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初めての人も,シリーズをやりこんだ人も楽しめる,DSポケモンの究極の形。「ポケットモンスターブラック2・ホワイト2」のインプレッションを掲載
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印刷2012/07/21 00:00

プレイレポート

初めての人も,シリーズをやりこんだ人も楽しめる,DSポケモンの究極の形。「ポケットモンスターブラック2・ホワイト2」のインプレッションを掲載

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 言わずと知れた「ポケットモンスター」シリーズの最新作「ポケットモンスターブラック2」「ポケットモンスターホワイト2」(以下,ポケモンB2・W2)が,2012年6月23日にポケモンから発売された。

 本作は「ポケットモンスターブラック」「ポケットモンスターホワイト」(以下,ポケモンB・W)の2年後の世界を舞台としているが,ナンバリングタイトルが登場してきたのは,誕生から16年が経つシリーズの中でも初めてのことだ。そんな異例の作品ながら,発売後2日間のデータで販売本数156万本(※メディアクリエイト調べ)を記録し,ニンテンドーDSタイトルの売上記録を打ち立てたというのは記憶に新しい。
 今回は,本作がポケモンB・Wからどういった進化を遂げたポケットモンスターシリーズなのか,ファーストインプレッションをお届けしよう。


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ポケモンB・Wから2年後のイッシュ地方を描いたストーリー


 舞台となるのはポケモンB・Wと同じイッシュ地方だが,本作で描かれるのはその2年後。新たな主人公が,ポケモンB・Wにはなかったヒオウギシティから旅立つこととなる。「2」のナンバリングが付けられてはいるが,ポケモンB・Wを遊んでいないからといって,ストーリー的に分からなくなる部分はなく,本作から初めてプレイしても,すんなり入っていける内容だ。

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冒険の舞台となるイッシュ地方。この凍りついた地図は一体?
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主人公は男の子か女の子かを選択できる

 もちろん,ポケモンB・Wを遊んだ人に向けた演出も,序盤からいたるところに盛り込まれている。例えば,ポケモンB・Wで主人公と幼なじみだった女の子ベルがアララギ博士の助手としてとして登場したり,ライバルだったチェレンがジムリーダーとして立ちはだかってきたりする。ほかにも,ポケモンB・Wの頃から変わらず同じ街のジムリーダーを務めている人物がいる一方で,別の立場としてストーリーに関わってくる者がいるなど,2年間でイッシュ地方も変化したのだということを感じられるだろう。

今回は博士ではなくベルが最初のポケモンをくれる
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ジムリーダーとなって立ちはだかるチェレン
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ポケモンB・Wでジムリーダーだったカミツレ。今作でも同じ街のジムリーダーとして登場する


チュートリアル的な演出や図鑑の機能強化により,非常に遊びやすい


 本作で最初に選べるポケモンは,ベルが届けてくれるツタージャ・ポカブ・ミジュマルの3匹。このチョイスはポケモンB・Wと同じで,いずれかを選ぶと,そのポケモンに対して相性のいいポケモンをライバルがもらっていくという,シリーズ恒例のパターンを踏襲している。
 ただし,舞台は同じイッシュ地方ながら,ここ2年でポケモンの分布も変わったということで,同じ場所でも出現するポケモンが新規に設定されており,新たなポケモンでの冒険に出かけられる。

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 本作をプレイしてみてまず感心するのは,これでもかというほど,親切なチュートリアル的演出が用意されているということ。ポケモンの捕まえ方や,使うべきどうぐのアドバイスといった基本的なことはもちろん,ポケモンB・Wになかった施設も,ストーリーの進行中に足を運んで体験できる仕組みになっている。加えて,「がくしゅうそうち」や「じてんしゃ」といった便利なアイテムが序盤で入手できたりと,非常に遊びやすくなっているのだ。
 ナンバリングタイトルながら,初めてポケットモンスターに触れる人であっても困らないようになっているあたり,さすがは16年の歴史を重ねてきたシリーズの最新作といったところか。

 ポケモン図鑑も,機能強化によって従来作より使いやすくなっている。戦ったポケモンや捕まえたポケモンが記録されていくというのはこれまでどおりだが,本作では,さらに主人公が足を運んだエリアごとに,そこでどういったポケモンが出現するのか,そこで出現するポケモンすべてに出会っているのかを,生息地リストで確認できるのである。これを活用すると,旅の途中での取り逃しが防げるので非常に便利。図鑑を埋めたいやりこみ派のプレイヤーにとって,嬉しい機能だろう。
 もっとも,筆者は16年前に「ポケットモンスター緑」を購入して以来,すべてのシリーズをプレイしているくせに,一度も図鑑をコンプリートできた試しがないのだが……。

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100人での同時プレイが楽しめるフェスミッション」


 本作では,セリフや行動を選んでポケモンとともに映画を作る「ポケウッド」,過去のシリーズに登場したトレーナーたちと戦える「ポケモンワールドトーナメント」など,いくつかの新要素が追加されているが,今回,筆者が体験した中でもとくにインパクトがあったのが「フェスミッション」というものだ。

 これはゲーム序盤で入手できるCギア(赤外線・ワイヤレス・Wi-Fiによる各種通信プレイが可能となる装置)を使ってミッションを受注し,目的を達成すれば報酬がもらえるという内容なのだが,面白いのは1人でも100人でも楽しめるマルチプレイになっているということ。フェスミッションに挑んでいるプレイヤーが近くにいると,通信を使ってそこに飛び入りで参加できるのである。
 ミッションのクリア条件は,アイテムを一定数集める,特定のポケモンを探す,バトルを勝ち抜くといったものがあり,これに近くのプレイヤーと協力して挑むことで,より早くノルマを達成できる。協力プレイといっても,アクションゲームなどのように互いに干渉することはないので,好きなように遊んでしまって構わない。誰でも気軽に参加できるマルチプレイなのである。

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 筆者は,幕張メッセで行われた「次世代ワールドホビーフェア'12 Summer」にて,このフェスミッションに参加してみたのだが,一度に数十名のプレイヤーが集まってくる様子はなかなか痛快だ。進行中のフェスミッションに参加してみたり,逆に1人ではクリアが難しいフェスミッションを選択し,クリアに協力してくれる参加者を集ったりと,実に盛り上がっていた。
 なにより,筆者のような大人が,身分を気にせず周りの子供達と一緒にポケモンをプレイできるというのは,かなり新鮮な体験だった。こういったイベントや,土日のポケモンセンターなどに足を運ぶことがあれば,ぜひ参加してみてほしい。

次世代ワールドホビーフェアでチャレンジしたフェスミッションの様子。右がそのミッションだが,一度に56人が参加しているのがわかるだろう。会場では,通常は受けられない特別なミッション「まぼろしの いっぴん!」「めざせ! ポケモンクイズおう!」が配信されていた
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 今回から登場した新要素に,「メダルシステム」があるが,これは,近年の家庭用ゲーム機のトレンドである「実績」のようなもので,ゲーム中に特定の条件を満たすとメダルを獲得できる仕組みだ。
 ポイントは,家庭用ゲーム機であれば,オンラインでフレンドの実績が分かるようになっているところが,本作の場合は,すれちがい通信を利用したやりとりで獲得メダル数が確認できるようになっていること。携帯ゲーム機ながら,ほかのプレイヤーにやりこみ度合いをアピールできるのだ。
 メダルは全部で200以上もあり,その条件として「レポートを行った回数」や「どれだけ移動したか」というものから,「フェスミッションを何回こなしたか」といったものまで,さまざまな種類が用意されている。ポケモン図鑑のコンプリートや対戦以外に,新たなやりこみ要素が登場してきたといえるだろう。

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これぞDSポケモンの究極の形


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 ニンテンドー3DSが好調なタイミングにも関わらず,ニンテンドーDS用ソフトとしてリリースされたポケモンB2・W2。おそらく,「2」という位置付けがあるだけに,ポケモンB・Wに合わせたのだと思われるが,それでもフェスミッションをはじめとする通信周りの仕様はかなり進化している。ポケモンB・W以上に遊びやすく,かつ分かりやすくなったチュートリアルやシステム面の調整も好印象だ。

 個人的にもう1つ興味深いのは,ポケモンB2・W2はニンテンドーDS用タイトルでありながら,ニンテンドー3DS用タイトル「ポケモンARサーチャー」と連動させて楽しめるということ。
 ポケモンARサーチャーは,ニンテンドー3DSのAR機能とジャイロセンサーを使ったシューティングで,AR空間に浮かんだ雲を撃って現れる“ゆめだま”を集めつつ,ときおり出現するポケモンを捕まえるというもの。ここで捕まえたポケモンや手に入れたどうぐは,ニンテンドー3DSにセットしたポケモンB2・W2へ転送できる。つまり,ニンテンドーDSではできなかったことを,ダウンロードタイトルの追加機能でうまく実現しているわけで,こういった点で遊び方を広げてきたのは,なるほどと思わされる。

 一方で,ドット絵をメインにしたグラフィックスや,ポケモンを集め,育てながら旅をするランダムエンカウント式のRPGという基本は,16年前の「ポケットモンスター赤・緑」から変わっておらず,脈々と受け継がれている。そのスタイルを守りつつも,新たなアイデアや作り込みでさらに完成度を引き上げてきた本作は,DSのポケットモンスターシリーズの進化形といっていいほど,手触りの良い一作であるとまとめておきたい。

ポケモンARサーチャー
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    ポケットモンスターブラック2

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