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日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート
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印刷2009/01/17 12:00

プレイレポート

日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート

画像はすべて韓国語版です
画像集#021のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート
 Vertigo Gamesが制作したPC用オンラインFPS「BLACK SHOT」は,現在韓国でSKテレコムの子会社となったNtreev Softによってサービスされている。すでに何度か紹介したことのあるゲームだが,日本でもシーアンドシーメディアからサービスが行われることが発表されたこともあり,ゲームの詳細が気になる人もいることだろう。
 基本的な部分は過去記事でおさらいしていただくとして,さっそく,サービスが行われている韓国の状況をレポートして,特徴的なパートナーシステムと特進システムの実際などを紹介してみたい。

「パートナーシステム」の効用


画像集#023のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート
画像集#025のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート
 BLACK SHOTで最大の特徴ともいえるのがパートナーシステムだ。これは,ユーザー同士が1対1のパートナー関係を結び,共に戦うというユーザー同士による協同戦モードである。
 機能としては,パートナー同士の視野共有,相互アシストなどがあり,自分のパートナーに手持ちのマガジンを渡すことなどもできる。なかでも注目すべきは,パートナービューとパートナー仇討ちシステムだろう。
 パートナービューでは,ゲームプレイ中に小さくパートナー視点の映像を映し出すというものだ。パートナーからの映像は,ゲーム内の基本マップ表示に加えられる補助レーダーのような役割を果たしており,パートナーに敵の位置をマーキングで知らせることもできる。これはFPSで重要視される敵味方識別に大いに役立つものだ。そのため,パートナービューは,BLACK SHOTで戦略,戦術を立てる際に,なくてはならない重要要素の一つとなっている。
 パートナー仇討ちシステムは,パートナーが殺された場合,殺した相手キャラクターの位置を確認でき,見事当該のキャラクターを射殺した場合には報酬としてポイント獲得ができるというものだ。

左:パートナービュー ゲーム中に「F」キーを押すと,赤い枠内で示したパートナービューが表示される。
右:パートナーの位置
パートナーが自分の視野角内にいるときはパートナーの位置を表示
画像集#011のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート 画像集#012のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート

「特進システム」はライトユーザーにも優しい


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 BLACK SHOTのもう一つの特徴として「特進システム」がある。これは,NPC相手の模擬戦によって手軽に経験値が獲得できるトライアルミッションのことだ。基本的に,訓練兵から下士官まで特進が可能で,訓練兵ではない場合にも獲得経験値によって,それぞれの階級から進級可能となっている。ちなみに,クランへの参加は下士官以上の階級から可能なので,この「特進システム」を活用してスピード昇進に挑む人も多い。

 特進システムは,防御陣地の死守を目的としており,絶えず出現する敵の殲滅によって短時間内での成長が可能になっている。防御陣地内の自分の防御セクターさえ固く守っていれば,事実上,制限時間内に弾丸無制限で大量Killの効果が得られる。「1分100Kill」のスローガンを掲げているBLACK SHOTに相応しいシステムともいえよう。
 通常のFPSにおいて,マップ内での複雑な戦術,待ち伏せしている対抗チームのスナイパーや弾切れなどに悩まされていたライトユーザーなら大いに歓迎すべきシステムだろう。 チャレンジごとに進級と追加経験値の獲得まで狙えるのでまさに一石二鳥だ。

画像集#018のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート 画像集#016のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート
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 BLACK SHOTのパートナーシステムと特進システムを中心に紹介したが,実際にプレイしてみたところ,パートナーを希望するプレイヤーは意外と少ないことに気づく。ゲームロビーでパートナー申請を試してみたのだが,結構長い間パートナーが決まらなかった。おそらく,現状のほとんどのプレイヤーにとって,パートナーシステムは,クラン戦でチームプレイの便宜を図るために利用する単なる相互連絡,確認手段にしか使われていないのではないだろうか。こういった点は,当初ゲーム開発陣が意図したであろう「仲間と一緒に楽しめるミニパーティ」といった概念からほど遠いように思える。
 なお,ゲームの打撃感と命中判定の面については「自分が狙って命中させた」といった確実な手ごたえよりは,むしろ無差別乱射のうち「なんとなく当たってしまった」というような感もなくはない。ゲーム内の武器バランスの調整や命中判定の改善に期待したい。

画像集#003のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート
気になるマップの数だが2009年1月現在で,総計10エリアで,ほどよいバリエーションが用意されている。中華街を連想させるもの,典型的な都会を背景にしたもの,そして秘密研究所やミサイル基地など,βテスト開始から1年あまりのサービス期間にしては,比較的充実したマップのラインアップといえる。日本サービス開始の時点でマップの少なさにイライラする心配はまずなさそうだ。
 ただ,昨年10月に行われた新規銃器3種類のアップデート以来,これといったアップデートや大規模のイベントは行われていない。また,βテスト開始から現在に至るまで,公式的な累計会員数や最高同時接続者数は発表されておらず,登録クラン数(2009年1月現在4600あまり)がホームページで確認できるだけである。今後のロードマップがなかなか見えてこないのは少し残念だが,外見的な成長よりは,むしろ内容の充実に力を入れている模様だ。
 ゲームアイテムは着実に増えている。アイテム課金制のゲームだけに,アイテムモールは経験値アップ,獲得ゲームマネー25%アップなどの成長系から武器や装着パーツの変更,キャラクター名,クラン名またはクランマーク変更などの飾り系まで種類も多彩だ。

アイテムモールのようす
画像集#006のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート 画像集#007のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート

BLACK SHOTの隠れた強み


画像集#017のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート
 現在,韓国製FPSの主な流れは,欧米製のFPSの影響を強く受けた仮想第二次世界大戦モノと近未来を舞台とする対テロ戦の二つに分かれるが,BLACK SHOTはどちらかといえば後者に近い。市街戦中心の対ゲリラ戦ということで,形態としては確かにお馴染みのPC用FPSなのだが,プレイ感はむしろコンソールゲームに近い。例えば「グレネード!,グレネード!」など,ゲーム内に実装された音声には,ゲームセンターのシューティングゲームなどでよく耳にする「アクション!」に似た響きがある。FPSジャンル本来の重厚さを一部省いて,コンソールライクな感覚を取り入れた意外性のあるゲームとなっている。

 最後に,FPSプレイヤーの悩みの種でもあるCPUやグラフィックスカードの要求スペックのインフレ傾向だが,BLACK SHOTの場合はまず安心してもよさそうだ。通常のPCオンラインFPSのような重いシステム負荷は払拭されており,そこそこのスペックのPCで快適なゲームプレイができることは,BLACK SHOTが持つもっとも強力な魅力の一つだ。一般事務用ノートPCの内蔵グラフィックス機能でも問題なくプレイできる。
 いまや日本,韓国のみならず世界的なNetBook PCの普及に伴い,いっそうのゲームの最適化,軽量化が強いられている。FPSファンにとって,クライアントの軽さと安定性はかなりおいしいメリットになることはいうまでもない。
 あまり知られることのなかった韓国発FPSタイトル「BLACK SHOT」も日本サービスが決定した。日本向けのローカライズで変更される部分も多いと聞くので,今回のレポートの内容が必ずしもそのまま参考になるとは限らないのだが,より完成度を上げたかたちでの華麗なる日本デビューに期待したいところだ。


最近追加された武器の例

画像集#020のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート
1 UZI
 イスラエル製の小型サブマシンガン,優れた耐久性とダメージ性能,連射速度と携帯性で世界各国の軍,警察で広く愛用されている。


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2 FAMAS
 フランス軍の制式ライフル。連射速度の高さと安定した集弾率で高い正確度を持つ一方,反動はやや強め。


画像集#004のサムネイル/日本サービスが決まったFPS「BLACK SHOT」,韓国直輸入レポート
3 DRAGUNOV
 旧ロシア製のスパイパーライフル。欧米圏のスナイパーライフルのような繊細さはないが,優れた耐久性を武器に極限の環境下でも効果的,かつ高い命中率を誇る。しかし,強力な火力と軽量化の追求の代償で,射撃時の反動は大きい。
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