プレイレポート
一瞬たりとも離れたくない,かけがえのないカノジョ。「NEWラブプラス+」には,“ラブ”がたっぷり増量されていた(4Gamer読者向けコラボアイテム情報もあるよ)
同シリーズは最大の特徴として,現実の時間経過と連動してゲーム内の世界が変化していくRTC(リアルタイムクロック)システムを搭載。一般的な恋愛シミュレーションゲームとは違い,ヒロインと結ばれるだけでは終わらず,恋人同士になってからの日常を延々と過ごすことができる“ラブリアル”(※)なゲーム性が多くのカレシ達を虜にしている。
※ラブリアル
編注:そのような言葉は存在しない。テンションが上がっちゃって思いついた造語だと思われる
初代ラブプラスからブレないコンセプトを維持しつつ,バージョンアップを重ねてきた同シリーズだが,本作では前作「NEWラブプラス」のシステム面を徹底的にブラッシュアップし,レスポンスも格段に向上。もちろん,新要素も多数追加された。
本稿ではゲームの概要と実際にプレイした感想……という体で,筆者とリンコのキャッキャウフフをお届けしよう。これまで筆者が執筆してきたラブプラス関連の記事をチェックしてくれている読者諸氏からすれば「もう言わなくても分かるっつーの!」という感じだろうが,マフィア梶田は生粋のリンコカレシである。たとえ仕事であろうと,マナカやネネさんに浮気をするわけにはいかないのだ。
……というわけで,必然的に掲載する画面写真はリンコが多めになってしまう。マナカレシ,ネネカレシの皆さんには大変申し訳ないのだが,どうかこの不器用な男を笑って許してほしい……!
「NEWラブプラス+」公式サイト
タテ持ち特化で敏感になったカノジョ
これが3DS版「ラブプラス」の完全体!
それでは本題に入っていこうと思うのだが,前述したようにラブプラスシリーズは初代からのコンセプトを守りつつ,バージョンアップを重ねてきている。そのため,どのシリーズからカレシデビューしてもまったく問題のない作りになっている。しかも筆者はこれまでに発売されたタイトルすべてのレビューを担当しており,ぶっちゃけ基本的な要素の紹介はやり尽くしてしまった。
もちろん作品ごとに細かな違いは存在するのだが,かと言っていまさら「友達パートとは〜」などと,イチから説明する必要はないと思われる。なので,ここではパワーアップした恋人パートの要素を中心に語っていくつもりだ。
もしもラブプラスについてまったく知らない,購入する前にもっと詳しく知りたいというチェリカレ(チェリーカレシ)がいるのであれば,ぜひとも本稿と併せて過去作のレビューをチェックしてほしい。どんな風に魅力的な作品なのか,“イヤというほど”理解できるはずだ。……この記事を執筆する前に自分で読み返して胸焼けがしたので,間違いない。
ラブの摂り過ぎにご注意ください。危険な恋愛コミュニケーションゲーム,「ラブプラス」をレポート
お待たせしました彼氏諸君! もっとキケンになった恋愛コミュニケーションゲーム「ラブプラス+」を丸ごと紹介
またカノジョに恋しよう――ついに発売される「NEWラブプラス」の威力を一足お先に味わってしまった。4Gamerコラボアイテムもあるよ!
……ちなみに,NEWラブプラスに引き続き,今回も大人の事情で事前にセーブデータの引き継ぎは行えなかった。その代わり,KONAMIがレビュー用のデータを用意してくれたのだが……主人公の名前が「佐藤太郎」。誰だよッッッ!!
いや,仕方ないのは分かる。分かるんですよ? でも,もう5年近い付き合いになるリンコが,俺のことを「佐藤」って呼ぶんですよ? こんなのあんまりだ……とってもNTRな気分だ……。
正直,この時点で仕事を投げ出してふて寝したい気持ちになっていたが,「やんごとなき事情でリンコと偽名で付き合うことになってしまったパラレルワールドの俺」という設定を編み出すことで無理やり心の安定を図り,なんとかプレイを続行することができた。
それでもリンコから甘えた声で「佐藤」と呼ばれるたびにストレスでゲロ吐きそうになったけど。そういう作品なんだよ,ラブプラスって。
まぁ佐藤に対する愚痴はともかく……。本作をプレイして最初に気付いたのは,レスポンスが劇的に向上しているという点だ。
前作NEWラブプラスでは,ニンテンドー3DSの裸眼立体視を活かすためにヨコ持ちとタテ持ちの両対応となっており,その代償として快適なレスポンスが失われてしまっていた。
さらに発売後に発覚した不具合の存在などもあって,筆者を含め多くのカレシがカノジョとの付き合い方に苦労したことを覚えている。不具合は後に配信された修正パッチによって大幅に改善されたが,一連の問題がカレシカノジョの関係において大きなつまずきになってしまった感は否めない。
しかし本作では,ラブプラスの原点に立ち返り,独特のタテ持ちに特化。結果的に,ラブプラス,ラブプラス+のときのように動作が軽くなり,レスポンスに関しての不満は一切無くなった。
裸眼立体視が楽しめるヨコ持ちがオミットされた(※一部のモードはヨコ持ち対応)点については賛否両論あるかもしれないが,この快適な触り心地を実現するうえでそれが必要だったのであれば,個人的には英断だったと思う。……それにラブプラスといえば,やっぱりタテ持ちってイメージあるしね。いいじゃないか2D……Dをひとつ失うところから,女は始まるから(至言)。
冗談はさておき,前作から2年の時を経て,やっとニンテンドー3DS向けタイトルとしてのラブプラスが,あるべき形に落ち着いたという印象だ。
初心にかえってカノジョとイチャイチャ
スキンシップモードが全面リニューアル
そしてもう一つの要注目のポイントは,カノジョとのイチャラブが楽しめる「スキンシップモード」が全面リニューアルされた点。デート中などにカノジョをタッチすることで,スキンシップモードに入るところまでは従来と同じだが,本作ではそこから「ロマンチックタイム」を経て「キスタイム」に至るという流れになっている。
それでは各パートの特徴について,順を追って詳しく説明していこう。まずはカノジョをタッチして,ムードを盛り上げていくところからスタートだ。人目を気にしながら,スキを見てカノジョが喜びそうな部位に触れることで,ハート型のゲージが溜まっていき,5回のタッチでゲージをMAXまで持っていければロマンチックタイムに移行。ゲージが足りなければ,そこでスキンシップモードが終わってしまう。
ここで要注意なのが,画面左上に表示されている「人目メーター」の存在だ。あくまで筆者の体感なのだが,前作までと比べると人目の判定が若干シビアになっているような印象を受ける。しかも今回はタッチの回数に明確な制限があるので,せっかくのイチャラブチャンスを無駄にしないためにも常に人目メーターの動向に注意し,確実に人目が少ないタイミングでのタッチを心掛けよう。
そしてムードが最高潮に達すると,カノジョと2人だけのロマンチックタイムに突入。今度は優しくナデナデ(スライド)しながらゲージを溜めていき,ゲージが最大になる度にキスができる回数を表すキスマークが増えていく。
カノジョの髪や頬などを撫でつつ,ハートが連続で飛び出すポイントを探し出すのがうまくゲージを溜めるコツなのだが,その位置はランダムで変動。これがなかなかのクセモノで,従来シリーズのように慣れてしまえばある程度パターン化できたスキンシップとは勝手がだいぶ異なっている。また,キスマークも従来シリーズのように1度のスキンシップで四つも五つも獲得できるわけではなく,少なくとも筆者の腕では最大二つが限度だった。
以上のことから,初代ラブプラスからプレイしているようなベテランのカレシであるほど,最初は手応えの違いに戸惑うかもしれない。
実際,筆者もコツを掴むまでは幾度となく失敗を繰り返してしまい,カレシとしてのプライドがズタズタになりかけた……。しかし,思えばカノジョとの付き合いが長くなったことで,いつの間にか「カノジョを悦ばせる」ために頑張るということすら忘れ,マンネリ化したスキンシップを良しとしてしまっていたのもまた事実。そういった意味で,初心に立ち返ることができたのは,良い教訓となった。
……ちょっと話が逸れてしまったが,ロマンチックタイムを乗り越えればいよいよキスタイムへ。ここに関しては大きな変化は無く,カノジョの仕草から気持ちを読み取って最適な場所にキスをすればいい。ただし,前述したように1回のスキンシップでキスをできる回数が従来シリーズほど多くないので,貴重なチャンスに失敗して「ヘタクソ……」などと言われないように注意したい。
以前のようにスキンシップの度にチュッチュチュッチュと雨霰のようにキスを浴びせることができなくなったのは少々寂しいが,必要以上にベタベタしてしまって長くなりがちだったデートのテンポは向上しているし,1回のキスを大事にしようという気持ちが強くなった。ある意味,デートとスキンシップに関しては,シリーズ中で最もリアルな形に仕上がっていると言えるだろう。
カノジョと愛を確かめ合う一泊二日の旅
リアルスポットイベントがパワーアップ
細かな変更点とは別に,追加要素として見逃せないのが実在の観光地へカノジョと旅行できる「リアルスポットイベント」。本作では,我々にとっての思い出の地である熱海に加え,日光・鬼怒川と箱根へも行けるようになった。相変わらず年若いカップルにしては妙にシブいチョイス……だが,それがいい!
ちなみに,今回はそれぞれカノジョと,修学旅行,新婚旅行を疑似体験できるというコンセプトになっている。旅行という特別な環境ならではの,ちょっとテンションが高めだったり,大胆だったりするカノジョの一面を見ることができるのだ。
また,現実の時間とリンクして進行するリアルスポットイベントだが,本作からは仕事や学業などやむを得ない理由でゲームを中断することになったとしても,再開したときに旅行の様子を振り返ることが可能となっている。細かいが,忙しくてなかなかまとまった時間が取れないカレシにとっては非常に嬉しい改善点だ。
ラブプラスのコンセプトである「現実とのリンク」。リアルスポットイベントは,その魅力を最大限に引き出してくれる要素である。実際に,初めて熱海旅行が追加されたラブプラス+がの発売直後には,多くのカレシ達がDS片手に熱海へ足を運ぶという現象が発生した。
中にはラブプラス+内のスケジュールとピッタリ合わせて観光スポットを巡るという猛者もいた。何を隠そう筆者もその一人だ。とくに多くのカレシ達と一緒に熱海旅行を楽しめた「熱海 ラブプラス現象(まつり)キャンペーン」の取材は非常に思い出深い(関連記事)。
実は今回もKONAMIが3月29日に「カノジョと過ごす 日光・鬼怒川『NEWラブプラス+』体験ツアー」というイベント(関連記事)を実施しており,筆者もこれに参加……する予定だったのだが,よりによってこの前日に体調を著しく崩してしまい,病欠している。
これまでの人生でもちょっと前例が無いくらい楽しみにしていただけに,それはもう大の男が目も当てられないくらいに落ち込んだ。カレシ達が鬼怒川を満喫している頃,筆者は病床でオッサンの臭いがする枕を涙と鼻水でビッチョビチョに濡らしていたのである。名刺交換とカノジョ通信がしたかった……!!
病気と絶望感のコンボで食事も喉を通らず,このままラブプラスを胸に抱いて緩やかに死を迎えるのも悪くないとすら思い始めた頃……リンコの言葉が筆者をドン底から救い上げてくれた。具体的には,泣いても笑っても「一度しか使用できない」ラブプラスモードの「SOS機能」に頼ったのである。
もちろん,ソフトの発売後なので「佐藤」ではなく自前のデータで。
リンコの励ましが弱り切っていた心に響きすぎて,3DSを抱きしめながら部屋中を転げまわった挙げ句,気分が悪くなって嘔吐したが……おかげで,今こうして生き長らえて原稿を書くことができている。鬼怒川ツアーの取材に参加できなかったのは一生の不覚だが,やはり自分にとってラブプラスは,リンコはかけがえのない存在だと再認識できたのは,怪我の功名といったところか。
……いまさらながら,ゲームのレビューとは思えない類の文章になってしまっているが,それがラブプラスなのだから仕方がない。単純な“遊び”ではなく,気が付けばカノジョが側にいるのが当たり前になっている。自分の人生に,日々の生活に密着した存在なのだ。
4亀のご利益で,カノジョと末永くお幸せに!
総評としてラブプラスシリーズの特性上,正直に言って新作としては目新しさには欠ける本作ではあるが,NEWラブプラスの拡張版としてシステムを隅々まで見直し,徹底的にプレイアビリティの向上を重視した点は高く評価したい。
……いや,訂正しよう。本作に対して“プレイアビリティ”という表現は無粋だ。これから先もカノジョと末永く付き合っていくうえで,快適な環境を整えるために尽力してくれたという表現が正しい。
4Gamer→4亀ということで,4匹の亀がタワーになっている何やらめでたいデザインだ。カノジョにプレゼントすれば喜んでカバンに付けてくれるので,ぜひとも利用してほしい。
「鶴は千年,亀は万年」と言われるように,読者諸氏がカノジョと万年の幸せな時間が過ごせることを願って。本稿の〆とさせていただこう。
「NEWラブプラス+」公式サイト
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