連載
インディーズゲームの小部屋:Room#470「Hollow Knight」
江戸にはびこる盗賊達が鬼と恐れる火付盗賊改方長官の活躍を毎週楽しみにしている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第470回は,Team Cherryの「Hollow Knight」を紹介する。本作は,謎に満ちた古代王国の地下遺跡で冒険を繰り広げるというアクションアドベンチャーだ。それにしても,池波正太郎先生の時代劇をアニメで見られるようになるなんて,いい時代になったものだ。
ダートマウスの街の地下深くに眠る古代王国の遺跡。かつて多くの者が,富や栄光,隠された太古の秘密を求めて足を踏み入れたこの遺跡に,また一人の冒険者(?)がやって来た。本作は2D横スクロールのアクションゲームで,プレイヤーはこの名も無き冒険者となって,危険に満ちた広大な遺跡に挑むことになる。
本作に登場するキャラクターは昆虫をモチーフにしており,カブトムシやテントウムシ,カマキリなどを可愛らしくデフォルメした敵が次々と現れるのが特徴の1つ。とくに明言はされていないが,頭の角の形から,主人公はクワガタではないかと思う。
地下遺跡は複数のエリアがつながった広大な作りで,どこから探索するかは,ある程度自由に決められる。ダートマウスの街や遺跡のところどころにあるベンチがセーブポイントになっているので,見つけたら忘れずに座っておこう。ベンチに座ると体力が全快するほか,力尽きた際は最後に立ち寄ったベンチからやり直しとなる。
基本的な攻撃方法は手にした剣で斬りつけるというものだが,ゲームを進めると「ソウル」を使った魔法攻撃も可能になる。ソウルは敵を攻撃した際などに手に入るエネルギーのようなもので,上述の魔法攻撃に使うほか,ソウルゲージを消費することで体力の回復も行える。本作には回復薬が存在しないため,むやみに魔法を使っていると,いざというときに体力を回復できなくなってしまうので注意しよう。
地下遺跡でほかのキャラクター達と出会うと,その場でアイテムを売ってくれたり,ゲーム開始時はほとんど人気がないダートマウスの街に彼らが戻ってきて,新しいお店がオープンしたりする。買い物には,敵を倒すなどして入手した「ジオ」という通貨が必要だ。ただし,敵に倒されるとジオをすべて落としてしまうのが厄介なところ。死亡するとその場に自分の亡霊が出現し,これを倒せばジオを取り戻せるが,亡霊は反撃してくるので油断は禁物だ。
また,主人公は冒険の途中でダッシュや壁を使った三角ジャンプなどの新しいアクションが使えるようになり,少しずつ探索できる場所が広がっていくほか,さまざまな「チャーム」を装備して能力を強化するといった要素も用意されている。アクションゲームとしてのレスポンスも良好で,かなり遊び応えのあるゲームに仕上がっているので,興味を持った人はぜひどうぞ。そんな本作はSteamにて,1480円で発売中だ。
■「Hollow Knight」公式サイト
http://hollowknight.com/- この記事のURL:
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