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[CJ 2007#33]Auditionに続け? 中国に挑む韓国のダンスゲーム2種
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印刷2007/07/14 23:43

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[CJ 2007#33]Auditionに続け? 中国に挑む韓国のダンスゲーム2種

 中国でダンスゲームといえば,「Audition」(日本名:ダンシングパラダイス)の一人勝ち状態だ。The9と9youのAudition争奪戦やライセンス料騒ぎなど最近の生々しいニュースを思い浮かべる人もいるかもしれない。なかには,なぜそんなにダンスゲームで大騒ぎをするんだと不思議に思う人もいるだろう。
 中国ではダンスゲームがドル箱商品だという。「なんで?」と思う向きもあるだろうが,カジュアルゲームのなかでもダンスゲームには若い女性プレイヤーが多く,実質のところ,日本でいう出会い系サイトの代わりになっているらしいのだ。
 そんなわけで,中国では非常に熱い競争が繰り広げられているダンスゲーに,韓国からの売り込み作品を2社見つけたのでまとめて紹介しよう。

■Jump for Joy

 まず一つめは,「Jump for Joy」だ。まだ開発中で,韓国内でもクローズドβテスト前というピチピチの新作である。これまでのダンスゲームとなにが違うかというと,これはダイエットを目的としたダンスゲームだということ。
 まず,PCのディスプレイの上にカメラを取り付ける。そしてプレイヤーの手足に銀色の反射面のあるベルトを装着する。そう,PCの前で実際に踊ることでゲームを進行させるのだ(もちろん普通のキーボードプレイモードもあるのだが)。
 使用されるカメラは,USBカメラなのだが,レンズの周りにLEDが並んでおり,そこからおそらく赤外線が照射されるのだと思われる。銀色のテープをつけたところは反射量が多いので位置を特定できるというわけだ。
 こういったオプションパーツが必要になるというのは導入障壁になるのではないかと思われたが,韓国では,登録ユーザー全員に無料でカメラと銀色の反射ベルト一式を送付することを予定しているという。
 振り付け(?)には,韓国でのダイエットの第一人者が全面協力しており,プロモーションムービーでもその人がプレイ方法などをデモしている。その人の体型を見るとやや不安は残るのだが,プロの指導により効率的にダイエットもできるというダンスゲームとなっている。また,開発中という腰ベルトを使うと,プレイ中のカロリー消費なども計測でき,もはやダンスゲームという枠に縛られない健康商品だといえるだろう。
 ただ,これだけだと,中国で求められているかもしれない(?)そっち系のニーズには向いていないようにも思われるのだが,このゲームではカメラで撮影した映像をサーバーにアップロードして公開できるという機能が用意されている。また,チャットやメッセージングはもちろん,WebベースのSNSが用意されるなどコミュニティ機能も強力だという。さらに今後,いくつかの国でサービス展開された場合でも,国の枠を超えたコミュニティが提供される。日本もそのうちの一つに予定されているようだが,開発中のタイトルということもあり,具体的な日本サービスの予定などはまだ決まっていない。



■Dance Fever

 続いて,Game Rushが展示していた「Dance Fever」だ。このタイトルも韓国で現在クローズドβテスト中という新作である。アーティストの写真を大きくブースに展示し,ちょっとほかと違う雰囲気のゲーム内容はどうだろうか?
 特徴を聞くと,リズム感を重視しているとかいろいろあったのだが,なによりとにかく簡単なのだという。まず,使用するキーは2種類に抑えられ,ゲームを非常に簡単にしている。
 また,ダンスを行うゲーム画面以外に,ゲーム内のアバターがそのまま3D空間を移動してコミュニケーションができる。このコンセプトはSnail Gameの「5th Street」に似ているが,こちらには,街のどこでもダンスができるといった自由度はない。移動できるのは,ビルのような建物のイメージだ。建物内でさまざまなアイテムを買ったりできる。
 音楽会社のアーティストと契約しており,その楽曲やプロモーションビデオがゲーム内で使われるのはもちろん,そのアーティストの新曲をゲーム内から購入できたり,ゲーム内でライブが見れたり,芸能人とビデオチャットぽいことができるといった展開が予定されているという。アーティストごとにフロアが分かれていて,グッズの購入などができるようだ。
 難しい話をすれば,オフラインの音楽市場はどんどん縮小しており,代わりにオンラインの音楽市場はどんどん伸びている現状を鑑みて,ゲームを中心としたコミュニティと音楽販売を結びつけようといった狙いがあるものと思われる。βテスト中ということもあり,協力アーティストはまだ少ないのだが,今後どんどん拡大されていくという。資料を見ると,S.M.Entertainmentとavex groupが協力態勢にあるようで,となると日本にとっても無関係ではない。
 「そっち系」とはまた違うが,ゲームと音楽産業の新しい方向性という意味では非常に興味深い試みである。



 ここで紹介した2作品とも,通常のダンスゲームの要素はもちろん十分に備え,豊富なアバターアイテムなどを用意している点も抜かりはない。それに加えた+α要素として,ダイエットや音楽販売,芸能人との交流といったものの追加を提示している。ダンスゲームのみならず,オンラインゲームの枠組みを広げるかもしれない要素を取り込んでおり,どちらも今後の動向に注目したい作品といえるだろう。(aueki)

  • 関連タイトル:

    Jump for Joy

  • 関連タイトル:

    Dance Fever

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