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2011年9月7日に配信開始,Xbox 360専用タイトル「リードミーズ」ってこんなゲームだった。かわいいリードミー達を優しくリードしてゴールへ導こう
KONAMIが2011年9月7日に配信を開始したXbox 360向けタイトル「リードミーズ」は,プレイヤーが体を使って可愛いリードミーちゃん達をゴールに導くという,Kinect専用のアクションパズルだ。ガッテンしていただけましたでしょうか? まだ分からない? そうでしょうね。とはいえ,Kinectを使ったパズル要素の大きいゲームともなると,文章で説明するのがなかなか難しい。やっかいな時代になったものだ。というわけで,とりあえずムービーを掲載したので,まずはこちらから見てみよう。
「リードミーズ」公式サイト
ご覧のように,青いグルグルから落ちてくる小さなリードミー達は,降り立つと同時に勝手に歩き始め,そのままにしておくと,高い場所から落っこちたり,ヤリに刺されたり,なんだかよく分からない仕掛けに押しつぶされたりするので,腕と肩を使って彼らを目的地である赤いグルグルまで運んでやるという寸法だ。もちろん,真ん中のキャラクターの動きはKinectによってセンシングされたあなたの体の動きに応じているので,体全体を使って,リードミーを優しくリードしてあげなければならないのよ。うふふ。
画面には星のマークが見えると思うが,リードミーに星を取らせてゴールまで運んであげると,ポイントが手に入る。序盤は普通に移動させているだけで自然に取れるような位置にあることが多いが,そのうち,画面のずっと下だったり上だったりと,ちょっと頭を使わなければならない場所に星が出てきたりする。
基本的に,所定の数のリードミーを目的地までうまく運んでやれば,その面はクリアとなる。シングルプレイでは50種類以上が用意されており,さらに後述するようにマルチプレイもあるので,ボリューム的には十分という雰囲気だ。
本作のプロデューサーを務めるKONAMIのIGA氏によると,基本的に誰でもプレイできるが,星をすべて取ろうとしたり,ミスを出さずにクリアしようと思えば,やり込めるゲームバランスになっているとのこと。とはいえ……いやいや,そんなことないでしょ。筆者も試しにプレイさせてもらったが,なかなかうまくいかないじゃないの。
KONAMIでこのリードミーズのディレクションを担当した折原永代氏が,さまざまな面での模範演技を見せてくれたので,見ている限りは簡単そうに思えたのだが,実際にやってみるとなかなか大変。例えば一人のリードミーに気を取られていると,ほかのリードミーが床に落っこちたり罠にはまったりして,お前達,もうちょっと考えて行動しろって。もっとも,筆者の体の固さに理由があった可能性も否定できない。
ともあれ,「Kinectゲームといえばダンスゲーム」いう最近のトレンドに対して,こちらはそういったアクション性より頭を使う部分が大きく,かなり独特だ。淀みなく滑らかに動かなくてはならないところは,ちょっと太極拳などを思わせるし,ピタッと止まってリードミーの移動きを待ったりするところはストレッチ風。Kinectにはこんな使い方があったのかと感心するところがある。
画面の雰囲気から「レミングス」を思い出したオールドゲーマーもいるかもしれないが,レミングスと違って,リードミー達に命令を下せないところがミソ。彼らは歩き続け,壁に当たると反対方向に歩き出すだけというシンプルな連中だ。ちなみに,地上に落ちて無事だった場合,プレイヤーが手をさしのべるとピョンと飛び乗ってくるのだが,その仕草はかなり可愛いく,思わず助けてあげたくなるものの,うっかり蹴り飛ばすとお星様になってしまうので要注意だ。いいヤツだった。
面が進むと,ムービーの33秒付近にあるように,ボタンを押すことで開く壁などさまざまなギミックも登場する。さらに,プレイヤーの動きが左右反転してしまう面があったり(かなり混乱する),じゃまなボールがゴロゴロと転がってきたりする面があったりなど,よくもまあと思ってしまうほどバラエティ豊富で,楽しいアイデアが詰まっている。物理演算も行われているので,オブジェクトの動きはリアルだ。
ご覧のように,チェコの影絵を思わせるアートワークはいい感じで,これは絵本のようなものをイメージしたとのこと。プレイヤーは,ある日,いきなり2次元の世界に放り込まれ,彼らにせがまれるままリードミー達を助けることになるのだが,詳しいことは分からない。ゲームをクリアすると,この世界の秘密が理解できたりするようなこともあるらしい。
個人的に気になるのは,二人でプレイすることになるマルチプレイ。例えば,手足を所定の場所に置き,二人が手をつなぐことで電気が通じるという面があり,電気が通じることでリードミー達が罠を回避できるという仕組みだ。あるいは,ハートマークの半分を持った二人のプレイヤーが寄り添うことでハートが完成し,リードミーが無事に移動できるという仕掛けなどもある。すでにお気づきかと思うが,これらは気になる女の子と一緒にプレイすると,かなりいい雰囲気になってしまうかもしれない。「イヤーン」な感じというかなんというか。いや,想像ですけど。
実を言うと必ずしも実際に手を握る必要はなく,画面上でクロスしていればいいらしいのだが,ここはやはりぐっと手を握りしめるべきだろう。ただし,男同士でプレイした場合,必要以上の友情が生まれてしまう可能性もあるので注意が必要だ。合コンなどでやれば盛り上がるのではないかと提案するが,合コン未経験の筆者が言っても説得力はないような気がする。きっと,もっと腰を寄せて! みたいな感じなんだろうなぁ。
もともとこの企画は,KONAMIの社内コンペに折原氏が応募したものに端を発するという。諸般の理由で企画が立ち消えになりそうになったこともあるが,Kinectが世界で1000万台のセールスを記録したことなどが追い風になったりして,紆余曲折の末,ようやくゴーサインが出たのだという。
もっとも,開発スタッフの総人数は小規模なもので,開発期間も半年もかけられなかったそうだ。限られたリソースをやりくりして作られたリードミーズに,どことなくインディーズを思わせる手作り感と,熱っぽさが感じられるのはそのためだろう。
もっとも,Kinectタイトルに付きもののラグがほとんどなかったり,反応速度が速かったりといった部分では,ダンスゲームを担当するスタッフの協力があったそうで,そのへんは大手メーカーの強みといった感じだ。
ともあれ,カップルで友達同士で,あるいは一人でストイックに楽しめるリードミーズ。新しいKinectゲームをやりたいなあという人は,試してみよう。
(c)Konami Digital Entertainment