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[COMPUTEX]ASUS,スレート型タブレット端末3モデルを発表。CPUにTegra 2やCoreプロセッサを搭載
Johnny Shih氏(Chairman, ASUSTeK Computer) |
ASUSがスレート端末のユーザーシナリオを分析した結果。「Media Creation」「Productivity」「Media Consumption」の3カテゴリに向けて,最適な製品を展開するとした |
ASUSの創業者兼会長であるJohnny Shih(ジョニー・シー)氏は,「iPad」や「Kindle」などといったスレート端末の用途を分析すると,
- Media Creation:blogやSNS,写真や動画編集といったメディア制作
- Productivity:メモやスケジューラとして活用する生産活動(≒ビジネスユース)
- Media Consumption:コンテンツを読むことをメインとしたメディア消費
という,三つのユーザーシナリオに大別できると指摘。同社では,これらのユーザーシナリオごとに,顧客が満足できる製品を実現すべく,企画・開発を進めてきたという。
Eee Pad EP121
Coreプロセッサ搭載のフルスペックスレート
まずは「スレート端末ながら,PCアプリケーションなどとの互換性や,優れた生産性を実現するモデル」として,2011年第1四半期に投入予定となっている,「Eee Pad EP121」から紹介してみたい。
ノートPCにしか見えないが,Eee Pad EP121をモバイルドッキングステーションに装着したところ。なお,モバイルドッキングステーションは,まだ完全なモックアップで,搭載予定のストレージベイI/Oインタフェースなどは用意されていなかった |
Eee Pad EP121では,SD/メモリースティックスロットや,HDMIポート,USBポート,SIMカードスロットなどを本体側面に装備する |
Eee Pad EP121は,12.2インチ液晶パネルを採用したモデルで,Windows 7 Home PremiumとCoreプロセッサベースのデュアルコアCPUを搭載することで,スレート端末でも高度なマルチタスク動作を実現し,生産性を向上させた“フル機能スレート端末”という位置づけで訴求される。
面白いのは,Serial ATA接続のドライブベイを備え,キーボードを搭載したモバイルドッキングステーションと組み合わせることで,ノートPCと同じ感覚でも使えるようにしていること。ノートPCとして利用する必要がないユーザーに対しては,自宅でデスクトップPC的に使える,デスクトップドックなども用意される予定だ。
Shih氏は「Eee Pad EP121では,より高分解能のタッチパッドを装備するが,それでも入力のしやすさや生産性という面では,まだキーボードが手放せないというユーザーも多いはず」として,ノートPCのフル機能とスレート型端末の持つ携帯性を,本製品で両立させる意向を示していた。
Eee Pad EP121をデスクトップPCライクに利用できるドッキングステーション。背面には,USB×3と,LANやHDMIのポートが用意される |
発表会後に,同製品の製品企画担当者に話を聞いてみると,今回披露されたエンジニアリングサンプルが採用する液晶パネルの解像度は1366×768ドット。CPUには,いわゆるCULVモデルのCore 2 Duoを搭載しているとのこと。
「ただし,来年第1四半期に投入される製品版では,どのCPUを使うか,そしてタッチパネル液晶の解像度がどうなるかは,まだ未定の状態だ」(担当者)。
ちなみに,現在の計画だと,メインメモリ容量は最大2GB。ストレージは容量32/64/128GBのSSDから選択できるようになっているとのことだった。
モバイルドッキングステーションから取り外そうとしているところ |
筐体にはペン用のスロットが設けられていた |
Eee Pad EP101TC
〜より携帯性を重視したい人に
PCと同等の生産性よりも,携帯性を重視したいというユーザーに向けて開発が進んでいるのが,10インチ液晶パネルを搭載したスレート端末「Eee Pad EP101TC」だ。
10型液晶を採用したEee Pad EP101TC。厚さわずか12.2mm,重量675gと軽量だ |
開発中のUI |
前出の製品企画担当者によれば,本製品はプロセッサとしてNVIDIAのTegra 2を採用。タッチパネルの分解能は12インチモデルと同等のものになる見通しという。
ただし,Eee Pad EP101TCでは,オフィスアプリケーションなどの活用は考えられていないため,OSはWindows Embedded Compactとなり,メインメモリ容量は最大512MBになる模様だ。内蔵SSDの容量も16,32,64GBと,一段階引き下げられる。
こちらも,投入は2011年第1四半期の見込みである。
Eee Tablet
〜「Kindle」風デバイスにEペーパー機能を統合
さらに,PC的な用途よりもEブックリーダーとしての使い勝手を重視したい人に訴求されるのが,2010年第3四半期に市場投入予定の「Eee Tablet」である。
Eee Tabletは,8インチ,解像度1024×768ドットの液晶パネルに,分解能2450dpiのタッチセンサーを組み合わせ,ノートやスケッチブックに手書きで書き込む感じで使えるモノクロ液晶端末だ。いわば,「Kindle」タイプのEブックリーダーに,Eペーパーの機能を統合したモデルというイメージが近いだろう。
液晶パネルには,バックライトを省いたパッシブ型TFTを採用することで,0.1秒という優れた応答性と,目が疲れにくい視認性のよさを両立させたとのこと。また,本体には200万画素のWebカメラを搭載するほか,録音機能も備えており,ASUSは,授業やビジネスシーンでメモツールとしても活躍できるとアピールしている。
またEee Tabletでは,miroUSBポートやmicroSDスロットが用意され,PCや携帯電話とも容易にデータのやりとりができるようになるとのことだ。
Eee TabletはmicroUSBポートやmicroSDカードスロットを一つずつ搭載。その横にはカメラのシャッターボタンや録音ボタンが配されている |
付属のペンで走り書きしてみたところ。第3四半期の発売予定ということもあってか,Eee Tabletの完成度はかなり高い印象だ |
なお,ハードウェア仕様に関しては「CPUがARMベースのものになる」という説明があっただけで,それ以外は明らかにされなかった。
ハイエンドモデルは相当に面白そうだが
エコシステムが課題か
3製品は,目的別にずいぶんと異なる顔を持っているが,iPadやKindleよりも,PCとの連携を目指していように見える点では共通した印象もある。一方,スレート端末ならではのアプリケーションに関してはほとんど言及されておらず,PC側のコンテンツ頼りのような印象も受けたのは気になるところだ。Eee PadやEee Tabletで何ができるのかは,製品の仕様が固まる時期まで待つ必要がありそうだ。
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