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「.hack」新作アニメ映像も公開された「.hack//LiVE 劇奏」レポート:ドラマの“劇”にライブの“奏”と,充実した「.hack」シリーズ初のファンイベントに
「.hack」シリーズは,バンダイナムコゲームスのメディアミックスプロジェクト。2002年に放送されたテレビアニメ「.hack//SIGN」にはじまり,ゲーム/小説/コミックなどさまざまなジャンルに展開しており,10年にわたり23作品が生み出されてきた。また2010年3月4日には,シリーズ最新作となるPSP用アクションRPG「.hack//Link」が発売されている。
人気シリーズとして長く続いている「.hack」シリーズだが,単独でのライブイベントは今回が初となる。昼夜2回の公演が開催され,「.hack」シリーズの出演声優陣による朗読劇やトークショー,人気アーティストによるライブ,そしてシリーズ最新情報の告知などが行われた。本稿では,昼の部の公演の模様をお伝えしていこう。
「.hack」シリーズ公式サイト
「.hack//LiVE 劇奏」イベント公式サイト
■出演キャスト
三瓶由布子さん(九竜トキオ役:「.hack//Link」)
小清水亜美さん(天城彩花役:「.hack//Link」)
杉田智和さん(フリューゲル役:「.hack//Link」)
斎賀みつきさん(司役:「.hack//SIGN」,エルク役:「.hack//」,エンデュランス役:「.hack//G.U.」)
相田さやかさん(カイト役:「.hack//」)
櫻井孝宏さん(ハセヲ役:「.hack//Roots」「.hack//G.U.」)
浅野真澄さん(ブラックローズ役「.hack//」,揺光役:「.hack//G.U.」)
FictionJunction(梶浦由記さん/KAORIさん/WAKANAさん/KEIKOさん/YURIKO KAIDAさん)
FictionJunction YUUKA(梶浦由記さん/YUUKAさん/KAORIさん/WAKANAさん/KEIKOさん/YURIKO KAIDAさん)
LieN -リアン-(三谷朋世さん/福田考代さん)
イベントはLieN -リアン-によるライブから開始され,「.hack//Link」のメインテーマである「時の階段」が,ゲーム中の映像と合わせて演奏された。会場に集まったファンはスタンディングでこれを迎え,初っ端から会場は大きく盛り上がっていた。
トキオ,彩花,フリューゲルの3人がアウラ捜索のためアカシャ盤の中に入るが,そこで時間データのひずみに巻き込まれ“The World”の時代を逆行。共に戦った仲間達の“その後”を垣間見るという,「.hack//Link」の後日譚的な内容となっていた。
まず2011年では,リアルでは受験を控えたカイトと高校生のブラックローズが登場。二人は将来のことを考えて,「The World」にログインするのはこれで最後にする……という会話から始まった。
「The World」を通じて世界中の人とふれあうことを知ったカイトは,いずれは他の国の人と交流できる仕事に就きたいと夢を語る。ブラックローズには,「The World」にログインするのは最後だが,「これからはリアルでよろしくね」と話す。
大学生になった司も「The World」にログインしており,二人のやり取りを聞いたことで,一歩前に進む勇気をもらったと話し,「The World」を去っていく。
続けての2018年では,アリーナで揺光が久しぶりにハセヲと出会うシーンから始まる。
ハセヲはネットデータを管理する仕事に就きたいと自らの夢を語り,そのため「The World」よりリアルを優先すると話す。なおアトリ(千草)は登場しなかったものの,ハセヲから「保育士になるための勉強をしている」と紹介された。
遥光は,「The World」のアリーナで戦い続けることを選び,「千草にフラレたらいつでも来いよな。揺光さんがやさしく慰めてやるから」と,一途な面を見せた。ちなみに,千草がハセヲをなんと呼ぶかは明かされずじまいだった。
そしてトキオと彩花は,2021年のアカシャ盤に戻ってくるときに,植物の生い茂る温室のような場所で影を見る。2011年に無事戻ったあと,影はきっとアウラに違いないとフリューゲルに告げていた。
その後のトークコーナーでは,「.hack//Link」に出演した三瓶さん,小清水さん,杉田さんの3人と,歴代「.hack」シリーズの主要キャラクターを演じた斎賀さん,相田さん,櫻井さん,浅野さんの合計7人で,「.hack」シリーズの歴史を振り返る,思い出トークに花を咲かせた。
そこで櫻井さんが「.hack」シリーズで3役くらい演じたと発言すると,「ハセヲのほかにどんな役をやったの?」という質問が飛んだ。櫻井さんは,「……やっぱりハセヲが一番印象に残っていますね!」とはぐらかし,役名をド忘れしていたことが判明。結局は,来場者に教えてもらっていた。
三瓶さんは,「.hack//Link」の収録の際,“クロスレンゲキ”の掛け声を最初に収録したものの,諸事情により再録することになり,前の自分の声に合わせるのが大変だったと話していた。
なお三瓶さんは,本公演のパンフレット向けに寄せたメッセージが,小清水さんとシンクロしているほど似ていてびっくりしたと話していたのだが,小清水さんは,実は「三瓶さんのメッセージを見て真似て書いた」とバラし,トークに見事なオチを付けていた。
前のライブドラマでもそうだったのだが,トキオが心で思ったことに対してフリューゲルが普通に受け答えをする,というやりとりがあった。
トキオが「なんで今のが聞こえちゃうの? 心の声だからエコーかかっていたでしょ!」とツッコんでいたのだが,フリューゲルによれば,人の心を読める機械“ヨミトールX”を使っていたからだという。
ヨミトールXのモニターを依頼されたトキオが,仲間達の心を読んだところ,実は皆がトキオのツノを変だと思っていることが判明する(ちなみに,トキオ自身はツノをカッコいいと思っている)。
最後に,ヨミトールXは「人の心を読む」のではなく,「自身がコンプレックスに思っていることを他人の言葉で指摘する」機械であるというオチが,フリューゲルから(会場に向けて)説明された。
なお劇中でフリューゲルは,モニターがうまくいったら会場の物販コーナーでさっそく販売するつもりだと言っていたのだが,残念ながら(?),実現には到らなかったようだ。
参考までに,「.hack//Long horn」は昼公演のみのライブドラマで,夜公演では「.hack//arena」という別内容になっていた。
ここでは,サイバーコネクトツー 代表取締役社長の松山 洋氏に触れて,今やお子さんが生まれて松山氏も一児のパパになったという話題が出る。
時が経つのが早いといった感慨深げな内容になるのかと思いきや,お子さんが生まれたときに声優仲間で段ボールいっぱいの紙オムツを送った話とか,松山氏のお子さんに新幹線のような「ひらがな3文字」の名前を勝手に付けて呼んでいたとか,少々脱線気味のトークで盛り上がっていた。
そのあとは,再びLieN -リアン-が登場し,「.hack//G.U.」から「やさしい両手」と「優しくキミは微笑んでいた」の2曲を演奏した。
松山氏は,「.hack」シリーズの単独ライブが実現したことを喜び,内山氏は同社の「テイルズ オブ」シリーズのような人気タイトルになってほしいとコメントしていた。
そのほか,松山氏が先ほどのトークで自身がネタにされたことを受け,声優陣から送られた紙オムツ入りのダンボールを100人近い社員が集まっている前で開けた話などを披露。
また,会場の物販コーナーで販売されていたアイテムについて,Tシャツはサイバーコネクトツーのデザイナーがデザインしたものであること,ネックレスの造形はゲーム用にデザインしたレンダリングモデルを元にしていることなど,非常に凝った作りになっていることを紹介。
そしてここで,なんと「.hack」シリーズ新作ムービーが上映された。現時点ではまだ詳細を明かせないとのことだが,「.hack//Link」に続く第3期プロジェクトで,新作アニメであるとのこと。
新作映像の上映で会場の興奮が覚めやらぬうちに,いよいよFictionJunctionによるライブが開始。そのセットリストは以下のとおりだ。
「the world」(.hack//SIGN)
「key of the twilight」(.hack//SIGN)
「Liminality」(.hack//Liminality)
「Obsession」(.hack//SIGN)
「fake wings」(.hack//SIGN)
「in the land of twilight, under the moon」(.hack//SIGN)
「in the land of twilight, under the moon」のあとは,ステージ上にYUUKAさんが登場し,FictionJunction YUUKAとして,「Silly-Go-Round」(.hack//Roots)を披露。
なお梶浦由記さんは,演奏の合間に「.hack」シリーズの思い出を振り返り,最初の4部作は相当な廃人プレイをしていたと話す。また,このライブで5曲がチョイスされた「.hack//SIGN」については,「曲を全部一人で作ったので特に思い出深いです」とコメントしていた。
そして,いよいよ迎えたフィナーレでは,出演キャスト陣が総登場し,全員でファンに向かって挨拶。会場が大きな拍手と歓声に包まれ,約2時間半にわたるイベントは幕を閉じた。
「.hack」シリーズ公式サイト
「.hack//LiVE 劇奏」イベント公式サイト
※5月12日19:50頃,メーカーからの修正依頼を受け,記事内文章を一部修正しました。
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