プレイレポート
「Nintendo Labo」親子体験記【応用編】。旗上げゲームから剣道マシンまで,「こんなの作りたい」をToy-Conガレージで形にしてみた
先日掲載した「基本編」では,キットに入っているダンボールシートで,つりToy-Conやロボットなどを作り,ゲームを楽しむ様子を紹介した。
今回の「応用編」では,Toy-Conをまったく別の用途で使ったり,キットに頼らず,自由な発想で自分だけのゲームを作ったりする楽しみ方を紹介しよう。実を言うと,Nintendo Laboの本領とも言うべき魅力はここにあるのだ。
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Toy-Conを組み合わせて新しい遊びを生み出す
基本編では,リモコンカーやバイク,つり,ロボットといったToy-Conを作り,それに合わせて用意されているゲームを楽しんだが,これらのToy-Conは,ちょっと工夫すれば,違った楽しみ方もできるのだ。
こちらのムービーでは,つりToy-Conでリモコンカーを操作したり,バイクToy-Conを楽器にしたりといった遊び方が紹介されている。Nintendo Laboでは「やろうと思えばなんでもできる」というチャレンジ精神さえあれば,楽しみ方は無限大。むしろこれこそ,Nintendo Laboの真骨頂と言える。
このように,プレイヤーが思い思いのToy-Conを自由に発明できるのが,Nintendo Laboのソフトに用意されている「Toy-Conガレージ」だ。
「Toy-Conガレージ」でNintendo Laboがもっと楽しくなる
ここまでの紹介で想像がついた人もいるだろうが,「Toy-Conガレージ」は,Joy-Con(Toy-Con)の操作によって何が起こるかをプログラミングするものだ。だが,プログラミングといっても身構える必要はない。画面に四角形として表示される,さまざまな「ノード」をつなぐのが基本なので,直感的に行えるのだ。
下のスクリーンショットを例にすると,左側のノードが「ボタンを押す」というデバイスの操作,右側のノードが「画面が光る」という結果を表している。
それでも不安なら,子どもにも分かりやすい解説と見本がついているので,最初はそれを参考にして構造を理解していくとよいだろう。とにかくいろいろと触って試し,慣れていくのがおすすめだ。
Joy-Conだけでできるトランシーバー
さて,我が家では,母が解説を理解しきる前に,さっそく9歳の息子が何かを作りだした。「これとこれをあーして……,よし,できたよー! トランシーバー」
トランシーバーが欲しいけれど,買ってもらえない息子が作り出したのは,なんとJoy-Conトランシーバー。一方のJoy-Conのボタンを押すと,もう一方のJoy-Conが振動したり音を出したりする。会話はできないが,ボタンによって鳴る音が違うので,「振動したら,『来て』の合図」「猫の鳴き声は『オーケー』」とあらかじめ決めておくとのこと。ちょっとしたスパイ気分になれるらしい。
さすがデジタルネイティブ,息をするようにプログラムを組む……と感心していたら「プログラミングとはちょっと違うんだよね。でも,自分の作りたいものを,どうしたら頭の中と同じように動かせるか考えるところは同じだね」と,もっともらしく語っていた。
そこで母である筆者も,子どもに負けじと挑戦。苦労しそうと思っていたけど,やってみると意外と楽しくて,あれもこれもと,ついつい作りこんでしまう。
ちなみに筆者はバリバリの文系で,プログラミングは子どもがやっているScratchなどを少し触った程度だが,専門知識がなくても,下の画面のような組み合わせを作ることができた。
ラケットから手作りして「エア卓球」を作ってみた!
次に,Toy-Conを一から作り出すものに挑戦。上に掲載したムービーにあった卓球ゲームが気になったので,ラケットから作ってみた。作り方はダンボールをラケットの形に切り取り,色を塗ってToy-Conを取り付けるだけ!
ラケットは簡単にできたものの,ボールが動いているように見せる画面演出にはちょっと苦労した。
画面の上にかぶせるシートをダンボールで作り,そこにボールの軌道となる穴を空けたら,後はToy-Conガレージで「Joy-Conを振ったら,画面に設定したエリアを順番に光らせる」というプログラムを組めば完成……なのだが,この「順番に光らせる」方法がなかなか思い浮かばなかった。
ああでもない,こうでもないと唸りながら試行錯誤したが,結果として見事形になったときの嬉しさは格別だ!
簡単にできる「旗上げゲーム」
エア卓球の出来栄えに感動した親子は,さらなる遊びに挑戦することに。次は「旗上げゲーム」だ! 工作はとにかく簡単にということで,ストローと折り紙で旗を作った。
続いては画面にかぶせるシートを作るのだが,ここで活躍するのが,色のついたセロファンだ。Nintendo Switch本体の画面を光らせる場合,色は白のみとなっているので,セロファンで簡易的に色をつけようというわけだ。今回の「旗上げゲーム」では,左右の旗で色を変えてみた。
Toy-Conガレージでの設定は,卓球より簡単。今度は振るのではなく,Joy-Conの角度に合わせて画面を光らせるようにした。これで旗を上げると画面でその旗の色が光り,下げると消えるようになる。
これで「青上げて,赤上げて,青下げないで,赤下げて」などとやれば,親子で楽しめて大満足。ちなみに,工作とToy-Conガレージの作業を合わせても,かかった時間は30分ほどだった。
剣を振るとカウントしてくれる練習マシン
調子に乗った我々親子は,「便利で楽しい道具を作ってみよう」というさらなる課題に挑戦。それは,「さぼりがちになる素振りの稽古を楽しめるマシンを作ろう」というものだ。現在,殺陣を習っている息子は毎日剣の素振りをしなければならないのだが,つい忘れてしまうこともあるし,いざ始めても素振りは単調で飽きやすい。そこで少しでも楽しくならないかと考えたのが,素振り練習マシンだ。
まずは剣を作る。実際の竹刀や練習用の剣を使ってもいいのだが,本人の強い希望があって,ダンボールで作ってみることにした。ダンボールをくるくると巻いたら完成だが,そのままでは味気ないので,銀や青のビニールテープで巻いてみたら,何やらかっこいい武器風のものができあがった。
Toy-Conガレージの設定で実現させたかった機能は,以下の3つだ。
・1回剣を振るごとに,画面の白いゲージが増えていく
・100回振ったら終了
・間違えたらリセットできるようにする
Toy-Conガレージをいろいろといじってみたが,どうにもうまくいかない。そこで父も参戦し,家族3人で頭をひねってみた。
解決策となったのが,「中間ノード」という条件設定だ。これを使うと,たとえば「ボタンを押した回数をカウントする」「この条件のときは,〜する」といった細かい設定が可能になる。
素振り練習マシンでは100回までやったことが分かるようにしたかったため,「カウント」の中間ノードを使用した。
そしてついにできあがったのが,こちらの「素振り練習マシン」だ!
ダンボール製の剣を振るたびに画面の白いゲージが増えていき,100回まで振ると「にゃー」と猫の鳴き声ともにリセットされるという仕組みだ。Bボタンを押してもリセットできる。
子どもは嬉々として剣を振っていたので,「本当の剣でやったほうが練習になるのでは……」という突っ込みはやめておいた。これを応用すれば,身の回りのいろいろなものをカウントすることが可能になりそうだ。
なお,今回は簡易的に剣の根元にJoy-Conを差し込む作りにしたが,振る動作の場合は安全のためにストラップをつけたほういいので,今後はそのあたりも改良していきたい。
Toy-Conガレージを楽しむために用意したいもの
Toy-Conガレージを使った遊びでは,ストローや折り紙,厚紙,透明パックなど,身の回りの物すべてが材料になる。柔軟な発想で設計しよう。
工作で役立ったのが,両面テープとビニールテープ。ダンボールはのりだと貼りつけづらいので,テープが活躍する。
両面テープは仕上がりがきれいになるし,ビニールテープは補強にもなるので,うまく使い分けるといいだろう。ただし,一度貼ってしまったら,マスキングテープのように簡単にははがれないので,注意したい。
実際に一から作ってみると,なかなか設計通りにはいかず,試行錯誤することになった。「基本編」で紹介したように,Nintendo Laboのキットは,テープやのりだけでなく,ハサミすら使わずにToy-Conを作れるようになっているのだが,その設計の素晴らしさを改めて感じた。
なので,最初はキットのダンボールシートを参考にしながら設計するのもいいだろう。
もっともっと作りたい! 発明のアイデアは無限大
今回作った作品は,どれも頭の中の「こんなのできるかな」「やってみたいな」という思いを形にしたものだ。一枚のダンボールがラケットや剣に変身していく過程は非常に面白いのだが,簡単に折れてしまったり,思うように画面が動かなかったりと,苦労した場面も多かった。
だが,こうしたたくさんの失敗は決して無駄ではない。改良を重ねて,よりよいものに完成させていくことこそが,大きな楽しみなのだ。
1週間ほど,作って作って作り続けた末に,Nintendo Laboはたくさんの夢を形にしてくれる,すごいツールだと改めて感心した。世界中の人たちが,このツールを使ってどんなスゴイ作品や遊びを生み出すのかも楽しみだ。
我が子のノートには,たくさんの「アイデア」が書かれている。材料は用意したものの,まだまだ作っていないものがたくさんあるので,機会があればまた記事にしてお届けしていきたい。
「Nintendo Labo」公式サイト
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