プレイレポート
やれることが多すぎる! 新作MMORPG「ELYON」プレオープンテストに参加したので,いろいろな要素を試したプレイレポートをお届け
本作は2021年内のサービスインを予定しているタイトルで,今回のPOTは約2万人が参加する大規模な形で実施された。以前,POTに先駆けてのプレイレポートも掲載したが,そのときのプレイヤーは当然だが自分1人。大勢がいてこそのコンテンツはどんな感じなのか,実際にPOTに参加して得られたプレイフィールやコンテンツについてレポートしよう。
序盤はクエストでサクサクながら終盤はガッツリとフィールド狩りが必須
本作の概要は以前のプレイレポートを参照してほしいが,ざっくりと紹介すると,SFとファンタジーが融合した世界「ハース大陸」を舞台に,「オンタリー連邦」と「ヴァルピン評議会」の2つの勢力が大陸の覇権を争う作品だ。
プレイヤーは「ヒューマン」「エルフ」「亜人」「オーク」の4種族と,「ウォーロード」「エレメンタリスト」「ミスティック」「アサシン」「ガンナー」の5つの職業を組み合わせたキャラクターを作成し,この争いに参加することとなる。
ノンターゲティングバトルである本作は,軽快な操作とスキルを使ったアクションがウリの作品だ。先行プレイでは時間の都合上,あまりスキルを覚えられなかったが,POTではじっくりとレベル上げができたので,いろいろ試すことができた……のだが,実のところ,さまざまなスキルの組み合わせが存在しているので,より効率的な狩りを行うにはどうすればいいかと頭を悩ませてばかりだった。
なお,スキルのショートカットが足りない,と思うこともあったが,これはスキルの選別とスキル特性の選択で個性のあるビルドを楽しんでほしいという意図なのだろう。
先行プレイでも紹介したように,本作はストーリードリブンのMMORPGだが,フィールドの移動に制限のない,オープンワールドに近いゲーム性だ。なので,自由な冒険も可能だが,メインクエストの進行度合いでアイテムの強化要素やコンテンツがアンロックされるため,初回プレイはメインクエストに沿ってプレイすることをお勧めする。
ダンジョンやワールドクエストなど,キャラクターレベルでアンロックされるコンテンツは,体験するまで少し時間がかかるかもしれない。というのも,メインクエストをこなしてサクサクとレベルを上げられるのは35くらいまでだからだ。
このあたりになると,クエストよりもフィールドでモンスターを狩ったほうが経験値の入手効率は上がるが,それでもレベルアップまでは時間がかかってしまう。MMORPGらしくはあるが,もう少し楽にレベルが上がってもよかったのではないか,というのが正直なところだ。
バトルコンテンツの多彩さには目を見張る。しかし,パーティコンテンツは高レベルまでおあずけ?
なぜレベルに関してここまで記したのかというと,MMORPGの花とも言えるほかのプレイヤーとのダンジョン攻略に絡んでくるからだ。
本作にはソロ,またはパーティで参加できる「一般ダンジョン」,面クリア型の「超越ダンジョン」,クリア時間によって報酬が変化する「タイムアタックダンジョン」の3つのダンジョンがある。
これらはキャラクターレベルに応じて開放される仕組みになっており,パーティで参加できる一般ダンジョンはレベル40からとなっている。
しかし,上記のようにレベル35からレベル上げが厳しくなるためか,POT終了ギリギリでパーティダンジョンのマッチングが成立し,なんとかチャレンジできた……というくらいに,到達できたプレイヤーは限られていた。
筆者は基本的にMMORPGをソロで遊ぶタイプだ。とはいえ,ほかのプレイヤーと一緒にプレイするダンジョン攻略やPvEは,MMORPGに欠かせないと考えている。なので,レベルを上げやすくするか,低レベル帯にもパーティコンテンツを用意したほうがいいのではないかと思う。
付け加えるなら,ダンジョンに入場できるレベルに達した時点の装備は,推奨アイテムレベルにまったく届いていなかった。このあたりのバランスも見直してもらえると嬉しいところだ。
ほかのプレイヤーとのプレイが楽しめるコンテンツは,ダンジョン以外にも用意されているので紹介しよう。
もっとも手軽に共闘や競争を楽しめるのがワールドクエストだ。一般的なクエストと違い,開始される曜日と時間が決まっていて,予約を入れておくとその時間にクエスト参加のアナウンスがある。参加すると一定時間後にクエストの開始場所へ飛ばされる仕組みだ。
続いて紹介する「名誉の殿堂」は,1対1のバトルや3対3のチーム戦が楽しめるPvPコンテンツだ。こちらもコンテンツを選んでマッチングを行い,条件を満たしたほかのプレイヤーと戦うことができる。勝利することで「名誉の勲章」が手に入り,さまざまなアイテムとの交換が可能だ。
そして,本作の要とも言えるのが2陣営によるRvRだ。キャラクターのレベルや装備が足りず,通常のRvRへの参戦は望めなかったが,幸いなことに9月26日に配信された「『ELYON』POT潜入生放送」のイベントに混ざれたので,大規模戦の雰囲気をスクリーンショットでお伝えできればと思う。
もちろん,一般クエストや反復クエストにもパーティ推奨のものがある。そのなかで印象に残ったのものを2つ紹介しよう。
1つは「[大型船]飛行船航路清掃」クエストだ。これは飛行船を操縦して空を飛びつつ,大型のモンスターを討伐するというもの。試しに1人で受けてみたのだが,飛行船にモンスターを引き込んでみたのはいいもの,ソロでは倒しきれずにやられてしまった。「パーティを組んで遂行を推奨」と明記されたクエストは,素直にパーティでチャレンジすることをお勧めしたい。
なお,飛行船関連のクエストを受けるのは地上だが,実際にクエストを行うのはエレベーターに乗った先にある“飛行拠点”であることが多い。飛行拠点は,地上からはるかに高い場所にあり,ここから落ちるとどうなるか試したくなるのが人情だ。そのまま落ちると予想どおり死ぬが,落ちきる前にウイングスーツで滑空すると生還できるのでご安心を。
もう1つは,ストーリーにも大きく関わる「次元ポータル」の先にあるダンジョンのようなコンテンツだ。
次元ポータルの先は,小さな拠点のようになっていて,そこからルートに沿って移動し,攻略を進めていく。出現するモンスターが強いことと,ソロでは厳しそうなギミックがあるので,やはりパーティでの挑戦が無難だ。
プレゼントされる一軒家でハウジングも充実
バトル以外にもコンテンツは充実していて,レベル36のメインクエストで住居がプレゼントされる。住居はインスタンスエリアで,一軒家と生産施設,そして住宅施設を配置できる広い敷地が用意されている。
敷地内には,素材などが採集できる施設を配置することも可能だ。ただ配置するだけでは素材の獲得はできず,各住宅施設に「種」や「鉱脈」を植える必要がある。
生産施設では,素材を持ち寄ることでアイテムの生産が行える。製作用のスキルなどはなく,必要数の素材を持って製作台の前に立てばOKだ。
住居エリアにはハウジングのほかに,“ルミナス戦闘”というバトルコンテンツも用意されている。これは後述するルミナスの力を借りて,選んだ地域で戦うというもの。といっても戦闘はオートのようなもので,モンスターを倒したら次のモンスター,それも倒したら……と,2分間程度のバトルが行われる。これをクリアすると,選んだ地域ごとに異なる戦利品を獲得できる。
キャラ強化もコンテンツもやれること多すぎる!
これら,バトルコンテンツやハウジングを支えるために,多くのコンテンツがそろっているのも本作の特徴と言えるだろう。正直なところ,多すぎてどれからこなしていけばいいのか悩むほどだ。
キャラクターの強化という点でみれば「装備の強化」「再練」「昇級」「継承」の4種類が存在する。さらに,これらの装備品にセットする「ルーンストーン」を研磨して強化し,昇級させるというシステムもある。
装備以外にも“召喚獣”や“ルミナス”といった存在,メインクエストで開放される“マナ覚醒”などがある。
ほかにも,フィールドにある水場で釣りをしたり,鉱石や植物を採集したりするなど,非バトルコンテンツも豊富に用意されている。ときおり「次元の通路」なるものや,アイテムやお金が手に入る「宝物庫」といったコンテンツが発生することも。これらはどのタイミングで現れるか分からないので,運良く遭遇したら躊躇せずに飛び込んでみるといいだろう。
時間のある限りPOTを遊んだが,正直なところ,まだまだ触れていないコンテンツがあるほどのボリュームだ。レベル上げを優先して余裕がなかったというのもあるが,正式サービス前のコンテンツ量としては満足できるのではないかと思う。
ファストトラベルや柔軟性の高い自動移動,移動速度が上がるマウント,各種コンテンツのマッチングなどシステム的な利便性も高く,遊びやすい環境が整っているのも好印象だ。
そこで気になったのが,パーティコンテンツのハードルの高さだ。正確にはダンジョンなどが開放されるレベルまで上げづらかったのが問題で,ほかの人と一緒に遊ぶMMORPGの楽しみを体感する前にPOTを終えてしまった人も多いのではないかと思う。
4日間という短い期間だったからこそかもしれないが,本作はスキルをすべて習得できるレベル40が本当の意味でのスタート地点ではないかと思うので,そこまではもう少しサクっと上がるようになればと思うばかりだ。
陣営間のRvRがメインコンテンツとなりそうな本作だけに,キャラクターの強化にはかなり力が入っている。少々複雑ではあるものの,コツコツやっていけば確実に強くなれるというMMORPGらしい面白さが詰まっている骨太なタイトルだ。
もちろん,PvEコンテンツも豊富で,多彩なダンジョンや,空を舞台にした戦いがプレイヤーを待っている。冒険を楽しみつつも,ほかのプレイヤーを押しのけてトップに立ちたい。そんな硬派なMMORPGを楽しみたいのなら,ぜひ正式サービスでハース大陸に降り立ってみてほしい。
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