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帰ってきた「パラッパラッパー」プレイレポート。大画面と高音質のオーディオ機器を用意して,パラッパのサクセスストーリーを楽しもう
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印刷2017/04/28 00:00

プレイレポート

帰ってきた「パラッパラッパー」プレイレポート。大画面と高音質のオーディオ機器を用意して,パラッパのサクセスストーリーを楽しもう

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアは,PlayStation 4向けリズムアクションゲーム「パラッパラッパー」を,2017年4月20日に発売した。
 1996年にPlayStationで発売されたリズムアクションゲームの名作をHDリマスターし,PlayStation 4向けに最適化した本作のプレイレポートをお届けしよう。

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「パラッパラッパー」公式サイト



PlayStationがシェアを伸ばした年に生まれた

名作リズムアクションゲームが復活


 パラッパラッパーが発売されたのは,今から21年前の1996年12月6日のこと。カプコンの「バイオハザード」やナムコの「鉄拳2」などが発売され,PlayStationが家庭用ゲーム機としてのシェアを大きく伸ばした年でもある。
 年末商戦に向けに発売された本作は,この年まで人気ユニットPSY・S(サイズ)として活躍していたミュージシャンの松浦雅也氏がコンセプト,ゲームデザインを手掛けた作品。六つのボタンをタイミングよく押していくという,リズムアクションゲームの礎を作りあげた存在であり,その後のゲーム業界にも大きな影響を与えた。
 ちなみにリズムアクションゲームとして現在も人気を誇るKONAMIの「BEMANI」シリーズの第一作,「beatmania」はこの翌年(1997年)にアーケードでリリースされている。

画面上にお手本に沿ったボタンが表示され,これをタイミングよく押すのだ
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 またキャラクターデザインは,当時のTV番組「ウゴウゴルーガ」のアニメーションやPuffyのCDジャケットなどで人気上昇中だったロドニー・グリーンブラット氏が担当。ロドニー氏独自のゆるいタッチで描かれたキャラクターは,ゲーム中では3Dでありながら奥行きがないペラペラのグラフィックスで描かれていて,そのゆるさと可愛さが倍増している。
 ゲームキャラクターグッズとしては,ぬいぐるみやキーホルダーなどの定番グッズのほか,当時はあまりなじみのなかったアパレルなどでも展開され,筆者もいくつか買った記憶がある。

パラッパと仲間たちは,当時のPlayStationを象徴するキャラクターとして人気を得た
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 1999年には世界観や登場キャラクターを共有した続編「ウンジャマ・ラミー」が,2001年には正規の続編となる「パラッパラッパー2」がリリースされ,このときにはTVアニメ化も実現。なお,パラッパ本編についてはゲームアーカイブス化はされておらず,PSP版が2006年に発売されており,このPlayStation 4版と共にタイトルは「パラッパラッパー」で統一されている。
 なお,昨年末に第一作のリリースから20周年を迎えたことを記念し,イベントも開催中だ。この4月からは東京スカイツリータウンで「パラッパラッパー アニバーサリーカフェ&ショップ(関連記事)がオープンし,盛り上がりを見せている。


古さを感じさせないキャラクターやサウンドで

難所に挑むモチベーションを維持できる


 肝心のゲームについては,オリジナルのPlayStation版を完全再現しつつ,ゲームプレイシーンはHD解像度に合わせてすべて作り直されていて,大画面でプレイしてもまったく問題ないクオリティとなっている。PlayStation 4 Proを使えば,4K解像度にも対応する。
 なお,ゲームの冒頭や合間で流れるレンダリングムービーは当時のものを流用しているようで,ゲーム本編と比較すると解像度が低めなのは残念なところ。

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簡単な練習モードもあるので,まったく触ったことのない人はまずこちらで
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フィール・ザ・ビート(振動)やシー・ザ・ビート(ボタンを押したときのアイコン演出)などの新機能も設定可能

ムービーはゲーム本編の映像と比べると見劣りするが,それでもPlayStation時代よりは綺麗に見える
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 妄想好きな主人公パラッパが憧れのサニーちゃんの気を惹くために,さまざまな困難になぜかラップで立ち向かうというストーリーのもと,先生達とのラップ対決がリズムゲームになっている。ルールは,先生のお手本に続いて[△][○][×][□][L1][R1]の六つのボタンをタイミング良く押して,正しく押せれば評価が上がり,ミスをすれば評価が下がっていくという,その後のリズムアクションゲームの基本となったものだ。

タマネギ先生(チョップチョップ マスターオニオン)の道場。弟子達の表情にも注目
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 「GOOD」または「COOL」の状態で曲が終わればステージクリア,「BAD」または「AWFUL」で曲が終わるか,「AWFUL」状態から評価が下がるとゲームオーバーとなってしまうわけだが,タイミングをミスったなと思ったときにアドリブ的にボタンを押すことでカバーできることがあるのも本作の大きな特徴だ。
 評価がCOOLになると,ボタンを自由に押してパラッパ1人でフリーラップができる「マスターコース」へと突入するが,これは各ステージを1度クリアして2度目以降のプレイが条件となっている。

教習所のムースリーニ先生(インストラクター ムースリーニ)と,フリーマーケットのカエル先生(ミスタープリンスフリースワロー)
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 ステージ数は全部で六つ。また,全ステージをCOOL評価でクリアすると,ヒロインのサニーちゃんとケイティの「KT & The Sunny Funny Band」の隠しステージも登場する(これはゲームではなく,見て楽しむステージ)。
 また,PSP版で配信された「アペンド曲」が収録されていて,各ステージクリア後はメニューから曲を変更したステージも選択可能だ。

 筆者も本作は過去にずいぶんプレイしたので,フレーズは体が覚えており,このPlayStation 4版もカエル先生のステージ3までは1回でクリアできたのだが,当時から鬼門と言われていたニワトリ先生のステージ4でかなり苦しめられた。ソフトを入手してからほぼ毎日,ことあるごとにゲームを起動してステージ4だけを4〜5回プレイしてクリアできずに落ち込む……というサイクルを3日間ほど繰り返して,何とかクリアすることができた。

ニワトリ先生(チープチープザクッキングチキン)はリズムよりも譜面とアイコンをよく見て,若干遅めにボタンを押すのがコツのような気もした
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 単純に筆者の腕が衰えたのかと思って,PSP版で同じステージを同じ条件(1周目)で試してみたところ,こちらは2回のプレイでクリアすることができたため,ハードウェアの違いによる何らかの要因があったのかもしれない。といっても,通してプレイしてみてクリアがたいへんだったのはステージ4だけなので,一概にハードのせいとは言えない。むしろ,ステージ1〜3とは違い,ステージ4は裏打ちが多用されていたり,同じフレーズでもボタンを押すタイミングが若干変わるところがあったりと,リズムに慣れるまで時間が必要なのも一因と思われる。
 なお,イージーモードはステージ3までとなっており,ニワトリ先生には挑戦できない。こうしたある種の厳しさは,昔のゲームらしいところだったりする。

ステージ5は4人の先生とトイレの順番をかけラップで競うメガミックスなステージが展開
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 ニワトリ地獄はかなりきついものがあったが,あらためて通してプレイしてみると,キャラクターの愛らしさ,そしてサウンドの完成度の高さを再確認できた。とくに音楽は今聴いても体が動いてしまうような名曲ぞろいで,かのステージ4も,サウンドやニワトリ先生の声が個人的に好きだったことが,何度もプレイに挑むモチベーションにつながったということもある。
 PlayStation 4は専用のヘッドホンなども発売されているので,過去に本作が発売されたときよりも手軽に高音質のサウンドを楽しめるのもプラスな点だと言えるだろう。オリジナルサウンドトラックも2017年5月24日に復刻することが決定しているので,こちらも楽しみである。

ラストはキングコングムシのMCで,パラッパもこれまでの自分とこれからの自分をラップでアピール
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 間違ったボタンでなければ,タイミング次第でお手本通りでなくてもアドリブとして認識されたりすることもあるが,これはその後のシビアなリズムアクションではあまり例のない,本作らしいファニーなもので,その手触りは当時のまま再現されている。
 ステージが六つと少なめで,ボリュームが気になる人がいるかもしれないが,これは当時のままの内容であり,このPlayStation 4版の価格とのバランスを考えれば個人的には問題ないと思っている。

 内容が当時のままということで,エンディングには「Coming Soon! Parappa the Rapper 2」の画面が表示される。これに沿う形で,続編のパラッパラッパー2やウンジャマ・ラミーのHDリマスターをしてもらえると嬉しいのだが……。ちなみに,ウンジャマ・ラミーについてはゲームアーカイブスで配信されているので,プレイ自体は現在も可能だ。

 生誕21年周年を迎えたパラッパと仲間たち。ゲームとしてはすでにレトロの域に入るわけだが,キャラクターやサウンドは古さを感じさせない。このPlayStation 4版の登場により,未経験の人が新たに触れられる機会ができた意義も大きい。ボリュームやゲームの難度なども込みで,当時の感覚を高解像度の画面で楽しんでみよう。

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「パラッパラッパー」公式サイト

 
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    パラッパラッパー

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