プレイレポート
オーガスト×DMM GAMESの学園RPG「あいりすミスティリア!」。長期メンテを経て新生した本作の基本システムをあらためて紹介
DMM GAMESのブラウザゲームらしく,「美少女・キャラ育成・バトル」の3要素が軸となるあいミスは,昨年末に正式サービスを開始するも,2月15日からゲームシステムの大規模リニューアルのため,長期メンテナンスを行っていた。
当初からキャラクターをはじめとする素材の良さは評価されていたものの,正式サービス直後に通信障害が多発したり,ユーザーインタフェースまわりの甘さがあったりと,遊びにくさが指摘されていた。
実はサービス開始以降に何回もアップデートが行われ,少しずつ遊びやすくなっていたのだが,サービス開始直後の悪い印象を払拭できず,良作ながら伸び悩んでいたのだ。
このように正式サービス開始後に長期メンテを行う流れは,DMM GAMESのブラウザゲームでは珍しいことではなく,リニューアルを経て人気タイトルの仲間入りをするケースも少なくない。
新たに生まれ変わったあいミスは,どんなゲームに仕上がっているのか。今回,限られた時間ではあるが,リニューアル後のあいミスをテスト環境でプレイすることができたので,あらためてゲームの内容を紹介していこう。
「あいりすミスティリア!」公式サイト
抜群に可愛い女の子達とセンス溢れるテキストに注目
あいミスの魅力と言えば,なんといってもビジュアル面を支える素材の良さが挙げられる。とくに,ファンタジー世界に登場するキャラクター達は,妹系やケモミミ亜人など,あらゆるニーズに対応できるバラエティに富んだラインナップだ。普段からこの手のゲームをプレイしている人なら,すぐにお気に入りが見つかるだろう。
そうした魅力的なキャラクター達が活躍する世界では,人間も亜人も動物も植物も──人間界に存在するものが一切の例外なく“世界樹”の恩恵を受けて生きている。プレイヤーは世界樹を管理する“冥王”として,ゲームをスタートさせることになるのだが……オープニングでその世界樹が炎上するという驚天動地の事件が起きてしまう。
冥王の努力もあって,世界樹の焼失という最悪の事態はなんとか免れたものの,この事件の前後で世界は大きく変異してしまう。ここから世界樹を巡る壮大な物語が繰り広げられるのだ。
設定だけをざっと見ると,シリアスなストーリーに思えるかもしれないが,オーガスト流の「明るく楽しい雰囲気」がテキストの随所に見られ,物語は軽快に進行していく。
世界設定がしっかりしていることもあって,読者が置いてけぼりになるような超展開はなく,(キャラ重視のラノベがちょっと苦手なおじさんプレイヤーの筆者でも)安心して物語を読み進められた。このあたりはビジュアルノベル制作のプロであるオーガストの力量が発揮されたということか,とにかく台詞回しのセンスが抜群だ。
きっちりと作り込まれた世界の中で,キャラクター達がどう動き,どんな発言をするのか。それらを想像しながら物語を読み進めていくのが,あいミスの正しい楽しみ方だと思う。贔屓のキャラクターが見つかれば,さらに面白さが増すだろう。
物語を進めるためには「育成」と「バトル」が必要
続いて,ゲームシステムを解説しよう。
あいミスはキャラクターの可愛らしさ,センスの良いテキスト,背景を含むビジュアルの美麗さ,声優陣の熱演,物語を盛り上げるBGM……と,どれもが一級品の素材で構成されている。その素材の良さをそのまま楽しめるように,ブラウザゲームとしてはオーソドックスと言える「キャラクター育成」と「バトル」と主軸としたゲームシステムが採用されている。
リニューアル後もその基本路線は変わらないが,ユーザーインタフェースまわりが改良されたことで,より遊びやすくなった。
基本の流れは,ガチャに相当する「召喚」でキャラクターを集め,「学園」でキャラクターを育成し,「出撃」でバトルを行う。もちろん,バトルに勝利すれば物語が進行していく形だ。物語が進むほど敵が強くなっていくので,キャラクターの育成は常に続けていく必要がある。
●召喚
あいミスには,すべてのキャラクターにストーリーが用意されている。そのためか,βサービス時点の登場人物は,新キャラ2人を含む総勢22人だ。召喚では各キャラクターの聖装(ドレス)を入手するという形になっている。聖装にはN→R→SR→SSRと,4段階のレアリティが設定されており,高レアリティのものほど性能が良い。バトルは最大5人のパーティを編成して挑むことになるが,同名のキャラクターは同時にパーティに入れられない。なお,レアリティが同じキャラクターの聖装がかぶって召喚された場合,最大レベルを上昇させるなどの強化で多用することになる「開花の輝石」に変換される。
なお,召喚は有料ガチャの「フレアライト」のほか,チケットで利用できる召喚などが用意されている。
ゲーム序盤はミッション関連でフレアライトがそこそこ溜まるので,それで10連召喚を行えば,SRまでのキャラクターは早い段階で集まるだろう。バトルの難度はそれほど高くなく,物語を楽しみたければ,SR聖装をフル強化することでスムーズに進められるはずだ。
●学園
「学園」では,時間の経過で回復する「AP」を消費して,「覇力の鍛錬場」や「敏速の天回廊」といった施設にメンバーを配置して,その様子を見に行くことができる。これらの施設では,特定の条件でメンバーとのイベントが発生するほか,キャラクターの育成に必要なリソースを入手できたり,各キャラクターの“親愛度”を上昇させられる。施設によって入手可能なリソースの傾向が決まっているので,基本的には必要なリソースが入手できる施設に,親愛度を上げたいキャラクターを配置するといいだろう。
なお,リニューアル前は学園を通じてバトルの行動方針が変化する仕組みだったが,リニューアル後には行動方針の要素がカットされてシンプルな形になっている。また,学園で発生するイベントは,キャラクターのカップリングによってかなりの数が用意されているが,一度見たイベントは「回想」コンテンツでも確認できるようになっている。
●出撃
「出撃」は,こちらも時間の経過で回復する「BP」を消費して行うバトルパートだ。ストーリーは基本的に章立てで進行し,バトルのある話のときだけBPを消費するというものだ。バトル自体は5人のパーティメンバーが自動的に敵と戦い,プレイヤーは状況に応じて各自のスキルを選択していく。戦闘前には敵の有利属性情報が表示されるので,それを意識しつつパーティを組むのが理想だ。
しかし,複数のキャラクターを同時に育てるのは大変だ。序盤は素直にレアリティの高いキャラクター(もしくは好きなキャラクター)である程度パーティを固めて,集中的に育成を優先するのが現実的だろうか。
なお,バトル中は任意のタイミングで「冥王スキル」を使うこともできる。リニューアル前は1種類しかなく,使いみちもそう多くなかったが,リニューアル後はストーリーの進行の合わせて冥王スキルの種類が増えていく。使いどころさえ間違えなければ,頼りになるはずだ。
バトルに勝利すると,次の話が開放されると同時にパーティメンバーの聖装経験値が加算。さらにランダムドロップにより,冥界銭や親愛度を上げるためのプレゼントなどが入手できる。一度クリアした話は,ストーリーを飛ばしてバトルだけを何度でも行えるので,地道にキャラクターを育成しよう。
豊富に用意されたキャラクターの育成要素
キャラクターを育成するにはバトルに参加させたり,専用のアイテムを使ったりして,聖装のレベルを上げて基礎能力を高めていくのが基本だ。
また,育成面でのやり込み要素ともなっているのが,各キャラクターのスキルやアビリティなどの強化である。
スキルやアビリティは基本的に聖装に紐付いていて,編成時点でバトルで使うものを3つまでセットすることができる。したがって,多くの聖装を持っていれば,それだけ選択の幅が広がるということ。また,レアリティがSRとSSRの聖装は「萌技」という強力な技を使用できる。
スキルの強化にはステージ攻略や学園で手に入る特定のアイテム,アビリティと萌技の強化には開花の輝石が必要だ。最大まで強化するには,なかなか大変だろう。とくに開花の輝石はキャラクターの最大レベルを上昇させるときにも使うので,あらかじめ育成の優先順位を決めておきたいところ。
そのほか,ステータス上昇や恒常的なアビリティ効果が発揮される「ポテンシャル」,各キャラクターが装備する「萌具」などもあり,育成の幅が広い。最強への道は一朝一夕に成るものではないようだ。やはり,毎日ログインボーナスをもらいながら,コツコツと継続してプレイしていく,それがあいミスの楽しみ方だろう。
あいミスは「学園RPG」と謳われているが,個人的にはビジュアルノベルに近く,センスを感じるテキストが肝になっているタイトルだと感じた。しっかりとした世界観でありながら,軽快なトークでつなぐ場面も多い。バトルパートの難度もそれほど高くないので,「面白さ」までの距離をうまく整理している印象だ。
システム面に目を向けると,キャラ育成とバトルのシステムがテコ入れされ,煩雑だったり,分かりにくかったりした部分が減っている。DMM GAMESのファンなら直感的に遊べるだろう。
長く遊ぶことを前提に制作されているタイトルなので,数時間程度のテストプレイでは未知数な部分がある。とはいえ,今は魅力的な美少女(アイリス)たちが帰ってきてくれたことを喜びつつ,今後さらなる飛躍を遂げることを願いたい。以前のデータを保持した状態でβサービスを開始できるので,この機会に新生「あいりすミスティリア!」の世界に飛び込んでほしい。
「あいりすミスティリア!」公式サイト
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あいりすミスティリア!
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