インタビュー
「ガールズシンフォニー:Ec 〜新世界少女組曲〜」試遊レポートとインタビューをお届け。再始動する“ガルシン”は何がどう変わったのか確認した
2017年9月にアップデートとリニューアルのための長期メンテナンスに入り,さらに再開延期を挟みながら,いよいよ“ガルシン”が再始動のときを迎える。
開発体制の変更でDMM.com OVERRIDEが運営と開発を担当するガールズシンフォニー:Ecは,アニメーションで生き生きと動くキャラクターや,音楽と魔法をテーマにした世界観といった魅力はそのままに,UIやバトルシステムの一新,スマートフォン向けの展開などによって,より幅広い層が楽しめる作品となったという。
そんなガールズシンフォニー:Ecのサービス前に,開発版の試遊および制作のキーマンであるDMM.com OVERRIDEの梨木勇介氏に話を聞く機会を得たので,“新生・ガルシンは何がどう変わったのか”を確認してきた。
「ガールズシンフォニー:Ec 〜新世界少女組曲〜」公式サイト
バトルはオート進行のリアルタイムバトル形式に
ダイナミックに動くキャラや迫力ある演出に注目
ガールズシンフォニー:Ecの物語の舞台となるのは,音楽に魔法の力が宿る世界「ハルモニア」。人々から音楽を奪い,その力を独占しようとする科学貴族階級「文明ギルド」によって,世界は恐怖と絶望に包まれている。
プレイヤーは,文明ギルドに対抗する「音楽解放戦線」の「指揮者(コンダクター)」となり,音楽家の魂が宿る「演奏者(パフォーマー)」や楽器に宿る精霊「音精(ニュムバ)」とともに,奪われた音楽とその力を取り戻すため戦うことになるのだ。
リニューアル前から引き続き,「PSYCHO-PASS サイコパス」ほか多くのアニメやゲームの脚本や小説作品で知られる作家の深見 真氏が世界観やシナリオ監修を担当している。舞台設定やメインストーリーといった基本的な部分に大きな変更はない。
ホーム画面を見ると,リニューアル前から好評だったキャラクターのビジュアルはそのままだが,そのほかのユーザーインタフェースや一部コンテンツなどがガラッと変わっていた。スマートフォン向けにも同時リリースされるとのことで,スマートフォンでも遊びやすいUIに変更されたようだ。
ゲームの流れは「クエスト」が中心になっており,メインストーリーとなる「ハルモニア」のクエストを1つずつクリアしていくことで物語が進行する。説明は不要だが,クエストが進むと敵が強くなっていくので,並行してキャラクター育成を行うのも重要だ。ある程度進むと,「ヴィエンナ音楽院」や「ディソナンシア」といったサイドクエストが開放され,遊びの幅がさらに広がっていく。
ヴィエンナ音楽院は,いわゆる“曜日クエスト”や突発的に発生するクエストで,リニューアル前に行われたものの復刻版も用意されているようだ。ランキング系のクエストもあり,育成したキャラクターの実力を試す場としても活用できるだろう。
ディソナンシアのクエストは,ハルモニアとは異なる別世界「ディソナンシア」を舞台とした高難度クエストだ。鍛えぬいたオーケストラの力試しができると同時に,豪華な報酬が入手できる。
リニューアルで大きく変わったのは「バトル」だ。ターンごとに隊列を入れ替えて戦うものから一新され,オートで進行するリアルタイムバトル形式になっていた。フィールド上をダイナミックに動き回るキャラクターたちを眺めながら,状況に応じてスキルの「音楽魔法」や大技の「黄金の旋律」を使用して敵を倒そう。
スキルと黄金の旋律の発動を含むすべてをフルオートで進めることも可能だ。オート速度は変更できるが,初期設定でもかなり速く,テンポ良くバトルは進む。バトル自体はプレイヤーが介入できる要素は少なく,勝敗はキャラクターの育成具合や部隊編成に依るところが大きくなりそうだ。
バトルに挑む際は,バトルのメンバーとなる「コンバット」と,黄金の旋律を奏でて部隊をサポートする「オーケストラ」という2種類のチームを編成する。
コンバットは最大5人で編成でき,バトル時はほかのプレイヤーのキャラクターが助っ人として1人参加する。前衛と後衛があり,キャラクターの特徴や武器種にあった配置を考えることが重要だ。最初は「自動編成」に任せて,ある程度キャラクター育成が進んだら自分なりの編成を試してみるといいだろう。
オーケストラで編成できるのは最大6人。黄金の旋律には属性があり,その属性に合ったキャラクターを編成するのが基本となる。また,音楽魔法威力の数値によって黄金の旋律は強力になっていくことも覚えておこう。
ガールズシンフォニー:Ecにおけるやり込み部分であり,大きなお楽しみ要素にもなりそうなのがキャラクターの「強化」だ。序盤はバトルでのレベリングがメインとなるが,集めた素材を使ったレベル上げや装備品の強化ができるようになると,より本作の面白さに触れられる。
基本的な要素は変わっていないが,スキルツリーが変更されており,リニューアル前とは少し違った育成方法となりそうだ。
対象のキャラクターの「好感度」が一定以上になると,専用の素材を使ってキャラクターを2段階まで「進化」させられる。イラストが変化し,キャラクターエピソードも開放される。
同じキャラクターを素材として消費することで「覚醒」させることも可能だ。覚醒すると,レベル上限が引き上げられるだけではなく,キャラクター固有の特殊攻撃,スキルとなる音楽魔法,音楽魔法威力なども強化される。
キャラクターのレアリティは★1〜★5となっており,一定まで覚醒させるとレアリティも上がる。レアリティが★1〜2までのキャラクターは★3まで,★3〜4のキャラクターは最高レアリティの★5までレアリティアップが可能だ。
キャラクターは主に「召喚(ガチャ)」で入手する。リニューアル前のキャラクターも引き続き登場するので,キャラクターの種類はサービス再開時点で130を超えるとのこと。どのキャラクターもそれぞれ特徴を持ち,そしてなにより可愛い。一期一会の出会いを大事にして育成に励んでほしい。
「演奏会」も大きくリニューアルしている。オーケストラで編成したメンバーで演奏を行うと,観客となる街の人たちの盛り上がり方に応じた報酬がもらえる。そのとき集まった観客の好みの曲目を選択するのがポイントだ。
基本的にはオートで進行するが,演奏会中に1度だけ,一時的に観客を盛り上げる「フォルテボタン」を使用できるので,ここぞというタイミングで使って評価を上げよう。
ローンチに合わせて「虹のレリクス」という,多くのキャラクターを使用するエンドコンテンツも準備されているという。通常のクエストよりも難度が高いが,その分豪華な報酬を手に入れられるチャンスでもある。育成を進めてチャレンジしよう。
そのほかのコンテンツとして,時間の経過によってアイテムを入手できる放置コンテンツ「遠征」や,プレイヤー間の交流をサポートする「ユニオン」がある。今回の試遊でユニオンは触れられなかったが,ほかのプレイヤーとコミュニケーションを取る機能や,参加メンバー全員で挑戦する「ユニオンミッション」,ユニオン内のランキングなどが用意されるとのことだ。
本作の開発キーマン梨木勇介氏にインタビュー
リニューアルに懸けた思いと新要素の魅力を聞いた
4Gamer:
ついに再始動となったいまの心境を聞かせてください。
梨木勇介氏(以下,梨木氏):
まずは,お待たせしてすみません。時間は掛かってしまいましたが,サービスの再開を心待ちにしていた皆さんの期待を裏切らないよう開発を進め,満足いただける作品に仕上げることができました。
4Gamer:
キャラクターのビジュアルやストーリー以外は,ほぼすべて作り直したんですね。
梨木氏:
ええ。キャラクターは以前から好評でしたので,そのまま続投としました。システム面は……紆余曲折がありまして,プレイヤーの皆さんに楽しんでいただくためには,いちからすべて作り直した方がいいとの判断しました。お待たせしてしまった分,満足いただけるものになったという手応えは感じています。
4Gamer:
バトルシステムがガラリと変わっていたことに驚きました。一新されたバトルの特徴を教えてください。
梨木氏:
オートで戦うので,キャラクターのAIにはこだわっていて,“リアルタイムAIバトル”と呼んでいただいて差し支えないような仕上がりになっています。あとは前衛と後衛,さらに武器の種類によってキャラクターの動きが違うところでしょうか。
4Gamer:
キャラクターデザインはそのままという話ですが,バトル時のSDキャラクターの印象が少し変わっていました。
梨木氏:
もともとあったデータを流用しているのですが,技術的にできることをいろいろと工夫し,より可愛く見えるようにしました。ぜひ注目してほしいですね。
4Gamer:
リニューアル前に遊んでいた人は,持っているキャラクターを継続して使えますか。
梨木氏:
キャラクターはそのまま引き継ぐことができます。アイテムに関してはリニューアル前と変わっているものがありますが,持っていたアイテムと近いものを用意するなど,なんらかの形で補填いたします。
4Gamer:
リニューアル版の事前登録キャンペーンの配布アイテムが豪華ですね。
梨木氏:
再始動もたびたび延期してしまい,そのたびに「少しでも豪華なものを……」とアイテムを用意しようと考えていて,気づけば大変なことになってしまいました(笑)。内部でやりすぎと言われることもありましたが,やはり皆さんに楽しんでいただくことが一番ですから。
4Gamer:
リニューアル前は可愛いキャラクターを愛でつつ,好みのキャラクターを育てながらゆるく遊ぶというイメージがありました。リニューアルでは育成などのやり込み要素が強化され,高難度クエストのようなやり応えあるコンテンツが加わりますが,どのような方向性をもってゲーム全体のバランスを考えているのでしょうか。
梨木氏:
メインクエストは,誰でもクリアまで到達できるような難度で調整しています。ただそれだけだと,中〜上級者が物足りなくなると思ったので,高難度クエストとなるディソナンシアを用意しました。
さらに上の難度として,1日1回挑戦できる虹のレリクスというコンテンツもあるので,プレイヤーの皆さんもそれぞれの目的を見失わず,自分なりの楽しみ方ができるのではないかと考えています。
4Gamer:
キャラを育成して愛でるだけでなく,育成したキャラを使って楽しめるクエストも充実させたのですね。
梨木氏:
はい。以前からゲームとしての奥行きが足りないと感じていまして,それが長期メンテナンスのきっかけになりましたので。リニューアル後は幅広い層の多くの人たちが長く遊べるタイトルになっていると思います。
4Gamer:
やれることが多くなり,リニューアル前と同じ感覚ではプレイできなくなりそうですが,それは長く遊べるタイトルにすることを意識した結果なのですね。
リニューアル前からプレイしていて,すでに育成が進んだキャラクターを持っている人たちもやり応えあるものになるのでしょうか。
梨木氏:
はい。遊べるコンテンツが多いので,すぐに強いキャラクターで編成できる人たちでも目的がなくなることはないと思います。
4Gamer:
世界観やシナリオは深見 真さんが引き続き監修とのことで,期待している人も多いと思います。
梨木氏:
メインの物語はそのままなので,リニューアル前から遊んでいる人は問題なく楽しめると思います。もちろん再開後も新シナリオの追加を行いますし,新キャラクターも当然増えていきますのでそこはご安心ください。
4Gamer:
最後に,リリースを心待ちにしているファンや読者に向けてメッセージをお願いします。
梨木氏:
リニューアル作業が長引いてしまい,楽しみにしていた人にはご迷惑をお掛けしました。お待ちいただいた皆さんがさらに楽しめるようなコンテンツを豊富に用意した形でサービスを再開します。
今後もスタッフ一丸となって開発と運営に励んでいきますので,リニューアル前から遊んでいた人はもちろん,このタイミングで初めてプレイする皆さんにも末永く楽しんでいただきたいですね。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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