プレイレポート
歪んだ楽園の真実を暴き出せ。「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」のプレイレポートを掲載
本作は,2016年に発売されたPlayStation Vita用ソフト「Caligula -カリギュラ-」のフルリメイク作品だ。今回のフルリメイクにあたってはUnreal Engine 4を導入し,映像表現を大幅に強化。さらに新キャラクターや新エンディングといった要素が追加された意欲作となっている。
本稿では,そんな「オーバードーズ」から登場した新要素の情報を交えつつ,プレイレポートをお届けしよう。
「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」公式サイト
新生「メビウス」では新キャラクターが追加され,楽士サイドでのプレイも可能に
本作の舞台となるのは,自我を獲得したバーチャルアイドル「μ(ミュウ)」が作り上げた,仮想の学園世界「メビウス」だ。μの歌によってメビウスへと導かれた人々は現実での記憶を忘れ,終わらない理想の学園生活を続けていた。
メビウスの在校生だった主人公は,卒業式の日に「卒業生が新入生として入学する」という事象に直面し,メビウスの歪みに気付いてしまう。
理解を超える出来事を前に戸惑う主人公だったが,自身と同じく現実への帰還を目指す人々「帰宅部」や,μと同じバーチャルアイドルであるアリアとの出会いを経て,メビウスからの脱出を目指すことになる。
しかし,メビウスの世界に囚われた人々はそれを許してはくれない。「デジヘッド」と呼ばれる感情が暴走した住人や,μに楽曲を提供する「オスティナートの楽士」は,力づくで主人公達を世界に押し止めようとする。
彼らに対抗する方法は,アリアが主人公達の感情を“調律”することで発現する「カタルシスエフェクト」だけ。主人公達はこの力を振るいながら,メビウスに秘められた謎に迫っていく。
本作では,前作からビジュアルや演出が一新されただけでなく,帰宅部や楽士にも新たなキャラクターが登場している。しっかりとストーリー展開にも関わってくるので,前作を遊んだ人も期待しておこう。
◯「帰宅部」新キャラクター
◯「楽士」新キャラクター
さらに,ストーリーが進むと主人公は「謎の楽士Lucid」として“楽士側”の生活を垣間見ることができるようになる。もちろん,楽士側のキャラクターと仲良くなることも可能で,Lucidとしての活動を続けていくとエンディングも分岐する。前作をエンディングまで遊んでいる人は,こちらのルートから楽しんでみるのもいいだろう。
複数のエンディングがあれば,やはり周回プレイをしたくなるだろう。しかし,そのためには同じシーンを繰り返し見ることになる。
そこで,本作からは会話のスキップ機能が大幅に強化され,OPTIONボタンを長押しすることで会話シーンをまるごとスキップできるようになった。ただ,あまりにサクサク飛ばせてしまうので,まだ読んでいない会話を飛ばさないように注意しよう。
よりスタイリッシュに,遊びやすくなった空想視(イマジナリーチェイン)を駆使して敵を殲滅せよ
バトルシステムについても紹介していこう。本作のバトルはシンボルエンカウント方式で,フィールドを闊歩するデジヘッドの視界内に入るか,接触するとバトルが開始される。
前作は探索していたフィールドがそのまま戦闘に使われていたが,本作では戦闘開始時に円形のバトルフィールドが展開されるようになった。戦闘開始位置を調整する必要がないので,本作では狭い場所も気兼ねなく探索できる。
戦闘の基本はコマンドバトルで,キャラクターごとに3つのコマンドを入力して戦うことになる。ただしターン制ではなく,各コマンドは全キャラクターが共有する“タイムライン”の上に配置され,入力した順番にコマンドが発動する仕組みになっている。
そして,本作最大の特徴が相手の行動を予測できるシステム「空想視(イマジナリーチェイン)」だ。コマンド選択時に空想視が展開され「そのコマンドを実行した際に何が起こるのか」が映像で表示される。
空想視の内容に合わせてコマンドを変更できるので,最善の行動を思案しながらコマンドを入力できるというわけだ。
また,攻撃スキルにはSHOOTING(射撃)やRUSH(近接)といった属性が存在し,敵が使おうとしていたスキル属性に対して「カウンター」が発動するスキルを選択すると大ダメージを与えられる。
カウンターを受けた敵は「打ち上げ」や「ダウン」などの特殊なやられ状態となる。これらの状態になると一定時間行動不能となるほか,特定のやられ状態の敵に対してのみ発動するスキルも存在する。タイムラインを調整して最適なスキルを叩き込むのが,本作の戦闘の醍醐味だ。
ただし,空想視は「常に攻撃が命中する前提のポジティブな空想」であり,空想視中に表示される「HitRate」(命中率)が低いと,空想の的中確率が低下する。HitRateが低いときは,攻撃が外れてしまった場合の保険を考えておいたほうがいいだろう。
強敵と戦ったり,戦闘を重ねてキャラクターが成長したりすると「スキル取得Pts」を獲得できる。スキル取得Ptsを消費すれば,既存のスキルをレベルアップさせたり,新たなスキルを習得したりすることが可能だ。使用頻度の高いスキルはガンガンレベルを上げていこう。
そして,バトルの切り札となるのが,本作から登場したキャラクター固有の必殺技「オーバードーズスキル」だ。味方キャラクターはダメージを受けると「ストレスゲージ」が累積し,これを消費することでオーバードーズスキルを放つことができる。ゲージは戦闘後も持ち越されるので,ボス戦に温存して一気に使用するのもアリだ。
メビウスに囚われた生徒達の悩みを解決し,主人公のパーソナリティを強化
メビウスには500人を超える生徒が生活しており,それらすべてのキャラクターと交流ができる。メインストーリーに関わるキャラクターはもちろんのこと,校内を歩いているキャラクター一人ひとりに物語が存在するのだ。
キャラクターと会話して親密度が上昇すると次第にプロフィールが開放されていき,各々の「隠された本性」が垣間見えるようになる。これが,彼らがメビウスにやってきた理由に関わる“トラウマ”だ。
何らかの方法でそれを解決してあげれば,主人公のパーソナリティ(ステータス成長率)が上昇したり,新たなスキルを習得したりといった報酬が得られる。
生徒との関係の詳細については,メニュー内の「因果系譜」から確認できる。500人以上の生徒の情報をすべて把握するのは難しいが,解決可能なトラウマを持つ生徒を探す手段として活用しよう。
前作からの追加要素は非常に多く,これですべてを紹介しきったとは言い難い。まさに,オーバードーズ(過剰強化)の名に相応しい出来栄えだ。これから「カリギュラ」の世界に触れる人はもちろん,前作を遊び尽くした人にも十分おすすめできる作品となっている。
また,ゲーム内で発見したキャラクター達の“内面”は,今まさに放映中のTVアニメ版を楽しむ助けにもなるはずだ。アニメ内で活躍する帰宅部や楽士の面々を見ながら「今,彼はこんなことを考えているのだろうか」なんて空想を膨らませてみるのも,なかなか楽しい体験になるだろう。
「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」公式サイト
- 関連タイトル:
Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ
- この記事のURL:
(C)FURYU Corporation.
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