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ドワンゴが「エンゲージプリンセス」の体験イベントを開催。今,niconicoでPCブラウザゲームを展開する理由とは
このイベントでは,総監督・開発責任者を務める栗田穣崇氏と,ディレクターの保井俊之氏が,本作の企画意図やゲームの概要などに関するプレゼンテーションを行った。
「エンゲージプリンセス」は,KADOKAWAの「電撃文庫」が25周年を迎えたことを記念して企画されたもので,原作・メインストーリーを伏見つかさ氏が,メインキャラクターデザイン・イラストをかんざきひろ氏が手がけている。この2人は,電撃文庫のヒット作「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」「エロマンガ先生」を手がけたコンビとして有名だ。また本作には,この2人以外にも電撃文庫のクリエイターが続々と参加している。
イベントの冒頭では,栗田氏が「エンゲージプリンセス」の企画意図を説明した。それによると,本作をPCブラウザゲームとして企画したのは,現在のスマートフォンゲーム市場がレッドオーシャンになっていることを踏まえてのことだという。栗田氏は,アプリゲームが飽和状態の昨今では認知度の向上が難しいこと,またApp StoreやGoogle Playの規約に縛られずに自由に作品を表現できるなどの理由を挙げた。
一方,ドワンゴは多数のユーザーを抱えるプラットフォーム「niconico」を展開している。昨今では有料プレミアム会員が減少傾向にあるものの,栗田氏によるとniconicoの集客力はまだ高いとのことで,月あたりのアクティブユーザー(MAU)は4400万人以上,1日あたりのアクティブユーザー(DAU)は440万人以上におよんでいるという。
また年齢層も,ログインIDの撤廃により10代が流入するようになったことから新陳代謝が進み,20〜30代を中心にバランスがよくなったとのこと。
さらにはniconicoユーザーの半数近くがPCからアクセスしており,ゲームジャンルの動画や生放送の投稿・視聴率も高い。
以上をまとめて,栗田氏は「niconicoはゲームと相性のいいプラットフォームである」とし,また自社で展開しているのでロイヤリティも不要という理由から,「エンゲージプリンセス」をPCブラウザゲームとして企画・開発したと明かした。
加えて,「エンゲージプリンセス」のメインクリエイター2人は,以前からniconicoと縁のある人物であり,親和性がある。
niconicoには,実況・動画を配信できる環境が整っていることや,niconicoで育った楽曲・動画・イラストのクリエイターとのコラボレーションが可能なことなど,niconico文化を最大限に活用したコミュニティ設計が可能になる。
栗田氏はこれらをまとめて,「『エンゲージプリンセス』とniconicoを相互作用で盛り上げていく」「niconico同様,本作もユーザーと対話しながら運営していく」と語った。
栗田氏は,KADOKAWAグループとの取り組みについても言及。「エンゲージプリンセス」には,上記のとおり電撃文庫の作家やイラストレーターが参加することに加え,ニコニコ超会議や闘会議といったイベントの集客をIP展開に活用するという。
またKADOKAWAグループの雑誌・WEB媒体と連携し,露出の機会を増やせるのも強みとのこと。会場では,サービス開始に合わせて開催している雑誌へのシリアルコード添付や,雑誌ごとに異なるヒロインを取り上げる横断企画が紹介された。さらにクロスメディア展開も予定しており,まずはコミックの連載が始まっている。
保井氏からは,「エンゲージプリンセス」のゲーム概要が紹介された。
本作の主人公は,ゲーム内のゲームアプリ「エンゲージプリンセス」を起動したプレイヤーという位置付けだ。洞窟の大部屋で目覚めた主人公は,NPCの少女レムレスからチュートリアルを受け,「ゲームのクリア条件は,大迷宮『レムリア城』の踏破」「ゲームクリアの暁には,あらゆる望みが叶う」「仲間を集めて“絆”を結び,迷宮攻略に臨め」という3つのポイントを知ることとなる。
冒険の舞台となるのは,「夢世界 メアトピア」。この世界は4つのエリアで構築されており,それぞれリアル世界の秋葉原に影響を受けているとのことだ。
アドベンチャーパートでは,伏見つかさ氏が書き下ろしたメインストーリーが進行する。またメインストーリーは声優陣によるフルボイス仕様となっているほか,セリフに合わせてキャラクターの表情がクルクル変化するのも見どころだ。
バトルは,自分のキャラクター4体と,助っ人キャラクター1体の5人パーティで進行。基本的にはオートバトルだが,キャラクター固有の「スクリプト」(スキル)を発動するためには操作が必要となる。
スクリプトはキャラクター1体につき最大3つ習得可能で,敵への攻撃や味方の回復などを行う「アクションスクリプト」,バフ効果などの補助を行う「サポートスクリプト」,そして常在発動の「パッシブスクリプト」がある。アクションスクリプトとサポートスクリプトは,各キャラクターのゲージがMAXになると発動可能だ。
「エンゲージプリンセス」のバトルにおける特徴の1つは,スクリプトの予約によってコンボを組めること。サポートスプリクトを順に予約・発動していき,最後にアクションスクリプトを予約・発動させると,アクションスクリプトを発動するキャラクターのクラスに応じて効果の異なる「フィニッシュコンボ」が発動する。
今回の体験イベントでプレイできたのはゲームの序盤だったので,そこまでの必要性は感じなかったが,ゲームが進行して強敵が立ち塞がったときには,サポートスクリプト発動の流れと最後のアクションスクリプト自体の効果,そしてフィニッシュコンボの効果まで踏まえたうえで,パーティ編成を考える必要が生ずるのではないかと感じた。
スクリプト発動時にキャラクター固有のカットインが入るのはもちろんのこと,ノーマルアタックでもキャラクターが結構動くところは,チェックしておきたいポイントである。
バトルのもう一つの特徴は,「歌姫(DIVA)システム」だ。こちらは,各キャラクターの行動や被ダメージによって溜まる「DIVA GAUGE」がMAXになると,パーティリーダーのキャラクターごとに定められた歌姫を召喚できる(DIVA CALL)というもの。歌姫召喚中はBGMが人気ボカロP書き下ろしの楽曲となり,声優による歌を楽しめるうえ,「発動時」「歌唱中」「完唱時」それぞれに異なる効果を得られる。
また「エンゲージプリンセス」では,キャタクターと「エンゲージ」(婚約)できる。エンゲージするには,キャラクターごとに設定された条件を満たし,「プリンセスリング」を渡す必要がある。
エンゲージしたキャラクターには「プリンセスブースト」が発動し,元のレアリティにかかわらず,最高レアリティ相当の性能になるとのこと。
なおエンゲージできるのは1人だけなので,誰を選ぶかが重要になるそうだ。今後のアップデートで,より魅力的なキャラクターが登場したときはどうすればいいのか,という疑問も出てくるだろうが,コラボも含めてサービス開始時に判明しているキャラクターについては「重婚不可」のスタンスで進めるとのこと。
すでに発表されているとおり,サービス開始後には「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」とのコラボが実施される。詳細は,改めて公式サイトなどで公開される予定だ。
そのほか会場では,ニコニコ生放送にて「エンゲージプリンセス」の定例番組を配信していることがアナウンスされた。直近では4月19日,5月24日,6月21日の配信が予定されている。
また,ニコニコ超会議2019にも出展が予定されており,本作の公式Twitterなどで情報が公開されるとのことだ。
「エンゲージプリンセス」公式サイト
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