連載
大網亜矢乃の構成要素:第9回「履歴書に書いた趣味:妄想」
現在,恵比寿ガーデンシネマと新宿ガーデンシネマで上映中のデヴィッド・リンチ監督作品「インランド・エンパイア」。映画好きの大網さんの脳に,この作品はどんな影響を与えたのでしょうか?
脳内メーカーは「映画」の文字で埋まっているはず(編注:「悪」が23個,「友」が1個。映画は出てこない)。
脳のMRIにも写ると思う。
先日,デヴィッド・リンチ監督の「インランド・エンパイア」を,恵比寿ガーデンシネマで観た。
その帰り道,足元がふらついていた。
スペースマウンテンに連続3回ぐらい乗った後のように。
頭もグワンとする。
歯医者で麻酔を3本打たれた後みたいに。
正直,何と言っていいのか分からない。
面白くない?
違う。
面白かった?
それも違う。
上演時間は約3時間。
正直,寝るんじゃないか? 腰が痛くなるんじゃないか? と不安を抱えながら観たのだが,気がついたらエンドロールだった(゜o゜)
夢と現実の間で
今日と昨日の間で
さまよう3時間
3時間の陶酔。
なんなんだ,これ?
ホワホワする。
脳の中に綿毛が飛んで,
私の前頭葉をコショぐるのだ。
次から次へと,さまざまな絵がパッと頭の中に浮かんでくる。
劇中,ウサギ人間が登場するシーンを観ながら,私は社長(編注:サンズエンタテインメントの野田義治社長)と初めて会った時のことを思い出した。
履歴書の趣味の欄に書いた,「妄想」という文字を見た社長は,
「どんな妄想だ?」
と聞いてきた。
それをきっかけに,
「普通にこうして話している人の顔が馬に見えたり……」
「それはただの馬顔だからだろ?」
「……違います」
「そうか。まぁそういうのは良くない妄想だな」
という会話をしたことを,今でもはっきり覚えている(その直後に観た「ラスベガスをやっつけろ」という映画で,ドラッグ中毒の人が私と同じ妄想を見ていたのには,少しがっかり)。
クセはある。でも,かなりの刺激を脳に注入してくれる作品なので,刺激の足りない毎日を過ごしている人にオススメです。
「インランド・エンパイア」は,ロサンゼルスやポーランドで撮影された作品。ポーランドといえば,ホラーFPS「Painkiller」の開発元であるPeople Can Flyのお膝元として,4Gamer読者にはなじみ深い国かもしれません。そうでもないですか? Painkillerを初めて知ったという人は,体験版をどうぞ。そういえば先日,Painkillerの映画化が決定か? なんてニュースもお届けしたばかり。本当に実現するのでしょうか……。
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