連載
大網亜矢乃の構成要素:第6回「見上げてごらん」
夏の日差しが苦手というか,むしろ嫌いな大網さん。でも,そんな嫌いな季節にも,ある条件さえ揃えば幼い日の楽しかった思い出がよみがえるようです。
そういえば,小さいころの私にとっては,ドアもおばあちゃんもすべてが大きく,まるですっぽり覆われているようで,周囲を常に見上げていた。
大人になると,見上げる機会はほとんどなくなってしまう。せいぜい,空を見るときか,映画館で間違えて最前列に座ってしまったときぐらいだ。
この殺人的猛暑の夏は,私が一番殺気立つ季節。だから夏になると私は,常にマイナスオーラに包まれている。突き刺すような陽の光で,私の白い肌が焼けてしまったら一巻の終わり。
小学生のころ,家族でハワイに行ったことがある。真っ黒に日焼けした自分の姿を鏡で見たとき,まるで似合わない服を着せられている人形のようで,あまりのことに衝撃を受けて絶叫した。
あの日のことを忘れられない私は,今年も日焼け止めを握りしめて夏をやり過ごす。
今日も太陽の殺気は容赦なくギラついている。
それでも,木陰に入って木漏れ日を見ていると,とても落ち着く。
自分潜水状態突入。
プールの底から水面を見上げたとき,光がキラキラ反射しているのを見るのが好きで,よく潜水していたことを思い出す。
平泳ぎもクロールも,とくにうまくも速くもない私だったが,
宝取りだけは誰よりも早かった。
宝……といっても,赤や青の小さなボールのようなもの。
先生がプールに何十個も放り込んだ宝を,
私達が潜って取りに行く。
調教されるイルカもこんな気分なんだろうかと思いながらも,楽しんでやっていた。
何かを見上げたとき,
幼いころの記憶がフラッシュバックする。
今の私は,今見えるサイズのものだけに包まれているけれど,幼いころに見えていた風景は忘れずに,感性のおもちゃ箱にしまっておきたい。
STARTの少年にも,いつか私の携帯にぶら下がっているエヴァンゲリオンや便器,お守り,阪神タイガースっぽい服を着てたこ焼きに乗っているミニー,献血ちゃん,ラファエル,やわらか戦車のことを思い出す日が来るのだろうか。
こんな暑い日に,プールや海に飛び込んで水の中から水面を見上げられたら,どんなに気持ちいいだろう……とは思うものの,足並み揃えて水辺のレジャーなどを楽しむ友達がいない(例:編集担当者),あるいは忙しくてそんな余裕がない,そんな人もいるのではないでしょうか。そこで今回は,スキューバダイビングのシミュレーター「Diver: Deep Water Adventures」をご紹介。コレさえあれば,家から一歩も出ずして海底散歩を楽しめます。4Gamerでは,1時間のプレイ制限付きの体験版をUp済みなので,まずはこちらをどうぞ。
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