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大網亜矢乃の構成要素:第8回「脱皮」
現在22歳で,ご本人言うところの「大人2年目,まだまだ新米★」な大網亜矢乃さんは中学生のころ,自分が大人になるのがイヤだったそうです。しかし,ある戯曲のセリフをきっかけに,何かが変わっていったとのこと。さてそれは,誰のどんな作品だったのかというと……?
まるで,体の中に光が吸い込まれていくよう。
その光で胸焼けする私。
頭の中が,ラムネみたいにシュワシュワする。
何をしてもどこにいても,違和感を感じてしまう憂鬱な夜。
家の近くで脱皮しようとする蝉を見つけた。
それを見つめながら,
「あ,私も今,まさにそんな感じ」
と妙に共感。
やがて脱皮しきって飛び立つ蝉を,私は羨ましく見届ける。
「みえないものをみるんだ」
私が尊敬する作家,詩人の故・寺山修司氏の戯曲「星の王子さま」に,こんなセリフがあった。
中学時代の私は,目に見えるものしか脳と心に伝達できない腐りきった大人達に,毎日のようにうんざりするばかりだった。
自分もやがて大人になってしまうのかもしれないと思うと,たまらなくイヤだった。
そんな私に光を与えてくれたのが,この言葉。
私が,腐りきった大人にならなければいいんだ。素敵な大人になればいいんだ。そう気付いたとき,私は一つ脱皮した。
腐りきった大人など,廃棄処分してしまえ!
だってだって,
ダサいんだもの
クズなんだもの
悲しくなっちゃうんだもの
今でも腐った大人はあちこちにいて,そばにいると腐ったミカンのように自分も腐ってしまいそうだから,できるだけ近寄りたくない。
それでもどうしようもないときには,脳をソーダ水のようにシュワシュワさせて洗浄する。
脳内洗浄が終わったら,
「素敵な大人と楽しく会話して,自分も素敵な大人になりたい!」
と,星に叫ぶ(できればガッツポーズで)。
寺山修司と聞いて編集担当者が真っ先に思い出すのは,高森朝雄(梶原一騎)とちばてつやが生んだ名作「あしたのジョー」。この作品の主人公・矢吹 丈の敵役として登場し,ジョーと戦うためだけに2階級もの無理な減量をし,結果的に非業の死を遂げた力石 徹の喪主を務めたというエピソード(1970年3月24日)。そういえば,力石がこのような減量を強いられたのは,ちばてつや氏が原作のイメージを膨らませた結果,力石を大きく描きすぎてしまったからだったとか。というわけで今回は,ボクシングゲームを紹介しよう! と思ったものの,PC用のボクシングゲームに遊びやすそうなものが見あたらず……。なので,4Gamer編集部唯一のボクシング部出身者である山が,極私的コンシューマゲームセレクションの第6回で取り上げた,「ボクサーズロード2 ザ・リアル」の記事にリンクを貼っておきますね。
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ボクサーズロード2 ザ・リアル
対応機種:PSP
メーカー:アーテイン
発売日:2006年9月28日
価格:6090円(税込)
CEROレーティング:B(12歳以上対象)
公式サイト:http://br2.ertain.com/
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