プレイレポート
ゾンビが苦手な人にも,RTS初心者にも楽しめる“ぞんびぞろぞろアクション”。NDS「ぞんびだいすき」のインプレッションをお届け
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「ぞんびだいすき」公式サイト
RTS感覚も味わえるアクションパート
本作には大きく分けて,“アクションパート”と“牧場パート”という二つのパートがある。まずはアクションパートについて説明しよう。
アクションパートは,主にクエストの遂行を目的とした内容となっており,プレイヤーはゾンビ達をタッチペンで操作して,さまざまな難局に立ち向かっていく。
操作方法は至ってシンプルで,目的の方向にタッチペンをスライドさせれば通常移動,素早く3回スライドさせればダッシュ,ゾンビ達を丸で囲んでからスライドさせればまとめて移動させられる。
また,マップの1点をタッチし続けると,ゾンビ達を1か所に集められる。これは手強い人間を襲いたいときなどに有効だ。逆に,集まっているゾンビ達を散らしたいときには,1点を3回タッチすればいい。“散らす”が何に役立つのか,ということは文章だけではなかなか説明しづらい部分もあるのだが,例えばボス級の敵がめちゃくちゃ強い技を発動したときなどの緊急回避に役立ったりする。
ともあれプレイヤーは,上記のようなアクションを駆使しながら,“悪い人たち”を容赦なくやっつけていくのだ。ちなみに,ゾンビにやっつけられた悪い人たちは,クエストのクリア後にゾンビとして復活し,仲間になることがある。クエストを有利に攻略するためにも,どんどん人間をかじり,仲間を増やしていきたいところだ。
アクションパートでは,特定の条件を満たすことで発動する“スペシャルスキル”の存在も見逃せない。スペシャルスキルには,ゾンビ全員のHPを回復させる“ヒール”や,隕石を落として攻撃する“デスメテオ”,やられたゾンビを復活させる“ライズアップ”といったものがある。もちろん,これ以外にもさまざまなスペシャルスキルが存在し,どれも不利な状況を好転させる威力を秘めている。
体験版をプレイした人ならば理解できるだろうが,本作のアクションパートは,リアルタイムストラテジー(RTS)ような感覚で楽しめる。アクションパートでは,敵(人間)味方(ゾンビ)がリアルタイムで動き回るため,状況は刻一刻と変化していく。ゲームを効率的に進めるには,その場その場での的確な判断が重要になってくるのだ。
……なんて書いてしまうと,かなり難しそうなゲームに思われてしまうかもしれないが,筆者がプレイした印象としては,タッチペンとRTSの親和性はとても高く,ゲーム自体の難度もさほど高くはない。国内では「難しそう」というイメージが強いためか,注目される機会の少ないRTSだが,本作をプレイすれば,そんなイメージはすぐに払拭されるだろう。
加えて本作は,ゾンビこそ登場するものの,心臓に悪いホラー要素は一切なく,雰囲気はかなりコミカル。8ビットテイスト溢れるレトロなBGMも,その雰囲気に拍車をかけている。キャラクターデザインもポップな絵柄で,コアなゲームファンだけではなく,ライト層でも楽しめるRTSの入門編としてオススメできそうだ。
ちなみに,みんなのニンテンドーチャンネル(12月22から1月25日),DSステーション(12月24日から1月26日),ニンテンドーゾーン(12月24日から1月27日)にて,ぞんびだいすきの体験版が配信されている。購入しようか迷っているなら,まずはダウンロードして試してみるといいだろう。
作物を育てて,立派なゾンビに育てよう。
タネまきに関しては,手動だけでなくオートでまくこともできる。準備段階の手間を省きたい人は,オート機能を活用するといいだろう。ちなみにタネが立派な作物に育つには(ゲーム内時間で)数日かかる。
加えて牧場では,“DIARY”機能でプレイしたクエストの内容/結果を確認したり,手に入れたアイテムや,これまでに訪れたアクションステージ,ゾンビが覚えたスキル,登場したキャラクターなどを閲覧したりもできる。
また,“みんなであそぶ”を選ぶことで,敵チームを倒しながらゴールを狙う“DEAD SAL(デッドサル)”というフットサル的なゲームや,ほかのプレイヤーと協力してボスを倒す“PARTY HUNT(パーティハント)”といった,本作ならではのミニゲームが楽しめる。DEAD SALに関しては,「ぞんびだいすき」のソフトを持っていない人ともプレイできるので,家族や友人と気軽に遊んでみるといいだろう。
ゾンビが人を襲いまくるゲームであることは間違いないものの,恐ろしさやおぞましさを感じさせない工夫が随所にほどこされており,そういった意味でも人を選ばない作品と言える。ちなみにゾンビや悪い人たちには,それぞれ名前が付けられている。可愛らしいグラフィックスや,どこかユーモラスなセリフとも相まって,お気に入りのゾンビがきっと見つかるはずである。
一度ハマると病みつきになること請け合いの“ぞんびぞろぞろアクション”。興味がわいたという人は,ぜひ購入を検討してみてほしい。
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