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「CroXino -クロシーノ-」のオフライン座談会が開催。今後の予定,新クラス「ローグ」が発表される
本作では通常のテスターとは別に,とくに運営に対してゲーム内容や運営についての提案が直接行える“ご意見番頭さん”の募集もかけ,積極的にフィードバックを獲得する姿勢を見せている。これまでゲーム内では何度か,GMイベントとしての“座談会”が開催されていたが,今回はそれをオフラインで直接顔を突き合わせてやってしまおうという試みだ。
ジークレスト社内の会議室は,ゲーム内の座談会が行われる場所として参加者にはお馴染みの“大鷲亭”と名付けられ,そこへ集まった10名のご意見番頭さん達がこの日,運営側のスタッフと直接やりとりを行った。
この日の座談会は,過去に行なわれたテストにおける感想を直接ヒアリングし,今後導入が予定されているアップデート項目の先出し公開,そして三つの班に分けてのテーマ別座談会,といった流れで行なわれた。
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これまでのゲームプレイにおける感想を直接ヒアリング
・Windows Vistaなど一部のOSで,プレイ中に強制終了が多発してしまう
・マイキャラクターの正面を表示させづらく,スクリーンショットを正面から撮影するのが困難であるなどの問題があり,UIをもっと煮詰めてほしい
・パーティプレイ時のメンバーの募集を行いやすくしてほしい
→ゲーム内での掲示板やサーチ機能,あとは名前の横にマークを付けるとおいったメジャーな機能が具体例として挙げられた。また,過去にパーティを組んだ人を履歴として残すシステムを検討中とのことで,これはちょっとユニークかもしれない。
・ソロプレイで遊びたい。どこまで進められるの?
→一部のクエストを除き,基本的に“パーティ必須”が条件のクエストは少ないはず。ただし強制ではないにしろ,パーティ推奨の(つまりソロプレイでは困難な)クエストもある。
・全体的にシステムが甘い。具体的にはクライアントのロード時間が長い,キャラクターが地形にはまり込んでしまうこと(スタック)が多い,各種オブジェクトの表示が遅い,など
→ゲームの世界観は,韓国Nglim Softが作成したシナリオをベースとしているが,現在は日本のライターに新たに書き起こしてもらっている段階。この世界における魔法の理論など,細かな部分にまで設定を用意するとのこと。
・キャラクターの外見のバリエーションを増やしてほしい
→フェイスパターンと髪型に関しては,追加することはそれほど難しくないので前向きに検討。善悪のアライメントに関しては,オーラなどの色付きエフェクトと共に,目の色を変えたりすることを予定している。ここですかさず,「正面からじゃないと見えないのでは?」(マイキャラの正面を表示させづらい)という鋭いツッコミが。
・クラスごとにモデリングが決まっているのは不便。例えば,女性のレンジャーは小さな女の子のモデリングだが,クラスの外見が固定化されているため,プレイヤーの趣向によっては作成時の選択肢が狭まってしまう
→クラスのモデリングを今から変えるのは,開発コストなどを考えると難しい。
・移動時のスピードが遅く,これがほかの問題を引き起こしている
クロシーノは現在開発中であるため,ゲームとしての基本部分に関しては,やはり厳しい意見が数多く投げかけられた。しかし,座談会の参加者が積極的に発言していたのは好印象だ。ヒアリングの序盤では2〜3名が積極的に声を出す程度だったが,それにつられるようにして次第にほかの参加者も意見を出しはじめ,最終的にはかなりの賑わいを見せていたのだ。
それともう一つ,恐らくは厳しい意見をぶつけられるであろうことを予測したうえで,真摯な対応を続けていた運営スタッフの姿も印象に残った。
新クラス「ローグ」のイメージイラストが公開に
続いて,今後予定されている内容や新たな導入項目について紹介がなされた。全体的な方針としては,新規システムの追加よりも,既存システムの不具合修正やバランシングを優先して行なうとのこと。まずは公開されたスライドの内容を掲載しよう。
●移動について
クロシーノでは冒険者が空を飛ぶことができるが,そのとき使う飛行装置に,いくつかのバリエーションを持たせるようだ。全体的な移動スピードを上昇させるほか,「スピードは速いけど再使用時間が長い」「遅いけど再使用時間が短い」といった違いが出てくるとのこと。
●ペットについて
冒険者が育成するペットは,現在3種類の雛の中からランダムで選ばれるが,この種類を増やす予定だ。そのほか,成長スピードの見直しや,自動的にエサを与えるシステムを検討中とのこと。将来的にはペット騎乗時のスピードを上げ,習得スキルにもバリエーションを持たせるようだ。
●デスペナルティについて
というのも,問題の本質は通常移動の速度があまりにも遅く,手早く移動できる唯一の手段として,やむなくこの“死に戻り”を行なっていたとの事情があったようだ。移動速度については今後,飛行装置やペットなどでの改善が見込まれており,ここの調整が解決への糸口になるのかもしれない。
●装備強化・エンチャントについて
武具の強化やエンチャントでは,強化できる段階を増やすとともに,あとからエンチャント効果を追加する予定。ただし,強化段階が上がるごとに成功確率も少なくなるなど,一筋縄ではいかないようだ。
●プレイ環境について
クライアントが強制終了するなどの問題への対応を含めた,システムの調整については引き続き調整を続けていく予定。とくにWindows Vistaでの検証を重点的に行なうとのこと。そのほかクライアント用のパッチが無闇に大きいので最適化を図る点や,通信システムなどの効率化についても言及された。
●その他検討中のシステムについて
レベルアップ時に獲得できるステータスポイントは,現在たったの1のみ。これではキャラクターを成長させる醍醐味が少ないので,今後もっと増やす予定とのこと。これと同時に,ステータスが影響する各種項目のバランス再調整も必要になるわけで,かなり大掛かりな仕様変更となるかもしれない。
また,以前の記事でも紹介しているが,冒険者が作成できる「ギルドタウン」を実装予定。敵対ギルドと戦争を行なう際の拠点となったり,NPCを配置して商売を行なえたりといった要素を予定している旨が改めて紹介された。
●基本職業『ローグ』イラスト公開!!
最後に,ゲーム内で4番目に登場する一次クラスとなる,「ローグ」のイラストが公開された。実装時期や習得スキルなどの詳細説明はなかったが,イラストを見る限り短剣の一刀流で軽装のアタッカーという,“盗賊”としてのイメージからは大きく外れていなさそうだ。
テーマ別の座談会は大盛り上がり
休憩時間を挟んだのち,一般参加者が着席するテーブルを三つに分け,それぞれにGMスタッフが同席してテーマ別の座談会が行なわれた。テーマはそれぞれ,
「クロシーノの方向性について」(ソルティードッグ氏)
「実装されている要素のバランス/調整について」(モジャ氏)
「ご意見番頭さんの今後の活動について」(ライオット氏)
といったもの。
これは始まってみると,かなりの盛り上がりを見せた。ヒアリングの段階で会場内の雰囲気が十分に良い状態に盛り上がっていたためか,三つのテーブルの会話内容をすべて聞き取るのが困難なほど活発なディスカッションが同時進行されることになったのである。
“本作ならでは”の要素といえる,「ご意見番頭さんの今後の活動について」のテーブルでの話を中心に聞いてみたが,参加者はGMスタッフを前にかなり忌憚のない意見を出していたようだ。どうやら彼らは,ご意見番頭さんを続けるためのモチベーションが維持しにくいことに危機感を募らせており,では一体どうするか? という点にさまざまな方向性からの意見が出されていた。
GMスタッフが“発言数によるポイント制のBBSの導入”の案を示すも,それもポイントを稼ぐためのコピー/ペーストや,荒らし紛いの発言が繰り返される恐れがある,と指摘。そもそも根本的な問題として,ゲーム内で報酬を与えたところで,クローズドβテスト段階の本作は,今後キャラワイプが行なわれる可能性がある。もともとボランティアであるご意見番頭さんに対して,どのようにして“頑張った見返り”を与えるかというのは,なかなか難しい話のようだ。
参加者からの要望に対して,運営チームが言葉を詰まらせる場面もあり,クロシーノ完成への道のりはまだまだ険しいといったところ。また,今後の導入項目の紹介でも触れたように,当面はシステムの基本的な部分を煮詰める方向性で,本当の意味で“クロシーノらしさ”が芽を出してくるのは,もうしばらく先になることだろう。
だが運営チームの今回の真摯な対応は,ご意見番頭さんにとって何よりの“頑張った見返り”だったかもしれない。そういった意味で今回のオフラインイベントは大成功だったのではないかと思えた。ご意見番頭さんの存在が,ゲームにどのような影響を与えていくのか,今後も引き続き注目していきたい。
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