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UQコミュニケーションズ,1周年記念発表会を開催。「WiMAX Speed Wi-Fi」ブランドでWi-Fiルータの普及を推進
「WiMAX Speed Wi-Fi」ブランドを展開し,ゲーム機をはじめとする,PC以外のデバイスに対してモバイルWiMAXの普及を推進
しかし,モバイルインターネットのユーザーの中には,PSPやニンテンドーDSのユーザーも数多く存在する。実際,イーモバイルのポータブルルータ「Pocket WiFi」は好調なセールスを記録していることが伝えられており,その利用者には携帯ゲーム機のユーザーが少なくないようだ。
UQコミュニケーションズではこれまで,PC以外のプラットフォームを利用しているという層に対して,自社のサービスを積極的に宣伝してこなかったが,今回のイベントでは,ゲーマーを意識したサービスが大々的にアピールされていた。
といっても,PC以外のゲーム機にモバイルWiMAXを搭載するというのは現時点では難しいわけで,今回のイベントでは,“WiMAX・Wi-Fiルータ”(WAN回線にWiMAXを使うルータ)製品に「WiMAX Speed Wi-Fi」というブランド名を付け,ゲーマーなどに向けて普及を推進していくことが明らかにされた。
携帯キャリアの3G回線に対し,速度はもちろん,複数のメーカーからルータ製品が発売されていることが大きな強みになると,WiMAX Speed Wi-Fiの利点をアピール |
3G回線と比較してバックエンドのスループットが高いため,レイテンシが少なく,(3G回線に比べれば)オンラインゲームに向いていると優位性を強調していた |
WiMAX・Wi-Fiルータ製品自体は2009年末頃から販売店に並びはじめており,とくに目新しい製品というわけではないが,今回新たなブランド名を付けることでさらなる普及を図っていくという狙いがあるようだ。
詳しくは後述するが,新社長への就任が決まっている野坂章雄氏は「(3G回線に比べると)レイテンシが低いためオンラインゲームもリアルに楽しめる」と,その優位性をアピール。またUQコミュニケーションズでは,量販店と共同でゲーマーなどに向けたキャンペーンの実施を検討しているとのことで,そう遠くない将来,「WiMAX Speed Wi-Fi」というブランド名を全国各地の販売店で見かけることになりそうだ。
UQコミュニケーションズの新人事が発表に。今後のロードマップも
田中氏は退任の理由として「疲れたから」と語っていたが,モバイルWiMAXの立ち上げがほぼ完了したことから,技術畑出身の田中氏からKDDIの経営畑を歩んできた野坂氏にバトンを渡し,モバイルWiMAXをさらなる飛躍の段階に移そうということだろう。
また現在,契約数が約20万に達しているが,2011年末までに80万以上の契約数を目指すという。WiMAX Speed Wi-Fiも,そうした契約増に向けた取り組みの一環というわけだ。
スピードに関しては,現在,ファームウェアの改善などにより実効スピード20Mbps(ダウンリンク)を達成しているが,今年8月までに30Mbpsを実現させるとした。ただし,30Mbpsという数値はファームウェアのアップデートだけでは実現の難しい端末があるかもしれないとのことだ。
ダウンリンク最大330Mbpsを実現するという次世代のWiMAX「IEEE802.16m」については,「2010年末にはスペックを完成させ,2012年に対応製品を出す」と具体的なスケジュールに言及。開発が順調に進んでいることをうかがわせていた。
4Gamerではこれまで,モバイルWiMAXにはそれほど注目してこなかったが,今回,ユーザー増を目指す一環としてゲーマーを視野に入れてきただけに,今後の動向が気になるところだ。
とくに速度に関しては,「満足度がトップになった」(野坂氏)とのアンケート結果も紹介されていただけに,今後はゲーマーにとっても,ネットへのアクセス手段の一つとして,モバイルWiMAXが選択肢の一つとなりそうだ。
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