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放送主が約6000万円の収入を得ている,韓国AfreecaTVのコンテンツ事情とは? 事業本部長チェ・ジョンウォン氏に話を聞いてきた
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印刷2016/05/18 12:24

インタビュー

放送主が約6000万円の収入を得ている,韓国AfreecaTVのコンテンツ事情とは? 事業本部長チェ・ジョンウォン氏に話を聞いてきた

 2016年5月14日,韓国の大手動画サービス・AfreecaTVのインタラクトコンテンツ事業本部長チェ・ジョンウォン氏にお会いし,韓国におけるライブストリーミングサービスの事情について話を聞く機会を得た。日本でも“ユーチューバー”と呼ばれる,ストリーミングで生計を成り立てる人々が徐々に頭角を表し,有名配信者のなかには会社員顔負けの高収入を得ている人もいるという。

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 では,日本と同様に動画配信サービスが発達している隣国の韓国では,その辺りのストリーミング事情はどうなっているのか。また,AfreecaTVにおいて,e-Sportsあるいはゲーム実況といったコンテンツは,どれほどの人気を得ているのか。

 本稿では,驚くような高収入や視聴者数を得ている配信主の話,また,韓国でのe-Sportsコンテンツの見られ方,また,国とe-Sportsの関係などについての話を,e-Sports界隈にも詳しいというチェ・ジョンウォン氏に聞くことができたので,その内容をお届けしよう。

AfreecaTV 日本語版公式サイト


4Gamer:
 チェさんは,AfreecaTVのインタラクトコンテンツ事業本部長とのことですが,具体的には何をされているのでしょうか。

AfreecaTV インタラクトコンテンツ事業本部長のチェ・ジョンウォン氏。昔はプロゲーマーとして活躍していたという。
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チェ・ジョンウォン氏(以下,チェ氏):
 AfreecaTVで制作したコンテンツの広告や配信などを担当しています。

4Gamer:
 AfreecaTVといえば韓国の代表的な動画ストリーミングサービスですが,その中でも人気のあるジャンルを教えてください。

チェ氏:
 全体の60%くらいはゲーム関連のコンテンツが占めています。(日本でいう)ゲーム実況というのは,韓国では一番人気のある配信スタイルで,BJ(放送主)数もかなり多いですね。

4Gamer:
 人気のあるBJだと,どれくらいのユーザーが視聴するのでしょうか。

チェ氏:
 チョルグという有名なBJがいまして,彼は最大同時視聴者数が10万人を超えることもあります。一般的に毎日配信を行っていて,それなりに人気のあるBJだと,1500〜2000人くらいですね。

4Gamer:
 AfreecaTVには星風船(いわゆる投げ銭)というシステムがありますよね。人気のあるBJ達は,星風船でどれくらい稼いでいるのでしょうか。

チェ氏:
 年俸でいうと6億ウォン(約6000万円)ほどの収入を得ている人もいます。なんだか自分で言っててもおかしいなと思いますね(笑)。

4Gamer:
 すごいですね……。そのBJはどういった放送をしているのでしょうか。

チェ氏:
 いろいろなゲームを実況配信している人です。こういった人気のあるBJには固定ファンが付いていて,全体的な収入の内訳を見ると,ファンによる星風船が圧倒的なんです。

4Gamer:
 なんだか聞くのも怖いのですが,一回の星風船での最高額はどれくらいですか。

チェ氏:
 6200万ウォン(620万円)くらいですね。

4Gamer:
 車が買えちゃうじゃないですか(笑)。

チェ氏:
 額を見たときは私もびっくりしましたね。きっとどこかの富豪なのでしょう(笑)。

4Gamer:
 AfreecaTVでは「League of Legends」のアマチュア大会を開催していると聞きましたが,盛り上がりはいかがでしょうか。

チェ氏:
 AfreecaTVでは,レディースバトルと社会人トーナメントの2つを開催しています。レディースバトルの場合は,参加応募者数が200人,社会人リーグは500人です。会場でやる場合は,来場観客数が100人ほど,ストリーミングだと2万人ほどに視聴されてます。

League of Legends
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4Gamer:
 アマチュアとしてはなかなかの盛り上がりですね。e-Sportsコンテンツの視聴者数は,これからも増えていきそうですか。

チェ氏:
 ゲームの視聴を楽しむという文化が根付いてきていているので,これからも増えていくと思います。最近ではゲーム会社も,プレイを見てるだけでも楽しめるコンテンツを作ろうという傾向が強く,そうした状況も後押ししているのだと思います。

4Gamer:
 日本では,e-Sportsないしプロゲーマーという存在に対する理解がまだ進んでいないというのが現状ですが,韓国における世間一般の目はどうでしょうか。

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チェ氏:
 韓国でも,上の世代というのはそこまでe-Sportsやプローゲーマーに対して寛大ではなく,ゲームをすることに対して批判的な視点も多いです。

4Gamer:
 そのあたりは日本と変わらないですね。

チェ氏:
 ただ,ゲームやe-Sportsを楽しんでいる今の若い世代が社会に出ていくことで,野球やサッカーを観戦するのと同じように,e-Sportsを楽しむという文化があたりまえになっていくのだと思います。おそらく日本のe-Sporrsシーンに関しても同じことがいえるのではないでしょうか。

4Gamer:
 日本でe-Sportsを盛り上げていくには,何が必要だと思いますか。

チェ氏:
 大きな国際大会で実績を残すというのが重要だと思います。韓国にはゲームのうまい人が多いので,国際大会で実績を残す人もたくさんいます。国際大会で韓国のチームが優勝しているとなると,同じ国民としては関心を持ちますし,それがポジティブな要素として受け取られる確率も高いのです。

4Gamer:
 韓国では,政府がe-Sportsに力を入れていると聞くのですが,実際にはどうなのでしょうか。

チェ氏:
 実のところ,国家的なレベルでのサポートは行われていません。むしろ政府にとってゲームというものはネガティブなものとして捉えられています。ただ,韓国のチームが世界大会で活躍しているので,国としてはゲームないしe-Sportsを無視することができないという感じすね。
 ただ,若い世代の国会議員はe-Sportsを支援していきたいという考えてを持って,その準備を始めています。

4Gamer:
 日本でも同じように発展していくことに期待したいですね。本日はありがとうございました。

AfreecaTV 日本語版公式サイト

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