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[TAIPEI2008#10]ライト系MMORPGの“機能性”を極めた,大陸中国の「逍遙 Online」
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印刷2008/01/26 12:36

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[TAIPEI2008#10]ライト系MMORPGの“機能性”を極めた,大陸中国の「逍遙 Online」

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 M-etel(億泰利多媒体)が台湾で昨年(2007年)8月からサービス中の「逍遙 Online」は,北京にある光宇遊戯華夏科技のライト系MMORPG「問道」を,台湾ローカライズした作品だ。封神演義のように,神と人が混在し,しばしば人が神を目指す中国神話の世界が舞台となっている。
 プレイヤーキャラクターの育成は職業でなく,陰陽五行説に基づく金,木,水,土,火という「門派」に属すことで,それぞれ得意な技の系統が決まってくるほか,火は水に弱いといった攻撃/防御の相性が設定されている。
 フィールド上にいる動物をペットにできるシステムや,PvP,攻城戦などライト系MMORPGらしい設定をひととおり備えた作品だが,大きな特徴を二つ持っている。一つがターン制の戦闘システム,もう一つがたいへん優れたサポート機能部分だ。順に説明しよう。

今回このゲームについて説明してくれた,M-etelの劉 柏呈氏(左)と,会場を練り歩いていたマスコットキャラの着ぐるみ(右)
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 本作の戦闘はターン制であり,敵と味方が交互に行動内容を入力する。入力には制限時間があって,画面にはカウントダウンが表示され,約30秒以内に済ませなければならない。行動順は,すべての敵/味方を含め「速度」パラメータの大小で決まる。ただし,そこで極端に上回ったとしても,1ターンに複数回行動できたりはしない。もっぱら,先攻の利を取るか,純然たる攻撃力を重視するか,また,どのタイミングで味方の回復を図るかといったあたりが考えどころとなる。

 続いて,本作が備える数々のサポート機能を説明しよう。まず戦闘関連だと「自動」という指定があって,この場合プレイヤーが操作することなく,近くに来た敵を順次攻撃する。これは,食事やトイレといったときにもプレイを中断しなくてよいための機能で,自動で攻撃するのは25回までと決まっている。また,例えば強そうな敵には仕掛けないといったフィルタリング機能などは持ち合わせていない。
 キャラクターの移動についても,手間を省く仕組みが用意されている。マップを表示して1点をクリックすると,そこに到るまでの経路が赤線で表示され,それを承諾すればそのままキャラクターが歩き出す。また,サービスNPCがドロップダウンリストにまとまっていて,ここから会いたい人を選ぶだけで,これまたキャラクターはその人の居場所に向かう。

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 本作ではワールドチャットでアイテム売買の呼びかけが行われるが,その呼びかけ文中のアイテム名が,そのままゲーム内のヘルプにリンクされているのも,ありそうでなかなかないシステムといえよう。
 また,これは直接プレイを支援するものではないのだが,ゲームクライアントがそのままプレイを動画として保存する機能を併せ持っているし,クライアントの複数起動も許容されている。

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 想定するゲーム性がプレイスタイルを規定すべきとする,普通のゲームの考え方からはかなりの程度自由であって,これも一種の合理性だと思う。MMORPGの作業部分を作業だと認めたうえで,その効率化を図ったというわけだ
 ちなみに台湾サービスにおけるプレイヤー数を聞いてみたところ,同時接続で約1万5000。クリック/リアルタイム戦闘の作品と比べてやや複雑なためか,可愛らしい絵柄ながらもプレイヤー層は,18歳〜35歳あたりが厚いそうだ。前述したように,クライアントの複数起動すら許容されているため,同時接続の1万5000という数字はプレイヤーの実数から離れている可能性も高いが,それでもこのゲームのコンセプトが,かなり多くの人に受け入れられていることを示す指標といえよう。
 MMORPGのゲーム性のあり方について,いろいろ考えさせられるヒット事例といえるかもしれない。

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  • 関連タイトル:

    逍遙 Online

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