイレポートをお届けしていこう。
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「熱血高校! くにおくんオンライン」公式サイト
みんなで「くにおくん」のような正義の不良になれる
プレイヤーが操るキャラクターは「くにおくん達がいる熱血高校へやってきた転入生」というのが,くにおくんオンラインの設定である。各プレイヤーは,くにおくんのような清く正しい不良(?)を目指し,波乱万丈の日々を送るというわけだ。ゲーム内では,くにおくんの永遠のライバル“りき”や,“和美”などといったシリーズではお馴染みのキャラクター達がNPCとして登場する。
画面左にいる,白と青の学ラン姿が「くにお」と「りき」。時にはこうして,彼らと共にバトルを繰り広げるというゲーム展開もあるようだ |
戦闘モードは初代「くにおくん」を髣髴とさせる,ベルトスクロール式のアクションゲーム。細かいことは考えずに,ただひたすら敵を倒していこう |
基本的なゲーム展開について見ていくと,市街地や学校内などを舞台にしたロビー用エリアがたくさんあり,そのところどころにNPCが配置されている。彼らに話しかけるとクエストやミッションが受けられ,そうすることによって戦闘モード用のインスタンスエリアが生成される。
くにおくんオンラインでメインとなる戦闘モードは,シリーズの経験者にはお馴染みであろう,昔懐かしいベルトスクロール式のアクションゲーム。エリア内にいる敵を一掃すると,隣接する別のエリアへと移動できる。そうやってずんずん進んでいき,最後に待ち受けるボスを倒せばクリアだ。敵を倒すことでキャラクターがレベルアップしていき,獲得した金銭でアイテムを買い揃えられる。またクエストをクリアすることで,行動できるエリアの範囲が広がったりもする。
縦軸が合っていなければ,基本的に敵からの攻撃は受けない。これを利用し,敵に斜めに近づいていくのが,ベルトスクロールのタイトルの基本テクだ |
クエストの一覧には推奨レベルが記されているが,これはソロプレイの場合である。パーティプレイで挑めば,このレベルに達していなくても結構進められる |
操作方法に関しては,上下左右の移動のほか攻撃,ジャンプ,ガードなどがあり,これらのキーを組み合わせてダッシュ攻撃などの応用アクションも行える。基本的な攻撃方法は大きく分けて,3〜5回の連続攻撃ができる“連打”と,攻撃間隔が若干長い“強打”の2種類。また,地面に落ちている竹刀やボールなどのアイテムや,敵を“持ち上げて”攻撃といったこともできる。ゲームの基本システムや全体的な流れについては,「アラド戦記」に結構近い雰囲気かもしれない。NHN Japan的には,同社の人気ジャンルの強化を図る意味でラインナップに加えたのだろうか?
市街地のエリアでは,土管や暴走族などが見受けられる。初代くにおくんが登場した,昭和の懐かしい雰囲気を随所で感じさせられる |
操作方法そのものはシンプルだが,割と多彩なアクションが行える。アクションゲームとしての土台はまずまずといったところ |
ベルトアクションにオンライン要素を盛り込む
NPCから受けられるミッションやクエストには,推奨レベルが定められている。数十はあるロビー用のエリアを一通り探索してみたが,低レベルのキャラクターは主に,熱血高校の正門前にいる“上田先生”のお世話になることになりそうだ。
このNPCに話しかけると,「推奨レベル3:ファイタークラブ」「推奨レベル6:熱血高校2年1組」「推奨レベル8:熱血高校屋上」といったクエストの一覧が出てくる。序盤では,これらのクエストを繰り返し行い,レベルアップに励むことになるだろう。
かなり遠くのエリアまで足を運んでみたが,熱血高校から離れていくにつれ,クエストの推奨レベルが上がっていく仕組みのようだ |
熱血高校の正門前は,いつもこのような感じで賑わっている。パーティのメンバー募集はここで行うのがよいだろう |
戦闘モード用のインスタンスエリアに切り替わると,エリア内に10人前後の敵が登場し,いきなり大混戦となる。一般的なベルトアクションと同様,次から次へと敵をボコボコにして先へ進んでいくわけだが,例えば縦軸をずらしながら敵に接近したり,背中を取られないように敵と一対一の状況を作り出していったりなど,なかなかテクニカルな要素がある。このあたりのプレイフィールは,昔ながらの「くにおくん」そのもので,オールドゲーマーなら思わず目頭が熱くなってしまうかもしれない。
しかしソロプレイだと,どうしても複数の敵を同時に相手にする状況に陥りがち。こうなると,「敵からの攻撃を受ける」→「一瞬硬直する」→「そのあいだにほかの敵から攻撃を受ける」→「以降繰り返し」のコンボに陥りやすい。難度的には,仮にソロプレイでミッションやクエストをクリアする場合,推奨レベルまで育成させる必要がありそうだ。
しかし,試しにパーティプレイで挑戦してみたところ,今度は逆にこちら側が数で押す展開になり,ぐいぐいと進んでいける。それどころか,推奨レベルに達していないクエストでも,意外とあっさりクリアできてしまったのには驚いた。クエストをクリアすると,アイテムなどの報酬も得られるので,積極的にパーティを組んでワイワイ楽しむのが面白いだろう。
インスタンスエリアへの移動時は,画面右のような緑色のポータルが開かれる。一定時間で消えてしまうため,パーティプレイ時は見逃さないように |
いかにしてタイマンで戦える状況に持っていくかがポイント。ソロプレイだとどうしても,画面のように背後を取られてしまいやすい |
ちなみにパーティプレイに関しては,最大4名による編成を行えるが,この編成をサポートするシステムは今のところ実装されていないようだ。したがって,ロビーエリアにて通常チャットで募集するという,昔ながらのスタイルで行うことになる。
先述した通り,熱血高校の正門前のエリアは数多くの初心者キャラクターでごった返す。時間帯によっては任意のキャラクターをクリックすることもままならない。「**のクエストを一緒に行いたい人は,塀の上まで登ってきてください」といったやりとりは,確かに不便ではあるものの,なんとなく懐かしさを感じてしまった。
パーティプレイ時は乱戦になりやすいが,敵の攻撃目標が分散されるため,安全性がかなりアップする。初心者も積極的にパーティに参加してみよう |
一度のミッションに要する時間は10分前後で気軽にプレイできる。見事にクリアするとボーナスアイテムを得られる |
クラブやアルバイトなどの成長システムも用意
分かりやすいところでは,キャラクターは戦闘などを経て経験値を獲得し,レベルアップしていく。そのほかには,“連打”や“強打”などの攻撃がスキル制になっており,新たに習得したものをセッティングできる。
例えば初期段階の連打/強打では,普通のパンチやキックしかできないが,ミッションなどで「スキル秘伝書」を獲得することで,ゆくゆくは大技も繰り出せるようになる。また同じ“連打”用のスキルでもパンチよりもキックの方がリーチが長く,与えるダメージが大きい半面クールダウンが若干長い,といった性能の違いが想像できるだろう。さらに同じタイプのスキルでも,よりランクの高いものが用意されている。自分のプレイスタイルに合わせて,これらのスキルをチョイスしていくのが魅力の一つとなりそうである。
序盤で習得できるスキルの「なんちゃってチャージアッパー」を使ったところ。序盤の敵なら,一撃で葬り去れるほどの威力だ |
本屋や薬局などでアルバイトを行い,お金を貯められる。一方,不良とはいえ万引きやカツアゲなどといったアウトローな金策は行えない |
ちなみにスキルのジャンルには「連打」「強打」「ダッシュ」「ジャンプ」「特殊1〜3」「仲間」といったものがある。特殊スキルはいわゆる必殺技,仲間スキルについては現時点では未実装とのことだが,本作のキャッチフレーズが「ケンカするたび、仲間がふえる。」とあるのは,何か関係あるかもしれない。
また,レベル10になると5種類ある「クラブ(部活)」の一つに入部可能になる。これはクラブ活動を行おうというわけではなく,いわば“一次職”にあたる。これはレベル30になると,明確に“クラス”として細分化されていく。現在のクラブおよびクラスは以下のとおりだ。
まだ未実装のものも結構あるが,このほかの要素もざっと紹介していこう。「アルバイト」で金銭を獲得し,「トレーニング」で各種パラメータを上昇させ,仲間のNPCと共に「同僚訓練」を行える。また,これらの行動によってキャラクターの疲労度が蓄積していくが,「趣味」でこれを軽減できたりするようだ。
アルバイトなどを管理するスケジューラーも用意されており,こういった細かなパラメータ調整が本作のアピールポイントになりそうだ。
現在は「東部」と「西部」の広域マップが用意されている。これらの丸い点それぞれがロビーエリアで,現時点でもかなり多い |
キャラクターレベルを上げていくと,熱血高校の「クラブ」に所属できるようにもなる。くにおはなんのクラブに所属してるのだろうか? |
今回のクローズドテストを実際にプレイしてみて,初代くにおくんをオンラインゲームとして,うまく蘇らせたタイトルだなぁという印象を受けた。一方,過去のくにおくんシリーズ経験者の多くは現在30代以上になっているという事実があるわけで,初代くにおくんのプレイフィールに近いだけに,ハンゲームのプレイヤー層とかみ合うのかという不安を持つことにもなった。
さて,先日行われたハンゲーム夏祭りには,本作の試遊台も設けられていたのだが,そこでは小中学生が本作をワイワイとプレイする姿が多く見られた。筆者の些細な不安はきれいに吹き飛んだというわけだ。ベルトアクションや,80年代に一世を風靡したツッパリブームも,今の若い人達にとっては新鮮に映っているということかもしれない。
「熱血高校!くにおくんオンライン」は現在クローズドテストが行われており,このテストは9月24日以降も継続されることが発表された。ハンゲームIDを取得すれば誰でも参加できるので,本稿を読んで興味を持った人は,とりあえず一度プレイしてみてはいかがだろうか。
1対1のPvPも一応実装されていた。試しにチャレンジしてみたところ,これといった報酬がなく,腕試しとしての意味合いが強そうだ |
筆者には懐かしさを感じさせるアクションゲームだが,若い人には意外と新鮮なゲームとして受け止められているようだ |
- 関連タイトル:
熱血高校オンライン:山田の復讐
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