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[COMPUTEX]スマホのように常時ネットにつながるPC「Always Connected PC」構想をMicrosoftが発表
この構想を実現するために,プロセッサメーカーであるIntelおよびQualcommとの提携を発表したのに加えて(関連記事),Always Connected PCに賛同するPCメーカーや通信事業者も発表されており,国内ではKDDIやVAIOの名前が挙がっていた。将来のPCでは,常時接続環境が身近なものになりそうだ。
好きなタイミングで通信プランを購入してネットに接続
Always Connected PCの特徴に,「スマートセンシング」という機能によって,電波強度に応じてWi-Fiと携帯電話ネットワーク(LTE)のどちらが最適な環境かを認識し,適時切り替えることが可能というものがある。
これにより,屋内でも屋外でもデータ通信可能な何らかの電波が届く範囲であれば,常に最適なネットワーク通信が可能になるという触れ込みだ。
また,LTEでのデータ通信は一般的な月額契約方式だけでなく,「On the Go」と呼ばれる方法で,ユーザーが必要に応じて適切なデータ通信プランを“買う”方式でも利用可能になるという。
後者の方式は,AppleがiPhoneやiPad向けに提供している「Apple SIM」を使った方式に似ているが,とくに国をまたいで移動するユーザーにとっては,行き先の国ですぐに携帯電話ネットワークデータ通信環境を得られるため,非常に大きなメリットとなる。
Always Connected PCには,世界各地の通信事業者が参加を表明しており,今後,実際にサービスインが近付いたタイミングでは,参加する事業者がさらに増える可能性もあるだろう。日本では,Apple SIMにもサービスを提供しているKDDIが参加を表明しているので,対応PCを入手すれば,すぐに利用が可能となるはずだ。
賛同するPCメーカーにはHPやDell,Lenovoといった超大手から,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)やHuawei,Xiaomi,そして日本からはVAIOの名前が現時点で挙がっている。携帯電話ネットワークを利用する以上,機器が適切な認証を受けている必要があるので,各社のグローバルモデルがそのまま日本に投入されるとは限らない。ただ,少なくともVAIOの名前がある以上,国内でも対応PCが登場することは期待できそうだ。
なお,Microsoftによれば,今後投入されることになるQualcomm製SoC(System-on-a-Chip)を搭載するWindows 10デバイスには,LTE接続機能が標準搭載されるという。スマートフォン向けのWindows 10 Mobileではなく,ARMアーキテクチャ上で動く“フル機能”のWindows 10をプリインストールしたPCは,基本的にAlways Connected PCとなるわけだ。 最初のデバイスは2017年末までに登場する予定とのこと。
最初に世に出るQualcomm製SoC搭載のAlways Connected PCは,Microsoft自らが提供するのではないかという話もあった。しかし,今回の発表では,HPとLenovo,ASUSの3社が製品を投入予定であると紹介されている。Microsoft自体が対応製品を投入するとしても,この3社より後になるかもしれない。
Always Connected PCが市場に登場する具体的なスケジュールは,現時点では未発表だ。リリースが近付いたタイミングで,正式なアナウンスが行われると思われる。常時接続可能な持ち歩けるWindows PCが欲しいと考えている人は,今しばらくは期待して続報を待つとしよう
MicrosoftのCOMPUTEX TAIPEI 2017特設Webページ(英語)
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