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ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第8回「『スター・ウォーズ』熱が再燃! フルCG長編アニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』がやって来る! その(2)」
さて,「『スター・ウォーズ』の中で,好きなキャラクターは?」と尋ねられたら,筆者は迷うことなくヨーダを挙げる。
ヨーダは小学生の頃……旧三部作を劇場で観ていた時代から好きなのだが,おそらくはルーク・スカイウォーカーに修行をさせる姿を見て,ちっこくて弱そうなのに実はスゴイ師範……いわば,“能ある鷹は爪を隠す”的な素振りに惹かれたからではないかと思っている。
ちなみにヨーダ以外だと,ジャンゴ・フェットも好きだ。「エピソードII」でさまざまなガジェットを駆使し,オビ=ワンを追い込む活躍ぶりが,なんとも格好よかったので!
……で,ジャンゴ・フェットはともかく,ヨーダがゲストキャラとして登場しているゲームといえば,7月31日にバンダイナムコゲームスから発売された「ソウルキャリバーIV」。このXbox 360版に,ヨーダがゲストキャラクターとして登場しているのだ。なお,PLAYSTATION 3版には,ダース・ベイダーが登場する。そういう意味では,いま日本で手に入る,最新のスター・ウォーズゲームが,ソウルキャリバーIVである! と言えなくもないだろう。
ヨーダ好きの筆者は,発売日になるや近所のゲームショップへ足を運び,Xbox 360版を購入しようと,都合4店ほど覗いてみたのだが,どこを見ても売り切れ。仕方なく,PS3版を購入して帰宅した。まあ,PS3版だっていずれは購入するつもりだったから,それはそれでいいんだけど……。
しかしスター・ウォーズからのゲストキャラクターが,PS3版とXbox 360版で分けられてしまったため,ダースベイダー VS. ヨーダの対戦ができないのは残念だ。
そんな感じで,現時点でもヨーダを使ったプレイはできていない(たとえ今,Xbox 360版を売っているところに出くわしても,購入する余裕が……)。しかしながら,ソウルキャリバーIVでプレイしていると,シネマゲーム研究家として気になるポイントがあちこちに見えてくる。
そこで今回は,スター・ウォーズゲームからはちょっと離れるが,スター・ウォーズ繋がりということで,ソウルキャリバーIVの開発部隊裏話などをバンダイナムコゲームスから聞いてきたので,その模様をお届けしよう。取材に応じてくれたのは,バンダイナムコゲームスでソウルシリーズに,初代タイトル「ソウルエッジ」から携わってきている,世取山宏秋プロデューサーと,佐々木勝利ディレクターだ。
ダース・ベイダーとヨーダの出陣をLucas Artsは快諾してくれた
いきなりですが,「ソウルキャリバーIV」はシリーズ最終作と発表されていますが,本当にこれが最後なんですか?
佐々木勝利氏(以下,佐々木氏):
今回は,ソウルキャリバーとソウルエッジの力が究極まで高まった状態の戦いを表現しようとして,“究極の戦い”や“最終決戦”というキーワードで制作をしてきたんです。その結果,最終作というイメージを持たれることが多いようですが,今後一切,ソウルキャリバーシリーズを作らないというわけではありません。ご要望があれば,これからも続けていきますよ。
J:
よかった! ファンとしては,これからも続いてほしいシリーズなので,安心しました。
そういえば,サモ・ハン・キンポー監督が数年前,「ソウルキャリバー」の実写映画化権を獲得したと報道されていましたが,あの話はどうなっているんですか?
世取山宏秋氏(以下,世取山氏):
いろいろな噂があるようですが,弊社から公式にアナウンスできる情報は,何もないんです。皆さんが期待している以上に,私も映画化を望んではいますので,前向きなお話があれば,ぜひ聞いてみたいとは思っています。
J:
とくに進展はしていないんですね……。残念ですが,今後の朗報を楽しみにすることにします。
といったところで本題に入りたいと思うんですが,ソウルキャリバーIVでは,Lucas Artsとのコラボレーションが実現し,Xbox 360版にヨーダ,PS3版にダース・ベイダーが登場しています。この企画は,どんな経緯で決まったんでしょうか?
佐々木氏:
私達からLucas Artsに打診したんです。すると,「ソウルキャリバーチームがどんなスター・ウォーズキャラを作ってくるのか楽しみなので,ぜひ見てみたい!」とおっしゃっていただけたんですよ。
J:
では,打診してからはスムーズに進んだんですね。でもそもそも,どうしてスター・ウォーズのキャラクターを出そうと考えたんですか?
佐々木氏:
ダース・ベイダーは,スター・ウォーズの象徴的なキャラクターで,世界的にも人気があるという理由。そしてヨーダは,「エピソードII」や「エピソードIII」でのアクロバティックなアクションを,ゲームで再現できたら面白いだろうと感じたからです。
J:
なるほど。Lucas Artsのキャラクターとしては,ほかにも,アプレンティスがいますが,こちらは?
佐々木氏:
アプレンティスは,「Star Wars: The Force Unleashed」という新しいゲームの主人公なんですが,Lucas Artsと話し合っているときに,先方から提案されました。「こんな新キャラクターがいるんだけど,興味はあるかい?」と。そのときにライトセーバーを逆手に持ったコンセプトアートを見せてもらったんですが,これは凄いキャラクターになるという直感あり,喜んで選ばせていただきました。
J:
Force Unleshedには期待しているんですが,日本での発売は未定なんですよね。なので,日本で発売されたゲームの中でアプレンティスを使えたのは,なんだかとても嬉しかったです。
佐々木氏:
ありがとうございます(笑)。
Lucas Artsからも信頼されているプロジェクトソウル
ヨーダとダース・ベイダーを登場させるにあたって,Lucas Artsからの要望やNG項目などはありましたか?
佐々木氏:
開発前にコンセプトを確認してもらったりはしましたが,基本的にはこちらのチームに任せていただきました。つまり我々が作る武器アクションの完成度を信じてくれていたということなんですね。その心意気に応えるべく,我々も必死で研究や試行錯誤を繰り返した甲斐があって,アクション面でLucas ArtsからNGを出されたことはありませんでした。こちら側が,クオリティやゲーム性を考慮してボツにしたものはありましたが。
J:
それだけ開発チームは信頼されていたんですね。ひょっとしたら,「ソウルキャリバーII」のゲームキューブ版に「ゼルダの伝説」のリンクを,Xbox版に「スポーン」を,プレイステーション2版に「鉄拳」の平八を登場させて,見事に成功させたという実績を,Lucas Artsも知っていたのかもしれません。
世取山氏:
任天堂の宮本 茂さんも,マクファーレン社も,それら我々プロジェクトソウルの横で「鉄拳」シリーズを開発していたチームも,ソウルキャリバーシリーズに対して,非常に敬意を持って接してくれているのを肌で感じていました。だからこそ我々も,世界最高峰のクオリティを目指してやってきたんです。そういった実績も,少しは影響したのかもしれませんね。
J:
奇跡的なコラボレーションが多いというのも,ソウルキャリバーシリーズの魅力ですね。
ところで,ソウルキャリバーIVではヨーダとダース・ベイダーの対戦が,現在はできませんよね。今後,Xbox 360版にダース・ベイダーを,PS3版にヨーダをダウンロード配信するといった予定はないんですか?
佐々木氏:
そういうご要望があるのは,認識しています。確か,映画やテレビのスター・ウォーズユニバースでは,ダース・ベイダーとヨーダが直接戦うシチュエーションは,描かれたことがないんですよね。それがソウルキャリバーの世界で実現するとしたら,確かに魅力的でしょうね。
J:
そうなんですよ! 僕みたいに映画ばっかり観て,ゲームでばっかり遊んでいるような者にとって,この対戦が実現すること以上の楽しみはないぐらいです(笑)。
佐々木氏:
ええ,そういうご要望は認識しております(笑)。
ゲーム内に無理なく“フォース”を表現するのが難しかった
ちょっと話題を変えますね。今回,ソウルキャリバーIVの舞台に,“フォース”を使うキャラクターが入ったわけですが,フォースをゲーム内で表現するにあたって,苦労した点などがあれば教えてください。
佐々木氏:
やはりフォースというからには,映画と同じように絶対的な力として描かなければ期待はずれですよね。かといって,フォースを無制限に使えてしまうと,ゲームバランスが壊れてしまいます。やはりこのあたりが,非常に難しかったポイントです。
J:
フォースさえあれば無条件で最強! みたいな形だと,対戦ゲームにとって致命的ですもんね。
佐々木氏:
ええ。そこで結局,フォースゲージというものを用意して,力の使用に制限を設けることにしたんですが,かといってゲージがない状態でフォースをまったく使えないとなると,ゲージの残量ばかりを気にしてプレイすることになりかねません。そうなると,シリーズの魅力でもある爽快感が損なわれてしまいます。
J:
ヒット&アウェイでチクチクダメージを与えていって……みたいなことになりそうですよね。
佐々木氏:
でもそれでは,ソウルキャリバーらしくないだろうということで,ゲージ残量がなくてもフォース自体は使えるようにしました。ただし,ゲージ残量がないと,フォース使用時に大きな隙が生まれてしまうというペナルティ付きです。そうすることで,フォースの乱発を防ぎつつ,勝負時には綺麗に決められるような,駆け引き要素にまで昇華できたと自負しています。
J:
実際に遊んでみても,よくできたシステムだと感じました。ダース・ベイダーは強いけれども,ちゃんと隙もあるという。
それではそろそろお時間ということで,最後にソウルキャリバーIVの魅力を,簡単にまとめていただけますか?
ソウルキャリバーIVは,従来作では味わえないアクションを楽しめる新キャラクターやゲストキャラクター,ボーナスキャラクターなどが登場し,シリーズ最高の武器アクションを楽しめるようになっています。また,防具破壊にクリティカルフィニッシュ,アクティブマッチングバトルなど,新しいゲームシステムにもチャレンジし,遊び応えも満点です。ストーリー面では,ソウルキャリバーの誕生秘話や,ソウルキャリバーの本質が垣間見えるエピソードも用意するなどして,緻密で重厚な世界観にも磨きをかけています。シリーズファンの人だけでなく,初めての人にも遊びやすく作っておりますので,ぜひ楽しんでください。
J:
ありがとうございました。
あ,最後の最後に個人的な質問をさせてください! ナムコブランドの格闘ゲームといえば,ソウルキャリバーのほかに鉄拳シリーズもありますが,例えば「鉄拳 vs. ソウルキャリバー」のようなゲームの企画は,動いていないんでしょうか?
世取山氏:
実は,開発内部でもよく話題に上っています。まさに夢の対決が実現! という感じですよね。非常に面白くなりそうだと思います。こういった企画を望む声が世界中から届くようであれば,実現する日が来るかもしれませんよ。
J:
おお! ひょっとしたら,実写映画版ソウルキャリバーより先に形になるかもしれませんね(笑)。
今日はありがとうございました!
といったところで今回はおしまい。次回は正統なスター・ウォーズゲームの数々を新旧織り交ぜて紹介する予定なので,お楽しみに!
ドブ漬けGAMEスープレックス(8)
Xbox 360
「デッドライジング」(カプコン)
先日,新宿ロフトプラスワンで開催したイベントで,「デッドライジング」のディレクターを務めたカプコンの河野禎則氏とシナリオライターの池原実氏とのトークをした。
数々の興味深い裏話を聞いていたら,再び「デッドライジング」で遊びたくなってきたため,実績MAXの1000を目指して再プレイを開始(まだ700Gにも満たないのだが)。2年前のゲームだが,今遊んでも色褪せない名作だ。
しかしどうやら日本国内でXbox 360を持っている人達の多くは,このゲームを持っていないようだ。全世界では170万本もの売り上げを記録したというのに,日本国内では7万本程度の実売にとどまっているという。
ただまあ,その理由にはコアなゲーマーほど,北米版を買ったから……というのもあるのだろう。なんせ,先行発売された北米版は,人体部位欠損当たり前のバイオレンス描写が満載で,しかもリージョンコードも入っておらず,日本で販売されているXbox 360で遊ぶことが可能だからだ(日本語字幕ないけど)。
日本国内版は,Z指定であるにもかかわらず,バイオレンス名描写がことごとくカットされている。血はドバドバ出ているのに,人体欠損は皆無……。なんだかかえって不気味なことになっているような。
この冬には,Wii版「デッドライジング ゾンビのいけにえ」のリリースも控えているが,Xbox 360を持っているのにデッドライジングで遊んだことのない人は,今すぐにでも迫り来るゾンビの群れとの戦いを体験してほしい。できれば北米版で(セーブデータは国内版で共用可能)。
そういえば,アメリカでは携帯電話版の開発も発表されていたが,あれはどうなったんだろう……?
「デッドライジング」公式サイト(要年齢認証)
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