モンスター化したフルーツ達と戦う「Juicy Realm」の配信がスタート。アクションとシューティングの要素を持ち，ダンジョンは自動生成

　X.D. Networkは2018年5月4日，中国の独立系デベロッパ・SpaceCan Gamesが開発した新作「Juicy Realm」の配信を，SteamとWeGame（※）で開始した。Steamストアページ（※外部リンク）によればインタフェースと字幕が日本語に対応し，価格は1010円（税込）。残り時間は1日強だが，本稿執筆時点ではスペシャルプロモーション価格で10％オフの909円（税込）だ。

※中国・テンセントが運営しているPC向けゲーム配信プラットフォーム


　Juicy Realmは，可愛いが凶暴なモンスターと化したフルーツ達と戦うという，アクションとシューティングの要素を併せ持ったタイトル。ローグライクゲームで採用されているダンジョンの自動生成システムを持つほか，ボス戦に「弱点に注目する」「ゲーム内の仕掛けを利用する」といった要素を加えているのも大きな特徴である。プレイヤーは探検者としてソロまたはローカル協力プレイで敵の巣穴の奥へ奥へと進み，装備を集めて自身を強化したり，集めた資源を使って「見張り小屋」のある野営地を大きくしたりするのだ。



　SpaceCan Gamesはプログラマ・Tyreal氏，漫画家・biboX氏という少人数のデベロッパだが，本作に向けては今後“大量の無料DLC”の配信を予定しているとのこと。

　また既報のとおり本作は，PlayStation 4やNintendo Switch，スマートフォン（iOS / Android）といったプラットフォームにも展開予定だ。

Steamの「Juicy Realm」ストアページ

漫画風ローグライクゲーム
『Juicy Realm』が配信開始
大量の無料DLCも準備中！

中国の独立系デベロッパーSpaceCan Gamesが開発し、X.D. Networkがパブリッシャーの『Juicy Realm』が正式にリリースされました。大量の無料DLCも準備しています。

■理性と感性の結合

SpaceCan GamesはプログラマーTyrealと漫画家biboXの二人による会社です。Tyrealは物理学を専門としていましたが、プログラミングを独学で習得しました。biboXは中国で最も影響力のあるアニメ賞であるゴールデンドラゴン賞の絵本作品部門で金賞を受賞し、さらに米国のパラマウント映画のポスター制作も手掛けました。この二人による『Juicy Realm』は色彩に富んで人目を引いています。


『Juicy Realm』はアクションシューティング、ローグライク、冒険謎解きなどの要素を兼ね備えています。プレイヤーは特技を持った4人を操作し、動物のように大きく強くなったフルーツに虐げられ、困窮する人類を救う設定となっている。
Tyrealは『Juicy Realm』を開発する以前、戦略性の高いシミュレーションゲームの制作を企画していましたが、二人の強みを最大限に発揮するためにやめました。モンスターと化したフルーツと戦うゲームを開発したいと考えていたbiboXの思いを汲んで、そこに自分の大好きなアクションゲームの要素を織り交ぜ、『Juicy Realm』を制作すると決意しました。


■全体の風格を保持し、重複を減らす

『Juicy Realm』は漫画風のデフォルメされたキャラクターが特徴的です。背が低く、頭が大きく、目はまん丸で遠くを見ています。大人しい子ですが、機関銃やのこぎりなどを振り回し、生き残るために可愛いくも暴虐なフルーツを相手に激しく戦います。競争が激しいゲーム市場において、このゲームを見つけてもらうために、風格のあるデザインを採用しました。


また、同ジャンルのゲームの『Nuclear Throne』『The Binding of Isaac』を分析し、ゲームの一体感と風格に合わせ、優雅に保たれるシステムのみ残しています。
しかし、Tyrealは初期のバージョンをプレイしたとき、やや退屈さを感じました。重複するシーン、一度死んだあと同じルートを再び歩く必要がある、という弱点は避けられませんでした。その頃、『Enter the Gungeon』が正式リリースしました。Tyrealの大好きなそれは、ペースの早いシューティングゲームで、ローグライクのゲームです。
『Juicy Realm』は『Enter the Gungeon』のような弾幕がなく、近距離と遠距離の武器を使い分け、お互いを補い合う仕様となっています。遠距離武器の種類も豊富で、発射効果もとても新鮮です。遠距離武器は弾薬制限があるため、難しいと感じるプレイヤーは攻撃力が強い近距離武器を使用できます。


ステージクリアの際の重複を減らすために、異なるマップを設計しています。森林のステージは多様な植物が生い茂り、泥沼のステージは神秘的で、砂漠のステージは砂まみれ、雪の世界のステージは凛冽になっています。罠も多く、足元に注意しないと罠にはまってしまいます。
多くのプレイヤーが不注意で罠にはまり、フルーツに襲われ、怪物の大群に襲われ死んでしまいます。漫画風の見た目と異なりゲームの難易度は高くなっています。最初のステージより以降のステージの方が明らかに難易度が高く、攻略のハードルが高くなっています。
ステージごとに砲撃できる要素が溢れています。戦いながら、弾薬で木の葉を撃ち、ドラックカーを砲撃し、アイスを細かく潰せます。激しい攻撃に伴い、いきいきした反応が聞こえるので、ずっと可愛い声に包まれます。
また、エリアごとにフルーツの怪物がいます。異なる性格のフルーツの怪物を設計しています。
『Juicy Realm』の最大の特徴として、BOSS戦での謎解き部分があげられます。アクション部分だけではBOSSを倒せず、BOSSの弱点に注目しつつゲーム内の仕掛けも利用する必要があります。このような設計仕方は、クリエイティブで多様な遊び方を追求している『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』シリーズに敬意を表しています。



■完璧主義者は不満なものに妥協できない

IndieMegaboothの招待リストに入り、GDCにも参加しましたが、理想が高いTyrealにとってまだ不満はあります。そもそももっといいゲームを制作できますが、資源が制限されている状況で、プロジェクト全体を見てゲームの完成度を考え、選択をし続けてきました。
二人はゲーム会社で独立してゲーム開発をした経験がなく、短時間でプロのレベルに進歩する必要がありました。TyrealとbiboXは完成したバージョンの品質で第一ステージを制作しました。その後、基準を下げずに二人のゲームの開発の旅はずっと時間と競い合うものでした。


総合的に見ると、このゲームは二人の努力の賜物です。二年間のゲーム開発の旅を振り返ると、Tyrealは「実行力」を重視しています。これからの開発計画では、自分自身にふさわしいジャンルを選ぶ一方、新しい挑戦もチャレンジしていきます。Tyrealの作品に対する態度は「完璧主義とは細かい部分にどれほど追求するかではなく、不満なものにどこまで妥協できるか」です。


SteamとWegameで正式リリースするとともに、すべてのプレイヤーのコメントに関心をよせています。初めてローグライクゲームをプレイするプレイヤーにとって、セーブできないという恒久的な死は受け入れづらいでしょう。そのため、繰り返し説明しなければなりません。初心者向けの立ち回りとシステム最大化作業をし、Steaｍのachievementシステムを改善し、今回の正式リリースに向けて準備万端です。もしプレイヤーに評価してもらえたら、ファンに本物の写真を公開するのも考えます。
これまで、このゲームはSteamとWegameで数万人のプレイヤーに支持されており、TyrealとbiboXは皆がこのゲームを好きになるように期待しています。リリース後も二人は開発を続けていきます。より豊かなゲーム内容と、皆と約束した二人プレイのダブルモードは今後アップデートされます。さらなる『Juicy Realm』のために、二人は前に進んで努力を続けていきます。

Juicy Realm Official Twitter:
https://twitter.com/JuicyRealm
SpaceCan Games Official Twitter:
https://twitter.com/spacecangames
Juicy Realm Official Trailer:
https://www.youtube.com/watch?v=H0xXnThQ_9Y
Juicy Realm Gameplay video:
https://www.youtube.com/watch?v=TzEVAQFa6Yk