プレイレポート
[TGS 2021]「真・女神転生V」先行プレイレポート。崩壊した東京の描写と充実した探索要素が魅力
「真・女神転生IV FINAL」以来5年ぶりの,ファン待望の完全新作となる本作を,東京ゲームショウ2021 オンラインの開催に合わせて行われたメディア向け体験会で試遊してきたので,そのプレイレポートをお届けしよう。
「真・女神転生V」公式サイト
今回の試遊は,とある出来事によって気を失っていた主人公が,砂で覆われた見知らぬ土地で目を覚ますところから始まった。巨大な建造物らしきものの跡や,見慣れた鉄道の高架橋のような残骸,巨大な岩が点在する砂漠地帯を進んでいくと,異形の存在である悪魔たちと遭遇し命の危機にさらされる。
悪魔に襲われたそのとき,突如として現れたのが,謎の男アオガミ。彼の「死にたくなければ手を取れ」という言葉に従ってその手を取ると,主人公はアオガミと“合一”し,悪魔に対抗しうる力を持つ禁忌の存在,ナホビノへと姿を変え,悪魔と戦うことになった。
悪魔を退け,さらにその先へと進むと,「これぞメガテン!」という,“ニヤリ”とさせてくれる風景が広がった。
それは,ダアトと呼ばれる魔界と化した東京の姿。砂塵が舞う砂漠地帯や“都市の残骸”が残された一帯の描写は不気味ながらも美しく,魔界に迷い込んだという没入感を与えてくれる。
主人公は,この世界の手がかりをつかむため,現在地のタマチから東京タワーを目指すことになる。フィールドはなかなかの広さがあり,“街歩き”のし甲斐があるのが魅力的だ。倒壊したビルの裏にアイテムが隠されていたり,友好的な悪魔と会話が楽しめたりする。
フィールドのあちこちにはマガツヒ結晶というアイテムが落ちている。緑と黄を集めるとそれぞれHPとMPが回復し,赤を集めると後述するマガツヒスキルのゲージが溜まる |
道に迷っていると,優しくヒントを出してくれる悪魔(モコイ)がいた |
広大なフィールドには「龍穴」という,セーブや回復ができる場所があった。龍穴からアクセスできる「骸の隠れ家」に行けば,アイテムの売買もできる。これを“チェックポイント”にして,新しい龍穴を見つけたらそこを拠点に周囲を探索することになりそうだ。
ギュスターヴの子分であるミマンたちを見つけて報告すると報酬がもらえた |
自動販売機で遺物(アイテム)を手に入れたらギュスターヴに買い取ってもらおう |
主人公の基本的なアクションとして,移動,刀状の光での攻撃,ジャンプ,ダッシュがあるのだが,これらの動きが素早く軽やかで操作感が快適なところも,街歩きの楽しさをより高めてくれる要素となっていた。
急こう配の砂の坂を滑り降り,長髪をなびかせながら疾走し,崩壊したビルとビルの間をジャンプで飛び越える……といったアクションが爽快で,街を駆け回っているだけでもけっこう楽しめる。
バトルは,シリーズファンならおなじみのプレスターンバトル。敵の弱点を突くスキルやクリティカル攻撃を当てることで行動回数が増え,逆に弱点を突かれるとあっという間にピンチに陥るという,アトラスのRPGの特徴的なコマンドバトルのベースとなったものだ。
本作では,新要素のマガツヒスキルが加わったことで,新たな戦術性も生まれた印象だ。マガツヒスキルは,バトルのターン経過やフィールド上にある結晶を集めることで溜まるゲージが100%になると使用できる。今回の試遊では1ターン中のすべての攻撃がクリティカルになる「禍時:会心」を試せたのだが,強敵相手にも一方的に攻撃できる,とても使い勝手のいいスキルとなっていた。
要注意なのが,敵の悪魔もゲージを溜めてマガツヒスキルを使ってくるところ。スキルを使用される前に速攻で全滅させるか,仲間全員ガードでやり過ごすかといった選択が重要となりそうだ。
龍穴からアクセスする「邪教の世界」で実行できる,新たなキャラクターの成長要素を2つ確認できた。
まずは「写せ身合体」。写せ身は,「ピクシーの写せ身」「モコイの写せ身」といったように悪魔それぞれに存在するもので,これを主人公に合体させることで,その名のついた悪魔のスキルが使えるようになったり,防御相性が変化したりする。主人公だけではなく悪魔に合体させて新たなスキルを覚えさせられるのも面白い。
もう一つが,主人公の成長要素である「神意」。フィールド内の宝箱やサブクエストの報酬などといった形で手に入る「御厳」を集め,それを消費することで手に入る新たな力だ。
火炎や氷結といった適性の強化や遺物の入手量アップ,ストックできる仲魔の枠の拡張といった,ゲームを進めるうえで役立つ能力があり,写せ身合体とうまく合わせることで,主人公をよりプレイヤー好みのキャラクターに育てられそうだ。
ひととおりタマチとミタの探索を終え,あらためて目的地の東京タワーへと向かったその途中で,巨大で不気味な赤い障害物のところへとたどり着いた。ミニマップを確認すると,障害物だけではなくその周囲も真っ赤になっており,実に禍々しい雰囲気だ。
これは「マガツカ」という悪魔たちの住処で,一歩足を踏み入れると,凶悪な悪魔たちが続々と湧いて出てきて,主人公に襲い掛かってきた。目的地に向かうにはこれを破壊しなければならないが,マガツカに現れる敵はこれまでに比べて手ごわい。
今回は,時間が限られている試遊ということで少々心もとないレベルながら突撃を敢行。敵の一撃は大きかったが,マガツヒスキルを使用することで勝利することができた。強敵がたくさん湧いてくるマガツカに挑む際は,主人公や仲魔の育成はもちろん,マガツヒスキルのゲージをためておくこともオススメしたい。
これぞアトラスのRPGという手ごわい敵とのバトルはもちろん魅力だが,今回の試遊でとくに満足できたのが,広さのあるフィールドでの探索だった。今回は1時間弱の試遊で,冒頭の2エリア程度の体験ではあったが,これまでのシリーズ作品に比べてサブクエストやアイテム探しといった探索要素が充実している印象だ。
そして最後にもうひと押ししておきたいのが,魔界ダアトの雰囲気や風景。いったい何があって東京はこのような姿となったのか。そもそもこの世界は,我々の知る東京なのか……と,謎の多いダアトだが,シリーズファンなら「この東京が見たかった!」と思える描写になっているので,ぜひ足を踏み入れてほしい。
「真・女神転生V」公式サイト
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