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Unigine,初のDirectX 11ベースのベンチマークテスト「Heaven Benchmark」をリリース
とはいっても,DirectX 11対応グラフィックスカードは,ATI Radeon HD 5000シリーズを搭載した製品しか存在しないため,大半の人には,DirectX 11でどのようなことが実現できるのか確認することはできないだろう。幸い,DirectX 11対応ハードウェアで実行されたデモの映像が公開されているので,それを差し込んでおこう。
公開されているYouTubeの映像は,ディテールが明確ではないので参考程度にしかならないかもしれない。よく見ないと,テッセレーションのOn/Offでなにが違うのか分からない人もいるだろう。石垣や屋根瓦,ドラゴンのトゲなどが顕著にディテールアップされているので,そのあたりに注目してみよう。
正直いって,テッセレーションをちょっとナメていたことを告白しなければならない。これまで出てきていた実装例だと,ポリゴンのエッジなどのカクカクがなくなったり,ディテール感が上がる程度のものだと思っていたのだが,Unigineのデモで使われているものはまったく様相が異なる。
これを見ていただきたい。
テッセレーションなし |
テッセレーションあり |
テッセレーションなし |
テッセレーションあり |
おそらく,ノーマルマップというか,ディテール部分のハイトマップをディスプレイスメントマッピングしたうえでテッセレーションが施されているらしいことが予想される。この比較対象では,片方はディスプレイスメントマッピングはかけてないようなので(ノーマルマップをごく軽く程度?),途中をすっ飛ばした比較はインチキぽさも満載ではあるものの,テッセレーションの可能性を見せてくれるという意味ではなかなか興味深いものがある。
残念ながら,現在編集部にDirectX 11実行環境がないため,詳しい検証はできていないのだが,今回は,Windows 7 RC版(まだ入れ換えてない)とCore 2 Duo E6550/2.33GHz,GeForce 8800 GTの環境でちょっと試してみた。
今回は,DirectX 9/10/11(ただしテッセレーションなし)の3種の方法でデモを実行してみたのだが,テッセレーションなしの段階では出てくる絵にはどれもほとんど違いはない。それも,草や樹は描き込んであるものの,建物などはかなり粗めの作りであり,ノーマルマッピングやディスプレイスメントマッピングがされていない部分が多いので,そのあたりだけ見ると多少ノーマルマップが使われたオンラインゲームレベルの品質といっていいだろう。
ただ,デプスオブフィールド(ピントずれのボケ)は甚だ不自然。このあたりはもう少し気を遣ってもらいたいところだ。
すでにDirectX 11の実行環境を揃えている人にとっては,待望のデモであり,今後DirectX 11ハードウェアを導入しようかと迷っている人にとってもかなり参考になるベンチマークテストとなっている。次世代ゲームの姿を妄想しつつ,デモに見入ってみよう。