ミュージック フロム ゲームワールド：Track 83 「世界樹の迷宮V 長き神話の果て」「フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜」

Illustration by しなぷう

　生きた伊勢海老をキャッチできるクレーンゲーム筐体「マリンキャッチャー」。以前，ゲーセンで見たことがありますが，結局プレイしませんでした。だって，もし伊勢海老が取れても持ち帰りに困りますからね……。今回の四音ちゃんが食い入るように見つめている「深海魚キャッチャー」も，取ったあとどうするのか気になるところです。
　それでは，今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」で最新ゲーム音楽をキャッチ！

オリジナル音源に加えてFM音源版も同時収録

「世界樹の迷宮V 長き神話の果て オリジナル・サウンドトラック」

タイトル	世界樹の迷宮V 長き神話の果て オリジナル・サウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2016年9月28日
価格	3500円（税抜）
発売元	5pb. Records
コピーライト	（C）ATLUS （C）SEGA All rights reserved.

　今週の1枚めは，アトラスから発売中のニンテンドー3DS用ソフト「世界樹の迷宮V 長き神話の果て」の楽曲をCD3枚組に収録した，「世界樹の迷宮V 長き神話の果て オリジナル・サウンドトラック」をご紹介！　シリーズの楽曲を一貫して手がけている古代祐三氏が今作でも全曲の作・編曲を担当し，さらにオーケストラ仕様のオリジナル音源に加えて恒例のFM音源版も同時収録しています。

　「世界樹の迷宮」シリーズの音楽と言えば，独特の湿っぽさとミステリアスな雰囲気が特徴です。もちろん今回も，その“世界樹らしさ”を継承した楽曲が多数収録。まずはDISC1の2曲め「伝説の紡ぎ手 【タイトル画面】」が，しっとりとしたピアノの音とストリングスによる安らぎのメロディで，プレイヤーをゲームの世界へと導いてくれます。

　3曲めの「街景 語り継がれしその名を記せ 【街・冒険者ギルド】」は，スネアのリズムと思わず力が入ってしまうメロディが出陣前の高揚感を高めてくれる曲。そして4曲めは，これぞ世界樹サウンドと言うべき「迷宮I 鎮守ノ樹海 【ダンジョン 1F〜5F】」。寂しさと情緒感を合わせ持った湿っぽい楽曲が，冒険者を新しい迷宮へと誘います。

　5曲めはバトル曲の「戦場 始動 【通常バトル 前編】」。エレキギターを取り入れた情熱的なオーケストラロックナンバーです。また，個人的にお気に入りの14曲め「街景 光の射す先 【街・評議会】」は，かすかに聴こえる息継ぎ音が混じる笛の生演奏にグッと惹かれます。

　DISC2の後半以降は，サンプリングしたFM音源でアレンジした28曲を収録。古代祐三氏の楽曲を，FM音源が奏でるレトロな質感で楽しめるというわけで，昔ながらのゲームミュージックファンにはたまらないはず。聴きどころ満載のこのサントラ，確実に押さえておきたい1枚です。

「世界樹の迷宮V 長き神話の果て オリジナル・サウンドトラック」公式サイト

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ボーカルアルバムと同時発売の「フィリスのアトリエ」サントラ

「フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜 オリジナルサウンドトラック」

タイトル	フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜 オリジナルサウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2016年11月2日
価格	3600円（税抜）
発売元	コーエーテクモゲームス
コピーライト	（C）2016 コーエーテクモゲームス All rights reserved.

　新作がリリースされるたびに，魅力的なキャラクター達による錬金術をめぐる新たなストーリーで楽しませてくれる「アトリエ」シリーズ。音楽面の人気も高い同シリーズですが，今週の2枚めはその最新作「フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜」（PS4/PS Vita）の楽曲をCD4枚組に収録した「フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜 オリジナルサウンドトラック」を紹介します！

　BGMの作・編曲は，柳川和樹氏，矢野達也氏，阿知波大輔氏という3人のコンポーザーが担当。田園の風景が似合う牧歌的なアコースティック演奏を主体とした，癒しの楽曲が楽しめるのが本作のBGMの特徴です。
　DISC1は，ピュアな感情を呼び起こす，清涼感あるメロディが魅力的な2曲めの「空に焦がれて」，村の演奏会のシーンが思い浮かぶ3曲めの「故郷を離るる歌」，アコースティックギターの音色が美しい6曲めの「蛍火の民」，そしてアイリッシュっぽさが感じられる7曲めの「旅する工房」等，本作の世界観を彩る多彩な楽曲が続きます。

　DISC2の1曲めを飾る「快速ホウキ」の疾走感あるアコースティック演奏も素敵。8曲め「時の探求者」の異国情緒を漂わせたフレーズもインパクトがあります。DISC3は，16ビートのハードなパーカッションプレイで迫る1曲め「Arcturus」や，キュートさとハードさを合わせ持った12曲めのアコースティックロックチューン「一撃の決意」といった，激しい曲にも魅了されます。DISC4の「釜の音を聞きながら」はマーチのリズムに乗った，ワクワク感のあるコミカルな仕上がりです。

　ちなみに，ゲームで使用されたボーカル曲を中心に収録した「フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜 ボーカルアルバム」も本作と同時発売。こちらは南壽あさ子氏によるオープニングテーマ「flora」，霜月はるか氏によるエンディングテーマ「光ノ軌跡」等，全10曲を収録しています。サントラとボーカルアルバム，ぜひ2枚合わせて「フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜」のサウンドを堪能してください。

「フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜 オリジナルサウンドトラック/ボーカルアルバム」特設サイト

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■■風のイオナ■■ マーベルランドで産まれ，フェアリーランドで育ち，さざなみの島で一攫千金を夢見るも，バビリム王国に連れ去られて塔建設の奴隷として働く。巨大宇宙船に密航して惑星あくあへ逃亡後，仕事の都合でモタビア星に移住し，ハンターとして惑星ラグオルの調査をして生計を立てていたが，現在はNEO TOKYOを拠点に活動中。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。2016年で編集＆ライター生活20周年を迎えてしまいました。