インタビュー
ゲームポットのソーシャルゲーム「わグルま!」リリム役の声優,藤田 咲さん&プロデューサー 門田次弘氏インタビュー
2011年2月15日,キャラクターボイスの収録が行われ,4Gamerでは収録現場を取材する機会を得た。その現場で,女の子モンスターの1人である「リリム」のCVを担当した藤田 咲さんと,本作のプロデューサーを務めるゲームポットの門田次弘氏から話を聞けたので,それぞれ紹介していこう。
なお今回,わグルま!に声優として参加した藤田さん以外の皆さんからもコメントをいただいたので,こちらも2ページ目で紹介していこう。
「わグルま!」公式サイト
藤田 咲さんへのインタビュー
――藤田さんが演じられた「リリム」というキャラクターの印象はどうでしょうか?
藤田 咲さん(以下,藤田さん):
元気で可愛らしい女の子なんだな,というのは重々分かっていたので,元気よく演じようと思いました。
――収録を終えて,演じられたキャラクターで印象深いセリフなどはありますか?
藤田さん:
リリムはまじめで頑張りやな女の子なんですが,こういうキャラクターに付きものの「ドジっ娘」要素が垣間見えて,そこが彼女の一生懸命さを表現できる部分だと思います。ただ元気というよりは,少し愛らしい感じがしますね。疲れているときは,世話してあげなくちゃ,守ってあげなくちゃ,と思わせる要素も必要だと思い,そう演じさせていただきました。
――「わグルま!」には11人のキャラクターが登場しますが,リリム以外で演じてみたいキャラクターはいましたか?
藤田さん:
皆さんの頭の中には絶対に出てこないと思いますが,サキュバスですね(笑)。非常にSっ気が強くて,悪女を彷彿とさせる雰囲気のある,グラマラスな女性です。彼女を演じてみたいなと思います。2番目を挙げるならリビングアーマーかな。これもおそらく私のイメージにないですよね(笑)。口数が少なくて奥ゆかしいのがカッコよくて,憧れます。
サキュバス |
リビングアーマー |
ブシドー |
――たしかにリリムとは正反対なキャラクターに見えますね。
藤田さん:
私,凛々しいキャラクターって好きなんですよ。演じ甲斐がありそうだと思います。
――プレイヤー目線で見たら,どのキャラクターがいいなと思いますか?
藤田さん:
やはりリリムですね。あとはブシドーってキャラクターでしょうか。私が今まで好きになるキャラクターってポニーテールの子が多いんです。最近は時代の流れがツインテール推しのように思うのですが,私はあえてポニーテールを推したいと思います。
――わグルま!で今後期待する展開などはありますか?
藤田さん:
ストーリーモードの部分をがっつり演じてみたいです。そうなると,OVAやTVアニメーション,劇場版と夢は膨らみますね(笑)。でも,現実的なことを言えばドラマCDが叶いそうな気がいたします☆
――最後に,ゲームをプレイされている方や,ファンの方にメッセージをお願いします。
藤田さん:
わグルま!はキャラクターが多く,イラストレーターの方も6人もいるんです。それぞれが「自分が最も得意とするキャラクターを描いているのでは?」と思わせるくらい,気合の入ったデザインになっていまして,そこが見どころですね。キャラクターそれぞれの性格も違いますし,自分に合ったキャラを見つけて遊んでいただきたいと思います。
ゲームも楽しくプレイできるものとなっているので,皆さん,ぜひリリムを選んでみてください(笑)。
わグルま!プロデューサー,門田次弘氏へのインタビュー
――さっそくですが,わグルま!とは,どういった内容のゲームですか?
門田次弘氏(以下,門田氏):
女の子モンスターは11名いて,ショップのお姉さんを加えて合計12名のキャラクターとなりますね。そこへ,それぞれ声優さんをキャスティングしました。
――キャラクターの設定などはいろいろあるようですね。何か意識されたことはありますか?
門田氏:
僕の趣味ですね(笑)。こんなキャラクターがいたらいいなって,一人一人考えていったんです。全体を見て「こういうキャラクターがいるから,こっちはこうしよう」といったバランス取りはせず,考えを積み重ねていった結果こうなりました。
――キャラクターが全部で11人というのは決まっていたんでしょうか?
門田氏:
今回はプランニングの段階から僕も参加していますが,そのとき決まっていたのは「自分達で制作する」ということです。キャラクターを作りすぎると僕自身への負担が大きくなりますし(笑),そこがリミッターとなって,この人数になりました。
――キャラクターが11人もいるというのは結構な数だと思いますが?
門田氏:
これぐらいがちょうどいいかなという思いはありました。女の子のキャラクターが多くいるに越したことはなく,主人公がそれに囲まれたい……それがただ1つの願望だったんですよ。
アニメとかだと,3人以上の女の子がいれば「いっぱい」ですよね。でも,わグルま!には10人は必要だろうと思い,そこにさらに一人追加して11人になったんです。
――今後キャラクターが追加されるということはありますか?
門田氏:
それは考えています。これで全員というわけではないですよ。
――ゲームのセールスポイントは,どんなところが挙げられますか?
門田氏:
アイテムを集めて家具を作るという製作系のゲームになっていて,こういうジャンルが好きな人もいますから,純粋にゲームとしても楽しんでいただけると思います。
ただ,このゲームで重要なのは「キャラクター」です。可愛いキャラクターに対する,「何かしてあげたい」という気持ちを皆さんにお届けしたいし,女の子モンスターをかわいがっていく過程でゲームも楽しんでほしいです。
わグルま!は1つの世界であって,僕はただのゲームではないと思っています。もちろん「家具を作るゲーム」という一面もありますが,例えばドラマCDとしてアナザーストーリーを展開していくようなことも可能だと思っています。キャラクターをセールスポイントにしていくために,今後も追加要素を入れていきます。今回,声を入れるというのも,その1つですね。
――わグルま!の制作のきっかけはなんでしょうか?
門田氏:
弊社の社長と僕の上司のあいだで,「最近うちって面白いことしてないよね」「じゃあ,何かやろうよ」という話をしていたそうなんです。当時の僕は,Flashを使ったインタラクティブに遊べるWebサイトを手がける部署に所属していました。ほかにもWebで遊べるミニゲーム的なものを作っていて,社内でそういったものの需要が発生すると,僕のところに話が来ていたんです。
今回,そういう経緯で上司から話が来まして,必要な技術は持っていたし,作ってみたいものがあったので,挑戦させてもらうことにしました。
あと,弊社はこれまで他の開発会社が作ったものを持ってきて運営していたので,ゼロベースで作るというのがほとんどなかったんです。でも,「やってやろうじゃないか」という思いもあり,今回は一から始めることになりました。
――自社開発のためのスタッフは,すでに揃っていたんですか?
門田氏:
弊社では,以前モバイルゲームを作っていたことがあるんですが,そこでは一から企画を立てて自分達で作る,というのをやっていたんです。今回はそこでの経験を持つスタッフを集めて,開発をスタートさせました。
――自社開発だからこその,こだわりはありますか?
門田氏:
自分達がすべてを持っているというのはメリットですね。「こういうことをやりたいんですが」と上に伺いを立てればいいだけなので,ある程度の自由が確保されているんです。
あとは,お客様の声を聞くのを開発者が直接担当しておりまして,プレイヤーさんとの距離が近いんです。「こういうのがあったらいいな」という声が直に伝わる仕組みになっていて,可能なものであれば,すぐに実装できます。いいアイデアがあれば,すぐに検討できる組織作りもできていますね。
――開発中に苦労した点などはありますか?
門田氏:
今回作ろうとしたのはソーシャルアプリです。今はmixiやYahoo!モバゲー,Facebookなど,いろいろ展開する場所がありますが,どのプラットフォームを選ぶかで苦労しましたね。ここが当初,一番つまずいたところです。
僕らには「ゲームを作りたい」という思いはあったけど,「mixiにはゲーム目当てで遊びに来る人がいるのか?」「Facebookに持っていってもゲームとして遊んでもらえるのか?」「Yahoo!モバゲーはどうなのか?」など,選ぶ際にものすごい葛藤がありました。
次に苦労したのは技術ですよね。わグルま!は「OpenSocial」というものを使って開発しているんですが,そもそも「OpenSocialって何?」というところからのスタートでしたから。
わグルま!の企画自体は早い段階からありましたが,それを実現する場所と方法でつまずきました。とにかく開発に着手する前の準備が大変でしたね。
――PCかモバイル,どちらのプラットフォームに対応させるかは,最初から決まっていたんでしょうか?
門田氏:
それは決まっていました。キャラクターのどこに魅力を感じるかといったら,ビジュアルですよね。そして,それをモバイルで生かせるかというと,100%は無理です。いきなりモバイルから行くと,伝えたい魅力が伝わりきらないと思ったんです。ですから最初からPCでやろうと決めていました。
――今後のゲームのアップデートに関してはどういった計画がありますか?
門田氏:
実はプレイヤーさん同士で,「こういうことをされたら,こうしよう」というルールができているんです。それに関連するものとして「いたずら機能」があります。
これは自分の女の子モンスターを使い,他のプレイヤーの女の子モンスターに戦いを仕掛けるというものなんですが,勝った場合は相手に反骨心が生まれて,スキルが使える状態になる場合があるんです。
その際,お礼としてアイテムを送るというルールがプレイヤーさんの間でできているので,それを公式にサポートしたいと考えています。具体的には,いたずら機能でポイントを溜め,それとアイテムを交換できるようなシステムを組み込み,さらなるプラスアルファの要素を入れる予定ですね。これは3月頭には実装できるかと思います。
――「メッセージ登録システム」というものがあるそうですね。
門田氏:
現在プレイヤー間でメッセージを送るには,Yahoo!モバゲーのシステムを使うしかないんですが,これをゲーム側でやりたいと思ってはいます。ただ,システムとして実装するには,皆さんが入力した内容や送り先などをチェックする仕組みを用意して,厳しくやらなければいけないんです。
――出会い系などへの悪用を防ぐためなんでしょうか?
門田氏:
そうです。この手のシステムの導入は,いろいろ手順を踏まなければならず,難しいんです。今はそれに代わるものを導入する予定で,自分の家に友達が遊びに来たとき,表示させるメッセージを登録できるシステムにしてあります。文字数は限定していますが,皆さんの要望には応えたいですね。こちらは2月末実装です。
――「転生」というシステムについて教えてください。
門田氏:
主人公が同じステータスで一定期間を過ごすと,それを変えるタイミングが来るんです。これを「転生」と呼んでいます。天寿を全うすることで転生が可能になり,主人公のステータスが変化して,その結果アイテムを見つけやすくなったり,戦闘で勝ちやすくなったりします。どの項目が上がるかはランダムなんですが,たくさん転生をしたいという方もいらっしゃいますね。
――転生をすることにデメリットがあったりするのでしょうか?
門田氏:
転生をするとレベルを上げることができますが,転生に失敗するとレベルが逆に下がります。ここがデメリットになるかと思いますが,それでもすぐにステータスを変えたいっていう方は結構多いですね。
今の仕組みでは転生をするのに時間がかかるので,すぐにできるようにしようと思っています。実装時期に関しては,ゲームのバランス調整が必要なため確定はしていませんが,3月いっぱいにはやりたいと思っています。
――他のプレイヤーと競える「ランキング」についてはどうでしょうか?
門田氏:
「このキャラクターは全悪魔の中で何勝している」「何回転生した」など,ランキングで見られる機能を実装予定です。とりあえずは,「お金をいくら貯めた」「モンスターを何体集めた」など,そういった項目で順次オープンさせていきます。あとは「コレクション要素」も実装予定ですね。
――すでにオープンしたものはありますか?
門田氏:
「モンスターコレクション」が稼動しています。モンスターは全部で158種類いて,種族は全部で11種になります。それぞれステータスがちょっとずつ違っていて,001〜158という風にシリアライズされていますが,例えば「このリリムは○番でヒットポイントはいくつ」という情報が見られます。
――コレクション要素で,他に集められるものはありますか?
門田氏:
いたずらCGコレクションというものがあります。いたずらを何回かしたときに,報酬として「いたずらCG」という一枚絵がもらえて,それをいつでも見られるようにしようと思っています。素材はすでに用意されていますが,3月中旬から下旬にかけて実装予定です。
――イベントシステムというのは,どういったものになりますか?
門田氏:
キャラクターごとにイベントが用意されていて,特定の条件下でミニシナリオが発生するんです。こちらはまだシステムの構築が済んでいないので,数か月中には実装したいなといったところです。予定されているアップデートの中では,最も大きなものとなりますね。
具体的には,アドベンチャーノベルのような形式で,モンスター同士のやり取りを見られるようにしてあります。魔王というキャラクターがいるんですが,そういったキャラクターが登場して,やり取りを楽しめます。
なお,一日に一回イベントが進む時間帯があります。この間は操作ができないので,直前までに準備をしておかないと,イベントではいい結果を得られないんですね。イベントを発生させる,しやすくするためのアイテムも用意してあります。
そして,ここで見たイベントはコレクションされるので,あとから見ることも可能になります。
――捨てられないアイテムを回収する「まおうのつぼ」というシステムがあるそうですね。
門田氏:
わグルま!には,プレイヤー自身では捨てられないアイテムがあります。例えば1つあればいい課金アイテムを2個買ってしまったとき,1つ不要になっても消すことができないし,返金もできません。また,課金アイテムを直接ゲーム内通貨に変えるのは,リアルマネートレードにつながってしまう恐れがあるため禁止なんです。
この部分は皆さんからも相談を受けましたが,今のところ,ゲーム内で非売品のアイテムと交換するという形でフォローしようと考えています。ただ,これは大規模なシステムの改修が必要になるため,まだ検討段階ですね。
――長期的なアップデートに関してはどうでしょうか?
門田氏:
モバゲーのほうに,現在のPC版のシステムを一部移植しようかなと考えています。プレイヤーさんの中には学校や会社に行っているあいだ,PCからアクセスできないという方もおられて,そのとき携帯電話から見られればいいな,という要望が多いんです。そこでサポートツールを実装して,モバゲーで遊べるスピンアウト作品として出す予定です。
こちらの仕様はまだ完全に決まっていないのですが,わグルま!のスピンアウト作品は,現行のPC版にサポートツールがついたという形で,ガラケーでのサービスを開始しようかと思っています。今夏までにはやりたいですね。
――新キャラクターについても聞かせてください。
門田氏:
現在はリリム,ケットシー,サキュバス,ドールの4キャラクターが実装されています。次はブシドーと第一天使のエクスを実装予定です。プレイヤーさんから「もっとキャラクターが欲しい」という声があったので,前倒しで2キャラクターを出す予定でしたが,ボイスの実装と重なってしまったので,合わせて3月中に行おうと思っています。
――声優さんの位置づけや,キャスティング時のエピソードなどを教えてください。
門田氏:
弊社の他のオンラインゲームでも,声優さんに出演していただいているものがありますが,名の知れた方を起用することが多いんですよね。ただ,今回は根幹に「チャレンジ」というのがあったので,あえて「オーディション」をさせていただきました。声優さんも一緒になって,キャラクターを育てていければいいなという思いがありまして,そのため新人の声優さんを起用しています。ただ,“リリムを藤田 咲さんで”ってのは譲れませんでした,ファンだったので(笑)。
――オーディションはどうでしたか?
門田氏:
オーディションでは一人一人に立会い,全員分の声を聞いたんです。声優さんが1つの声しか出せないのか,他のキャラクターは演じられないのか,それを含め,かなりたくさんの部分を見せていただけましたね。「この人はこっちに合っているんじゃないか?」と,その場で判断できたのはすごく大きかったです。
キャストを決める際は,弊社のアニメ好きな者達と一緒に声を聞いたんですが,最終的には僕の独断で決めました。キャラクターは僕が作ったので,イメージに合ったものを優先した形になりましたね。
――最後に,わグルま!プレイヤーの皆さんにメッセージをお願いします。
門田氏:
わグルま!はキャラクターと世界観を第一にしています。皆さんと一緒に,この世界を広げていきたい,作っていきたいですね。寄せられる意見も一つ一つ見ていますから,アイディアは大歓迎ですし,もし「こういうツテがあるけど?」という紹介があれば,それもやってみたいです。実現するために頑張るのが僕の役目ですからね。
――ありがとうございました。
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