連載
ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第11回「『スター・ウォーズ』熱が再燃!(略)その(5)」
少年時代の筆者にとって,家庭用ゲーム機なんて高嶺の花もいいところ。当時,ファミリーコンピュータさえ世に出ていなかったのである。それでもゲームバカだった筆者は,近所に住む富裕層の子供達(通称 ブルジョワ軍団)の家に行き,海外のさまざまな家庭用ゲームに触れてきた。この経験が,いまの筆者を形作っているのは,間違いのないところである……というのは前回も書いたとおり。
今回も引き続き,その頃のお話と映画「スター・ウォーズ」を原作とするゲームとの出会いをお話ししていこう。
家庭用「スター・ウォーズ」ゲームとのファーストコンタクト【後編】
だが,ハードさえ持っていれば,ブルジョワ軍団からゲームソフトは借りられるのではないか? と判断し,とにかくお金を貯める計画を立てた。
お小遣いをちまちま貯めるのでは限界がある。そこでまずは,手っ取り早くお金を集める商売を考え,実行することにした。
実は筆者は,小学校の低学年ぐらいから鉄道マニアでもあったため,兄が持っていた一眼レフを持ち,東大宮や尾久,上野駅などに行ってはブルートレインや特急列車を撮影していたのである。その写真を焼き増しして,当時は秋葉原にあった鉄道博物館の周辺にレジャーシートを広げ,1枚100円で販売していたのである(いま思うと,補導ものだ)。
その姿が哀れを誘ったのかもしれないが,とにかく大人達は写真を買ってくれた。そのため,毎週日曜日になると秋葉原へ通う日々が続いたのである。ただ,そこで儲けたお金はすべて,食費やボウリング場に設置されていた「ポン」や「ブレイクアウト」(ブロック崩し)に消えていた(……あれ?)。
また同時に,自分の足で拾い集めた古本マンガや,古紙回収のおじさんから定期的にもらっていたマンガ類を,神保町の古書店や,オープンして間もなかった中野まんだらけ(古川氏が10坪ほどの店を切り盛りしていた古き良き時代)に売りに行ったりもしていた。
この二つの商売で,日々のお小遣いは十分に事足りていたものの,買い食いやゲームを少し我慢したぐらいでは,万円単位のゲーム機には届くわけもない。
そこで策を練った。当時は「機動戦士ガンダム」のプラモデルが空前の大ブームを巻き起こしていた時期である。そこで筆者は,1万円を元手に始発電車で池袋へ向かって西武百貨店や東武百貨店に開店前から並び,10:00AMの開店と同時に1/144スケールのガンプラ(1個300円)をまとめて購入したのだ。
町の模型店などではガンプラがらみの抱き合わせ商法が横行しており,ガンプラだけを手に入れることは,なかなか難しい。それでもガンプラを求める人達は,深夜から早朝にかけて模型店などに行列を作っていたのである。筆者はそんな行列に向け,カゴや荷台にガンプラを載せた自転車を走らせた。あとは言わずもがなである。この策は見事に功を奏し,3か月ほどで5万円ほどの貯金に成功したのだ。
そしてそのお金をブルジョワ軍団のボスのお父さんに託し,海外出張時にATARI 2600とCommodore 64の本体を買ってきてもらえるようにお願いした。一度出張に出てしまうと,1〜2か月ほど帰国しないというお父さんだったので,しばらくの時間が必要だと思っていたのだが,わずか1週間後にボスの自宅にこの2台が届いていた。
なんでもボスのお父さんは,いまはなきおもちゃ会社の海外渉外部に勤めていて,世界各国から必要な玩具類を自由に取り寄せられる立場にあったのだ。ともあれ,本体を手に入れたことで,ボスからソフトを借りては自宅で遊び狂うという,夢にまで見た日々が始まった。
そこで(とくにATARI 2600で)遊んでいたシネマゲームは,「Star Wars Return of The Jedi: Death Star Battle」「Star Wars: Jedi Arena」「Star Wars: The Arcade Game」の3本。これらをプレイしながら,「さすが映画産業の活発なアメリカ! ゲームメーカーを巻き込んで一気にこれだけのスター・ウォーズのゲームを発売するなんて,きっとアメリカ人は全員スター・ウォーズのファンなんだろうな」なんて勝手に思いこみつつ,アメリカへの憧れを膨らませていたものだ。
余談だが,この年(1983年)の11月には日本でATARI 2800が発売された。しかし,インターネットで手軽に検索……なんてできなかった当時のこと。てっきりATARI 2600の上位機種だと思い込み,“商売”で稼いだお金で購入してしまい,マジ泣きしてしまった苦い思い出がある。
とはいえ,ちょうどその時期の誕生日プレゼントに,ポニカ(ポニーキャニオンの前身)のシネゲーラインナップが豊富なMSXを買ってもらったので,プラマイゼロといったところか(?)。
こんな具合に過ごした日々が,いまの筆者の礎になっているのである。そして筆者がスター・ウォーズのゲームには,ほかのシネゲーと比べて強い思い入れを持っている理由の一端をご理解いたけたのではないだろうか。やはり幼少期の刷り込みというのは強烈なのだ。
スター・ウォーズには,「フォースと共にあらんことを」という有名なセリフがある。しかしスター・ウォーズによってシネゲーへの偏愛に覚醒した筆者にとって,このセリフは「シネマゲームと共にあらんことを」という意味にすら聞こえる。……いや,「スター・ウォーズゲームと共にあらんことを」かな。
そんなこんなで,スター・ウォーズゲーム篇は,これにて終了。次回からは,現在公開中のあの映画のゲームに……?
ドブ漬けGAMEスープレックス(11)
PC
「SPORE」(エレクトロニック・アーツ)
9月5日,ついに「SPORE」が発売された。3年ほど前のE3で,クローズドシアター内でのプレゼンテーションを受けて以来,ずっと待ちこがれていた作品だ。
まだプレイを開始して間もないが,事前に発売された「SPORE クリーチャー クリエイター 完全版」で遊んでいたこともあってか,本編の世界観もすんなり入り込めたように思う。
クリーチャー クリエイターでは,とにかくキモカワイイのとか,近づきたくもないような不気味なヤツを一生懸命作っていたんだが,もちろん本編でもイカレたキャラクターを成長させている。
最初のうちは友好的かつ非戦闘非暴力な進め方をしていたんだが,攻撃的な生物に襲われてコテンパンにされてから気持ちが一転! 弱肉強食の世界で頂点に駆け上るべく,大暴れ! ところがそんなことを続けていたら,ほかの種族の生物達とは全然仲良くなれなくて,ちょっと寂しいことに。
筆者の持つ血の気の多さが,悪い方向に作用してしまったのかな? と思うと,これから己の生き方をあらためなければ老後が寂しいことになるんじゃないかと,怖くなってきた……。
「SPORE」公式サイト
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- 関連タイトル:
Star Wars: The Force Unleashed
- 関連タイトル:
SPORE
- 関連タイトル:
SPORE クリーチャー クリエイター 完全版
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