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[G-Star 2010]日本往年のアーケードゲームの影響を受けたという「メタルブラック:オルタナティブ」について,開発者にいろいろ聞いてみた
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印刷2010/11/25 10:00

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[G-Star 2010]日本往年のアーケードゲームの影響を受けたという「メタルブラック:オルタナティブ」について,開発者にいろいろ聞いてみた

画像集#009のサムネイル/[G-Star 2010]日本往年のアーケードゲームの影響を受けたという「メタルブラック:オルタナティブ」について,開発者にいろいろ聞いてみた
 G-Star 2010のNCsoftブースにプレイアブル出展されていた「メタルブラック:オルタナティブ」は,大雑把に表現するならクォータビューのアクションRPGを,シューティングゲームに仕立て上げた作品だ。

 本作については,G-Star 2010に先駆けて公開されたムービー紹介記事と,出展バージョンのプレイレポートをすでに掲載しているが,W/A/S/Dキーによる移動に,マウスによるフリーターゲットで照準を操作するというスタイルは,実際にプレイしてみると新鮮なのだが,それでいてどこか懐かしい,不思議なプレイフィールだった。

 今回,本作を開発するNCsoft 開発室長 Kim Hyung Jin氏,プロデューサー兼ディレクター Jeong-Seung Hyun氏に話を聞く機会が得られたので,その内容を紹介していきたい。

(左)プロデューサー兼ディレクター Jeong-Seung Hyun氏と,(右)開発室長 Kim Hyung Jin氏
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画像集#008のサムネイル/[G-Star 2010]日本往年のアーケードゲームの影響を受けたという「メタルブラック:オルタナティブ」について,開発者にいろいろ聞いてみた
 インタビューに対応してくれたお二人は,幼少期に日本のアーケードゲームを散々プレイして育ってきたという。彼らが生まれた1970年代当時,韓国ではコンピューターゲームが遊べる環境はあまり多くなかった。そんな中,1980年代に“娯楽室”と呼ばれるゲームセンターが出来たことで,彼らはSEGA,タイトー,ナムコ,カプコンといった,日本の往年のアーケードゲームの虜になったのだそうだ。

 そんな彼らにとって,それらのアーケードゲームはごく身近な存在であり,ゲーム開発に携わるようになった今,何らかの形でリスペクトできればと考えているという。
 ただ,プロの開発者として,受けた影響をそのまま反映することはできない。そして,あの面白さを自分なりに吸収して,新しいものを作らなければ意味がない。本作の開発はそうした意識の中で,アーケードゲームから受けた影響と,新たに創り出す要素のバランスに,とても苦労しているのだそうだ。

 開発の経緯に関しては,まず最初に,韓国でも人気の高いダンジョンクロウラー(ハック&スラッシュ)のジャンルに,シューティングゲームの面白さをミックスすることを考えたという。そしてシューティング部分に関しては,(「怒」などのように)スティックそのものが回転するタイプのゲームが見当たらないことに目をつけ,マウスによるフリーターゲットでの照準を取り入れた。さらにボス戦では,近年のトレンドである“弾幕系”のエッセンスを盛り込んでいったというわけだ。

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 また,ピンチを切り抜けるために利用できる,使用回数制限が設けられた“ボム”も,シューティングゲームには欠かせない要素である。あの一発逆転性を実現したいと考えた結果,強力な攻撃が行えるパワードスーツの“APU(Armed Personal Unit)”を導入することになったとのこと。

 APUの使用時は,ただ強力な攻撃ができるだけではなく,パワードスーツならではの旋回や加速などの“もどかしさ”を表現することに苦心したという。アーケードゲームだけでなく,「エイリアン」「スターシップ トゥルーパーズ(宇宙の戦士)」など,さまざまな映画・小説の影響も受けて,本作の世界観が構築されていったと彼らは語る。

 最初はボム的な経緯で導入されたというAPUだが,プレイヤーからの評判がかなり良く,今後は拡張することを考えているそうだ。現バージョンではマップ内にAPUが放置されており,それに乗り込んで戦うスタイルだが,「個人用のファクトリーでAPUをカスタマイズできたらいいね」と話していた。武器を付け替えたり,テクノロジーを研究して自分だけのAPUを追求する要素が入れば,かなり日本人ウケもしそうな気がする。

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 そのほかにも,弾道に物理エンジンを採用したり,状況に応じて3Dと2Dのグラフィックスを使い分けるなど,自分達なりのテイストを加えていった結果,現在のように出来上がっていったという。
 筆者が実際にプレイしたとき,新しさと懐かしさが混ざり合ったような,不思議な感触を受けたその理由は,どうやらこういった開発経緯にあったようだ。

 世界観をSFにした理由は,遠距離攻撃をメインにするうえで,従来のファンタジーと比べて,表現の幅が広がるからだという。どちらかというとファンタジー系のほうが人気は高いものの,それだと“弓”や“魔法”が大半となってしまう。SFの重火器類に比べると,どうしても表現の幅が狭まってしまうのだ。

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 ちなみに,ほかに類を見ない,新しいタイプの作品ということで,本作の開発作業は難航しているようだ。
 今回出展されたG-Star 2010バージョンは,前回のG-Star 2009バージョンと比べると,プレイヤーから見えないところで,かなり大幅に手が加えられているという。例えば,G-Star 2009のプレイアブルバージョンでは,ステージクリア型でミッションをこなす構成だったのだが,現在は拠点エリアでクエストを受け,パーティ編成を経てダンジョンに赴くという,MORPG的な流れに変更されている。これと並行して,新クラスの追加やゲームエンジンのチューンナップなども行っており,こうした試行錯誤とクオリティのアップに余念がないようだ。ただ,こうした作業の遅れによる,周囲からの開発へのプレッシャーは大きいという。

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 そんな開発状況の中で,去年のG-Star 2009にプレイアブル出展したときの反響が想像以上に良かったため,今回は頑張ってG-Star 2010用のプレイアブルバージョンを開発したのだという。来場客の反応を見た限りでは,彼らの努力は報われているように見える。


 開発スケジュールに関しては,2011年中には韓国で何らかの形で公開したいと考えているようだが,詳細はいまのところ未定だ。日本を含めた他国へのローカライズに関しても,まだ検討する段階ですらないとのこと。“日本”のゲームで育った彼らが開発した“韓国”のゲームが,まずは韓国でどのように評価されるのか。今後の展開に注目しておきたい。

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  • 関連タイトル:

    メタルブラック:オルタナティブ

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