業界動向
ゲーマー向け周辺機器ブランド「HyperX」をHPが約451億円で買収
HyperXはもともと,Kingstonのゲーマー向けメモリシリーズとして登場したものだが,近年ではヘッドセットを中心に,キーボードやマウス,マイクといったゲーマー向け周辺機器を幅広く展開するブランドとなっている。プロモーション活動も積極的で,海外でのeスポーツイベント会場で,来場したゲーマーに自社製品を体験してもらうといった取り組みも盛んだ。
一方のHPは,ゲーマー向け製品ブランドとして「OMEN」を展開中で,主力製品であるデスクトップPCおよびノートPCに加えて,入力デバイスやディスプレイなどを展開中だ。
HPとしては,成長が続くゲーマー向け製品市場への取り組みを強めるために,HyperXを自社ブランドに加えたいということのようだ。なお,メモリモジュールやSSDなどは,HyperXではなくKingstonに残るとのことである。
余談気味だが,HPのゲーマー向け製品部門は,2006年に買収したゲーマー向けPCの専門企業であった「Voodoo PC」が原点である(関連記事)。同年にはHPに先駆けて,Dellが独立企業であったAlienwareを買収しており,買収後はCESのような大規模展示会の会場で,DellとHPがゲーマー向けPCの大きなブースを並べて火花を散らしていたものだ。
Alienwareは,今でもDellのゲーマー向け製品ブランドとして名高いが,一方のHPは,ゲーマー向けPC自体は積極的に取り組み続けているものの,Voodoo PCのブランド自体にそれほど価値を見出さなかったのか,買収後は3年ほどで終了させてしまったことがある。ゲーマー向け周辺機器ブランドとして定着したHyperXが,同じような目に合わないことを期待したいものだ。
HPによる当該プレスリリース(英語)
Kingstonによる当該プレスリリース(英語)
- 関連タイトル:
HyperX
- 関連タイトル:
OMEN(旧称:OMEN by HP)
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