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[CJ 2007#番外編]ChinaJoy出展ゲームに見る中国携帯ゲーム事情
一昨年のChinaJoy会場では携帯ゲームのほとんどがスタンドアロンで,オンライン版をようやく見つけたらタイトル画面しかなかったとかいう状況だったのだが,今年の状況を聞いてみると,「まともなのは10本くらいですが」と念を押されたものの,携帯用のオンラインRPGだけですでに500本程度が存在するという。今回紹介する空中網の「天劫Online」は,そのまともな10本のうちの一つである。現在クローズドβテスト中で,7月末にオープンβテストが行われる予定だ。
どのあたりがウリなのかと聞いてみると,リアルタイム戦闘とキャラクター設定などの細かさだそうだ。キャラクターやストーリー,背景設定にこだわった作り方をしており,ゲームをもとにした小説もできるということだった。普通のコンシューマゲーム機っぽい画面で,ちゃんとMMORPGとして成立するものが携帯電話で動いているというだけでも,かなりのアドバンテージなのだろう。
このゲームを動作させるには,どのレベルの携帯電話が必要なのかと聞くと,ゲーム自体にHigh/Lowの2モードがあるので,現在1000元(約1万6000円)程度で購入できる携帯電話でなら,このゲームが動作可能だという。だいたい全携帯電話の6〜8割は大丈夫だそうだ。
現在はクローズドβテストということで,3台のサーバーが稼働しているという。最大同時接続は6000人程度,接続制限は9000人に設定されており,4000人くらいが快適なところだろうとのこと。正式稼働時にはサーバー数が増やされるのだろうが,1台あたりの接続ユーザー数が意外に少ない感じだ。
このゲームは,(通信料金はかかるものの)ゲーム自体は基本無料のアイテム課金方式で運営される予定だ。課金アイテムの予定を聞くと,やはり経験値2倍やアイテム獲得2倍など,効率Up系のものが中心とのこと。また,いつでもメールがチェックできるようなサービスも有料で提供されるという。
見方によっては,普通のゲーム市場より魅力的かもしれない携帯電話での中国オンラインゲーム市場。そして,猛烈な勢いで開発されている携帯電話用ゲーム達。この分野では,日本をはるかに上回るペースで市場展開が進行している。
かつて中国は,携帯電話用のゲームが欲しくて欲しくてたまらなく,日本のあらゆる携帯コンテンツメーカーにコンタクトを取っていた時期がある。商慣習の違いや日本側の引け腰な態度に(仕方ないかも)業を煮やしたのか,自分達でコンテンツをまかなうことに決め,いまではすっかり開発ノウハウが身についたようだ。
いくぶんマシにはなったものの,世界の中で孤立した特殊事情がオンパレードの日本の携帯電話に慣れていると,携帯コンテンツがどれほど世界共通で通用するものなのか,なかなか気づかない。日本でも一部では,海外向け専用にゲームコンテンツを作って稼いでいるところもあるのだが,地球規模での携帯コンテンツ需要は日本では盲点となっているようだ。この分野で中国が台頭する日も近いのだろうか。今後は,携帯コンテンツについても,中国をチェックしておく必要がありそうだ。(aueki)
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