インタビュー
上海で開催の「CS:GOアジア大会」と,国内ゲームPCメーカーはなぜ手を組んだのか。担当者に聞くその狙いと,e-Sports推進団体との距離感
GALLERIA GAMEMASTER CUPは,eXTREMESLAND 2017の公式予選として機能したわけだが,なぜいまこのタイミングで,サードウェーブデジノスは海外のゲームイベント,そしてBenQ ZOWIEと手を組んだのか。同社の大浦豊弘(おおうらとよひろ)氏に話を聞けたので,その内容をお伝えしたい。
4Gamer:
よろしくお願いします。まず,eXTREMESLAND 2017という海外のゲームイベントでスポンサーになるまでの経緯から教えてください。
「グローバル市場で,e-Sportsのムーブメントが起こっている」というデータが出ていて,その流れは日本にも確実に来ると,我々は確信していました。「来るのであれば,少しでも早く,日本でもムーブメントを起こしたい,どうしたら日本でもムーブメントを起こせるだろうか」と考えたときに,これまでの延長線上でやっても,何も起こらないだろうと。
4Gamer:
確かに,そういう空気感は現場からは伝わってきますね。
大浦豊弘氏:
ええ。なので,世界で起こっていることを日本にまず知らしめることと,それによって「化学反応」を起こすこと。それらが結果的に日本のe-Sports市場を活性化することにつながるだろうと,我々は考えたわけです。
4Gamer:
その流れの中で,eXTREMESLAND 2017を選んだ経緯は?
大浦豊弘氏:
データを見ていくとですね,グローバルはもちろんなのですが,中でもアジア地域のe-Sportsが急速に成長しているというのが分かるんですよ。それもあって,ちょうど1年前,2016年のZOWIE eXTREMESLAND CS:GO Asiaへ視察に来ました。大会の盛り上がり方とか,現地のネットカフェの状況を見に来たわけです。
4Gamer:
そのときの感想は。
「日本は非常に遅れている」ですね。危機感を持ちました。
それで,(ZOWIE eXTREMESLAND CS:GO Asiaを主催している)BenQさんと打ち合わせをしたときに,「大会の日本予選を我々にやらせてくれないか」と伝えたところ,「ぜひやってほしい。その申し出は素直に嬉しい」という言葉をいただけまして。それを持ち帰って,具体的に大会開催の準備に取りかかりました。
4Gamer:
実は,1月にBenQ ZOWIEのスタッフと会ったとき,「日本でサードウェーブデジノスさんがeXTREMESLAND 2017の日本予選やるんだよ」という話は個人的に聞いていたんです。だとすると,かなりの速度感をもって,スケジュールが固まっていったということになりますね。
大浦豊弘氏:
そうですね。こちらとしても,少しでも早いタイミングでムーブメントを起こすための行動を起こしたい,世界につながる大会を仕掛けていきたいと思っていましたから,打ち合わせの時点で「1〜2か月以内には決めます」という話をしていました。
実際,社内的にも1〜2か月で承認を取りまして,12月には段取りに入っていましたね。
4Gamer:
最初にGALLERIA GAMEMASTER CUPをやるという話を聞いたとき,以前の台湾進出のように,GALLERIA(というゲームPC)を台湾や中国市場で売ることを考えているのかなと思ったんですが,そういう意図や計画はないと。
大浦豊弘氏:
ですね。そういうわけではありません。
一点気になるのは――確かに速度感を重視するというお考えは分かりますが――eXTREMESLAND 2017の採用タイトルが,少なくとも日本ではコアの中のコア層に寄ったCS:GOであることです。
こと日本のFPS市場だといまは「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」が圧倒的な支持を集めていますし,CS:GOでは「国内ではムーブメントを起こす起爆剤」としては弱いのではないかという考えを否定できないと思うのですが,その点はどう考えていますか。
大浦豊弘氏:
当初,自分も同意見でした。BenQさんに「タイトルを変更できないか」という打診もしましたね。
4Gamer:
そうだったんですか。
大浦豊弘氏:
ただ,BenQさんとしては「そこは決まってる。動かせない」とのことだったので,「分かりました」と。
4Gamer:
ああ,それでGALLERIA GAMEMASTER CUPでは,CS:GOとは別枠で国内大会を用意されたんですか。
大浦豊弘氏:
そういうことです。
GALLERIA GAMEMASTER CUPにおける今回の採用タイトルは「World of Tanks」(以下,ToT)と「フィギュアヘッズ」でしたが,それこそWoTだと,うまく回るようになれば,優勝チームをWargaming.net主催の世界大会へ送り込む,みたいなことまでが思い描けるようになりますね。
大浦豊弘氏:
ですね。
GALLERIA GAMEMASTER CUPをどうしていこうとか,日本でe-Sportsのブームが未だ起きていない理由は何だろうかとかを(社内で)話ししたときに,いくつかの問題点が見えてきました。それこそ賞金額の問題であったりとか,そもそも世界に通じるような大会が少なすぎるとか。
4Gamer:
はい。
「それなら僕達にできることを一つひとつ潰していこう」ということで,まず賞金面では,弁護士と相談のうえ,一段ずつステップを上げていって,「これなら行けるよ」ということで総額500万円を打ち出せました。
もう1つの,できる限り世界への登竜門となるような大会にしたいというのは,まさにアジアへ通じるeXTREMESLAND 2017とのパートナーシップによって,一歩近づけました。
今後も我々は,「世界に通じる大会」というコンセプトを基に,どう発展させるか,これからどうするかを,考えていくことになると思います。
4Gamer:
ちなみに,eXTREMESLAND 2017とのパートナーシップは長期的なものなのですか。それとも1回のみですか。
何年,などといった具体的な長期契約は結んでいません。
ただ,僕らとしては,「とりあえず1回,試しにやってみました」というつもりはありません。この大会を中期的な戦略の柱として考えています。
幸いにして,BenQさんとはいい関係でやらせてもらっているので,我々としては継続的に,大会だけでなく,ビジネスも含めて,継続していきたいですね。
4Gamer:
となると,GALLERIA GAMEMASTER CUPは,少なくとも当面の間,eXTREMESLANDの開催に合わせて年1回の実施ということになりそうですか。
大浦豊弘氏:
はい。基本的にはeXTREMESLANDとの連携が前提ですから,その日程に合わせて日本側でも実施することになると思います。
ただ,予選の時期は要検討ですね。
4Gamer:
ああ,8月はプロチームの海外遠征が多い季節だから,とかですか。
大浦豊弘氏:
いや,それ以上に,一般のゲーマーさんの事情のほうですね。
我々としては(7月中旬にエントリーを受け付け,8月下旬にオンライン予選,9月中旬のオフライン決勝大会は)夏休みを挟むので皆参加しやすいかと考えていたのですが,お盆休みで実家に帰ってしまったり,ほかのイベントに参加していたりと,意外に皆が忙しいタイミングだと判明したので,その点は考慮する必要があります。
いかにして「日本と世界をつなぐ」のか
4Gamer:
さて,GALLERIA GAMEMASTER CUPとeXTREMESLANDについての考えをここまでお話しいただきましたが,「日本と世界をつなぐ」にあたっての大きなハードルの1つに,「国内の有力チームが,日本にいながら海外のチームと本気で戦う術がない」というものがあります。
トップチームであればアジアで名前も売れていますから,pingの問題さえ解決すればおおむね問題ないのですが,たとえば大学などの仲間を中心としたチームで,国内ではそこそこ名前が知られてきたけれども,世界……というかアジア的にはまったく無名という場合,海外のクランに相手にされないという問題もあるようです。
これを解決する手段としては,たとえばマラソンのように,国内大会へ「アゴ足付き」で招待選手を呼ぶという手段が考えられると思うのですが,GALLERIA GAMEMASTER CUPにおいて,そういう形で「世界とつなぐ」可能性はあるのでしょうか。
正直にお話すると,来年以降にどうやっていくかは,まだ決めていません。
ご存じのように,この1年,日本のe-Sports業界は動きがとても速かったのですが,これから先,さらに状況は変わってくるでしょうし,その速度も上がっていくでしょう。ほかの企業さんの動きも変わってくると思いますから,我々としては,「できるだけ世界に通じるような登竜門の大会」というコンセプトをぶらさないようにすることに注力します。何かを変えるのか,今回の形をブラッシュアップさせるのかという話は,これからの検討事項ですね。
4Gamer:
計画ではなく,「思っている」レベルで結構なのですが,大浦さんとしては,どういったことを考えていますか。何か具体的なイメージがあれば教えてください。
大浦豊弘氏:
具体的な話は,ハードウェアにせよゲームタイトルにせよ,パートナーさんがあってのものですから,僕らが一方的にお話しすることはできません。
ただ,日本でより人気のあるタイトル,プレイヤーが増えそうなタイトルには取り組んでいきたいですし,できれば我々と一緒に頑張ってくれるパートナーさんと組んでいきたいというのが基本路線です。
重要なのは,「国内で世界で大人気だからやりますよ」ということではなくて,パートナーシップを持ってやっていけるところと,手を取り合ってやっていきたいということですね。
4Gamer:
先ほどの“CS:GO問題”が顕著ですが,海外で大人気で,プロリーグが当然のように存在しているタイトルでも,日本では今ひとつだったりという「ズレ」がありますよね。
このズレは解消できると思いますか。
大浦豊弘氏:
僕としては,海外と日本は別でいいと思っています。いま海外で起こっているムーブメントに,日本の市場を無理矢理合わせる必要はないでしょう。
日本におけるe-Sportsというのは,独自の発展を見せてもいいのではないかと。それよりも僕は,日本においてPCゲーマーの数を増やすのが第一だと考えています。
4Gamer:
ほう。
そして,「その延長線上に世界の大会がある」のが理想ですよね。CS:GOは日本だとそこまでの人気はないですが,しかし日本からアジアに通じる,はっきりとした道が(GALLERIA GAMEMASTER CUPとして)あれば,アジアを目指すプレイヤーが集まって,徐々に広がるかもしれません。
逆に,世界ではそれほど人気ではないタイトルが,国内大会で爆発的な人気になれば,世界から日本を目指す動きが出てくるかもしれないですし,大会そのものが世界大会にランクアップするかもしれない。そういう可能性を,複数の視点で考えていきたいと思っています。
いずれにせよ重要なのは,世界でいま起こっているムーブメントがあったとして,それを闇雲に日本へ持ってきても広がらないだろう,ということです。日本市場に合った成長をしていきたいなと。
4Gamer:
非常に明快な回答だと思いますが,その場合,GALLERIA GAMEMASTER CUPに出ても,世界に通じない可能性があるということと,賞金制大会が日本で閉じてしまうと,どれだけサードウェーブデジノスさんが頑張っても,当該タイトルのプロプレイヤーは「食べていけない」という理由で誕生しづらいことが,問題として出てきます。このあたりはどう解決すべきだと考えていますか。
大浦豊弘氏:
賞金問題に関しては一社ではどうにもならないですが,ただ,すでに発表があったとおり,e-Sports推進団体の統合という動きがありますよね。
彼らが目指しているのはe-Sportsのプロライセンス化と,ライセンスの発行です。プロゴルファーと同じですが,これが実現すれば,賞金制の大会は増えると思いますし,いきおい,賞金問題は中長期的には解決するはずです。
4Gamer:
確かに,いわゆる賞金総額問題はGALLERIA GAMEMASTER CUPで解決しましたから,同じ規模の大会が複数誕生するような状況が生まれれば,事態は好転しそうですね。
ええ。
我々は今回,賞金総額500万円としましたが,今後,もっと体力のあるメーカーが,もっとすごいことをやってくれると思っています。いままでは海外と比べて賞金制の大会が少なく,あったとしても金額が……という話になっていて,そこが大きな障壁になっていましたが,今後は賞金制の大会も,賞金額も増えていく方向性に向かうでしょう。なのであまり心配していません。
4Gamer:
賞金額について言えばですね,いずれ“e-Sportsの歴史教科書”ができたとき,GALLERIA GAMEMASTER CUPは確実に名前が載るレベルですよね。
大浦豊弘氏:
ありがとうございます(笑)。
我々としても,弁護士を入れて精査して,これまでタブーとされていたところに風穴を開けられたかなとは思っています。
あともう1つ,我々としては,「うちができたんだから,ほかのメーカーもできるよね?」というメッセージを出せたかなと。「サードウェーブデジノスが,何のトラブルもなく総額500万円の大会をできるなら,うちもやろう」というところは出てくるはずです。
4Gamer:
呼び水といったところですかね。競合がやってもそれはそれでウェルカムと。
大浦豊弘氏:
ウェルカムですね。
4Gamer:
一方で,先ほどちらっと話に出た,国内e-Sports推進団体の動きがいまいちよく分からないというのが,外から見ている現実としてはあると思います。
知り合いのプロゲーマーに話を聞いても,「あの団体から何かアプローチが来たりはしていない」と言うんですね。
サードウェーブデジノスさんは,一般のゲーマーよりは推進団体に近いところにいると思いますが,その立ち位置から,彼らが何をしようとしているのか,思っているところを聞かせていただけませんか。
大浦豊弘氏:
私が知るところの情報によると,「今後オリンピックにe-Sportsが種目として正式に採用されるかもしれないが,今のままでは『日本代表』をオリンピックに送り出せない」問題の解消があるようです。
オリンピックのガイドラインに,推進団体が複数ある状況はダメで,1つにまとまらないといけませんよとか,各都道府県に推進を支えるための支部がないとダメですよとか,いくつか条件があるみたいで,その解決のため,まずは推進団体を1つにまとめましょうと。正直,その動き自体はありがたいです。
4Gamer:
と言いますと?
大浦豊弘氏:
プロライセンスを発行して,賞金の上限をなくしていくというところは,我々一社でできる話じゃありませんからね。「そこはお任せします」と言えるようになったのは大きいんです。
4Gamer:
そういう意味でしたか。
大浦豊弘氏:
ただし,本当に環境を整備できるのか,整備できるとしていつまでにできるのか,そして整備できたとして,本当にそれだけで国内e-Sports関連の諸問題を解決できるのかというと,はっきりしたことは分からない。ですから我々としては,彼らに頼り切るのではなく,自分達でできる範囲の中で,やれることを着実に,一つひとつやっていこうという感じです。
4Gamer:
GALLERIA GAMEMASTER CUPが単独開催なのには,そういう背景があったのですね。
はい。なので我々は,こういう大会であったり,それ以外にもやりたいことの戦略を作っている最中ですが,確実にPCゲーマーの数を増やしていくにあたって何をすればいいのか,プランを作り,自分達でコツコツとやっていくことになります。
もちろん推進団体側の動きは見ていますが,推進団体があろうとなかろうと僕達はやれることをやって,少しでもPCゲーマーの数を増やしていく。誤解を招くかもしれないですが,僕達が本当にやりたいのは「e-Sportsを広げる」ことではなく,「PCゲーマーの数を増やす」ことですからね。
4Gamer:
確かに,e-Sportsプレイヤーの数を増やしても,PCゲーマーの数が増えるとは限らないですよね。
大浦豊弘氏:
僕もこれまで,いくつかのインタビューでお話ししているのですが,世間で言うe-Sportsと,僕達の言っているe-Sportsでは,定義が若干異なるかもしれません。
僕達が広げたいのはPCゲームであり,PCゲーマーなんです。今は分かりやすいのでe-Sportsを謳っていますが,世界的にe-Sportsタイトルとして有名なもの以外でも,(日本でPCゲーマーを増やせるのであれば)それとは毛色の異なるタイトルもe-Sportsと言って広げていこうとするかもしれませんよ。
4Gamer:
そこは立ち位置を明確にするという意味で,断言したほうがすっきりするかもしれません。
ええ。僕達はe-Sportsていうものに皆が注目して,見てみようとかやってみようとか思い,PCゲームを始めてもらう入口になってくれればOKなんです。PCゲーマーの数が増え,最終的にゲームPCの市場が大きくなっていくことこそが,我々の希望するところです。
4Gamer:
いまのお話を聞いていると,私からは,サードウェーブデジノスさんは,先ほど話題に出たe-Sports推進団体とは明らかに違うところを目指しているように思えます。
大浦豊弘氏:
そうかもしれません。我々の立場としては,「e-Sportsを知ってもらい,PCゲームをプレイしてもらうきっかけを作ってくれるなら,追い風です」というものですね。
4Gamer:
あまり,PCゲームPCゲーム言ってないですよね,彼らは。
実際,欧州ではPlayStation 4ベースのe-Sportsタイトルが増えてきていますし,アジアではモバイルゲームでのe-Sportsも立ち上がりつつあります。
大浦豊弘氏:
今まではe-SportsといえばPCゲームであるというのが自明でしたが,徐々に,そうではない流れがグローバルで起こっているということを,押さえておく必要はありますよね。
オリンピックの話でも,殺し合いとしてのFPSじゃなくて,サッカーとかバスケットとかのゲームが採用されて流れが変わるかもしれませんが,でもそれを待っていてもしょうがないわけです。
4Gamer:
分かります。
いずれにしても,ゲーマーこそが一番大事なわけです。仮にオリンピックで(サッカーゲームなどが)採用されたとして,「自分が世界を相手にやりたいのはそういうゲームじゃないよ」と思う人はいっぱいいるでしょう。僕らとしては,そっち(=オリンピック的な方向性)は否定しませんし,あっち(=FPS的な方向性)も否定しません。
ゲーマーのやりたいPCゲームがあって,そのためにハイスペックなPCが欲しいという人達のために,我々のゲームPCをどんどんご紹介していくというのが,一番の目標なので,その意味では,仮に目的地が異なるとしても,追い風になるのであれば全部利用したいと考えています。
4Gamer:
非常にクリアな立場表明ですね。
大浦豊弘氏:
全部おんぶにだっこで,「何もかも期待しています」ということではなくて,うまいところは追い風として利用させてもらうし,違う方向性になったら,それはそれで,自分達のコンセプトや戦略に基づいて,着実にユーザー数を増やしていきたい。
その中で,コンセプトの合う人達とは,積極的に手を組んでいきますということです。
4Gamer:
将来的なアライアンスだったり,新団体だったりも,将来の構想には入っていますか。
大浦豊弘氏:
現時点では考えていません。
いまの時点におけるファーストプライオリティは日本のe-Sports市場を大きくすることで,その次に,市場が大きくなったとき,自分達の市場シェアを大きくすることが来ます。
ただそれ(=市場シェアを大きくすること)はもう「第2ラウンド」の話で,現状の,市場自体がそれほど大きくないところでパイを取り合ってもしょうがない。なので,市場を大きくするために,価値観を共有できる人達との協業を進めたいと思っています。
4Gamer:
ありがとうございました。
最後に1つだけ,毛色の異なる質問をしたいのですが,eXTREMESLAND 2017の練習スペースをご覧になりましたか。
大浦豊弘氏:
ええ。
最近,システムビルダーさんの出されるゲームPCは,どれもこれも同じような形状になっていると感じるんですね。サイズこそMini-ITXからフルタワーまでバリエーションがあるものの,だいたい黒が基調で。
世界規模の大手PCメーカーからは,善し悪しはさておき,非常に個性的なPCが出てきています。また,練習スペースにも,「ALIENWARE Area-51のパクリ」ではあるんですが,相応にインパクトのあるPCがありました。
北米市場だとガレージメーカーが「400ドルでクルマ用と同じ塗装してあげるよ」とか,「フル液冷化してオーバークロックして保証付けるよ」といった動きもある中,日本のシステムビルダーは,まだマザーボードのブランドがどうとか,ここまで小型化できましたとか,電源の品質がどうだとかといったところで戦っています。見た目にこのあたりはどうにももどかしいのですが,GALLERIAとして何か考えてはいますか。
大浦豊弘氏:
個人的には僕も同意見です(笑)。せっかくのゲームPCなんだし,もうちょっと遊んでいいんじゃないのと思いますよね。
僕はいわゆる広報宣伝担当なんですが,うちの製品担当は「GALLERIAは質実剛健だ」と言うので,まずはその線で進めることになりますね。それこそ今回の動きによってe-Sports市場が広がったりしてくると,もう少し遊び心を入れようという話は出てくるかもしれませんが。
4Gamer:
結構,システムビルダーのゲームPCが全体に埋没している印象がありまして,なんとなく,どこまでもコストパフォーマンスだけの話に終始しているのは本当にもったいないなと思うんですよね。
大浦豊弘氏:
「私もです」と言うとおかしいですが,価格だけで戦うのは限界だと考えてはいます。これ以上は,私は製品担当ではないので何とも言えませんが,製品担当には伝えます。
海外でゲームPCを見ると,本当にそう思えてくるんですよね。
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