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「VALORANT」エピソード3 Act2 新マップ「フラクチャー」の先行テストレポートをお届け。レディアント達の戦場は“分裂”する
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印刷2021/09/04 02:00

プレイレポート

「VALORANT」エピソード3 Act2 新マップ「フラクチャー」の先行テストレポートをお届け。レディアント達の戦場は“分裂”する

 ライアットゲームズがサービス中のタクティカルFPS「VALORANT」の新マップ「フラクチャー」が公開された。エピソード3 Act2にて実装が予定されているフラクチャーだが,それに先がけてインフルエンサーとメディア向けに先行テストが実施されたので紹介しよう。

画像集#016のサムネイル/「VALORANT」エピソード3 Act2 新マップ「フラクチャー」の先行テストレポートをお届け。レディアント達の戦場は“分裂”する

 フラクチャーはVALORANTにおける7番目のマップとして実装予定。主な特徴は以下のとおりだ。

●H字型のレイアウトで,防衛側スポーンはマップ中央に配置
●下層にはマップの両端をつなぐジップラインを配置
●インタラクト可能なストーリーオブジェクトが配置された初のマップ
●初めて明かされる「ミラーアース キングダム」──ミラーバースへと広がり,両世界のキングダムを描いたマップ

 戦闘面だけでなく,未だ謎多きVALORANTのストーリーの一端に触れるマップであるのがうかがえる。

マップの俯瞰図。緑豊かな左側,それと対比するような砂に包まれた右側の様子がお分かりいただけるだろう
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マップ下層に配置されるジップライン。中央には怪しげな装置も
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マップ内部も対照的だ。それぞれ緑と砂に覆われている
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初動で攻撃側が包囲可能な新しい設計のマップ


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 まず,新マップの基本的な構造について説明していこう。攻撃側スポーンはマップの南,防衛側スポーンはマップ中央からのスタートになる。東西に位置するのがAサイト,Bサイトとなっており,攻撃側はここを目標として侵攻することになる。

フラクチャーマップ図
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 前述のとおり,マップの中央(北〜南)を境に両側のビジュアルは対照的だが,マップ内で確認したところ,砂漠のような乾燥地帯であるAサイト側は「オメガセクター」,緑豊かなBサイト側は「アルファセクター」と呼称するようだ。
 両サイト付近は共に高低差と障害物が目立つ,やや入り組んだ構造になっている。攻撃側がサイトに侵入する際は,通常のエントリー時の注意だけでなく,防衛側の“角待ちショットガン”にも,今まで以上に警戒を払った方がいいかもしれない。

画像集#014のサムネイル/「VALORANT」エピソード3 Act2 新マップ「フラクチャー」の先行テストレポートをお届け。レディアント達の戦場は“分裂”する

高低差があり,やや入り組んでいるサイト付近。障害物にも警戒したい
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 フラクチャーの最大の特徴は,北と南を繋ぐ下層のジップラインが配置されていること。攻撃側はラウンド開始直後に,マップ南側から北側へと移動可能だ。
 このジップラインは従来と異なる特殊な仕様になっている。ぜひスクリーンショットを参照してほしいが,2本配置されたジップラインはそれぞれ一方通行となっている。また,1度乗ると引き返すことはできず,終点まで降りられない。乗っている最中,武器の切り替え,銃の発砲,速度の調整(2段階)は行えるが,行動は大きく制限される。

ジップライン。それぞれ一方通行で,緑背景の矢印が掲げられた側のジップが使用可能。「アタック側スポーン〜アタック側ブリッジ」間を移動できる。2段階目の速度であれば,かなり高速に陣地転換が可能
画像集#001のサムネイル/「VALORANT」エピソード3 Act2 新マップ「フラクチャー」の先行テストレポートをお届け。レディアント達の戦場は“分裂”する

 このギミックにより,防衛側は「開幕直後から包囲」されるので,どのように対処し,打ち破るかを考えるのが,戦術の肝になりそうだ。
 「素早い転換と包囲を行う攻撃側」と「中央を起点として防衛する防衛側」という展開が予想されるが,攻撃側の陣地転換が行いやすいということは,同時に防衛側のラーク戦術(単独での陽動や裏取り)の脅威も増すことを意味する。背後には気をつけたいところだ。

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アルティメットオーブの位置を一挙公開。実装時に変更の可能性はあるが,これで戦いを有利に進めよう
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 マップの大きさを分かりやすく示すことも兼ねて,ヴァイパーの「トキシックスクリーン」を展開する様子のスクリーンショットを掲載する。どちらかのサイトを中央から分断したり,4方向(北東,北西,南東,南西)ある両サイトへの侵攻ルートの1つに開幕からプレッシャーを掛けることが可能なヴァイパーは,攻撃側と防衛側の双方において非常に使い勝手が良さそうだ。
 筆者が試した限りだが,ジップラインで移動可能なマップ両地点(スポーン,ブリッジ)それぞれの付近から,スパイクを設置したサイトへスネークバイトを撃ち込む,いわゆる「空爆」も可能だった。

左上のマップ,スクリーンの展開予測範囲に注目してほしい
画像集#006のサムネイル/「VALORANT」エピソード3 Act2 新マップ「フラクチャー」の先行テストレポートをお届け。レディアント達の戦場は“分裂”する

 その他にもマップの特性上,キルジョイやセージといった,阻止能力に優れるエージェントはマストピックになりそうである。索敵や長射程の攻撃を行えるソーヴァ,障害物を無視してプレッシャーを与えられるブリーチも選択肢として面白いだろう。
 簡単にフラクチャーを紹介してきたが,かなり挑戦的なマップであることが伝わっただろう。では,どのような意図をもって制作されたのか,開発者のコメントを紹介しておこう。

<以下,開発者コメント>

――フラクチャーをデザインする際に目標としたことは何ですか?

Joe Lansford氏(レベルデザイナー):
 このマップは「もしも」というシンプルなアイデア,もっと具体的に言うと,「アタッカーがディフェンダーを挟む形で,マップの両端からスタートできたら?」という疑問から出発しました。例えば中立スペースの活用方法など,私たちはとにかくプレイヤーの皆さんに固定観念を捨ててもらうこと,そしてこのマップ独自の課題を提供することを目指していたのです。そのため,先述の「もしも」の実現に全力を尽くしました。H字型のレイアウト,中立スペース,ジップラインなど,すべてがその核となるアイデアを支えるためにデザインされています。

――フラクチャーをデザインするにあたって,何からインスピレーションを得ましたか?また,このマップで伝えたい重要なコンセプトは何ですか?

Joe Lansford氏:
 少し変わっているかもしれませんが,このマップのゲームプレイは「ロード・オブ・ザ・リング」における「ヘルム峡谷の戦い」がインスピレーションの源となっています。オークの軍勢によって門が破壊されようとしている中,アラゴルンとセオデン(それと生き残った兵士たち)は反撃に打って出ようとします。「怒りを持って敵を打ち倒し,赤い夜明けを迎えよう!」そこに反対側の山からガンダルフとローハンの騎兵軍が突撃していきます。ディフェンス側のプレイヤーがAサイトとBサイトに分かれて形勢を逆転し,むしろアタック側が追い詰められる状況は,いつもこのシーンを思い出させるのです。

Brian Yam氏(リードアーティスト):
 映像面の開発に際しては,マップの両サイドでまったく異なるビジュアルを提示して対比させることで,何らかの事故によって時間軸に亀裂が生じ,そこから分岐(フラクチャー)が発生してしまったことを暗示しようと考えました。「秘密の実験が思わぬ結果を生んでしまった」という物語にさらに厚みを加える,ユニークなビジュアルを作り出したかったのです。
 Aサイトは不毛の砂漠と朽ち果てた研究施設の廃墟となっており,それとは対照的なBサイトには樹木が生い茂り,研究施設を覆い尽くしています。マップ中央の建物内には粒子加速器があり,プレイヤーはその下をジップラインで通り抜けられるようになっています。フラクチャーはデザイン的にも特殊なマップですが,私たちはそのユニークさをビジュアル面からも強調したいと思ったのです。両サイドに配された対照的なビジュアルは,「ここで起きた出来事と,その悲惨な結末」を想起させ,プレイヤーは視覚面から物語を楽しむことが可能です。また,視覚情報とコールアウトの観点からも,対照的なビジュアルは位置関係の把握に役立つようになっています。

David Nottnigham氏(クリエイティブディレクター):
 ストーリー面で言うと,プレイヤーの皆さんに「VALORANTの世界で起こっている戦い」への理解を深めてもらえるような舞台を作ろうと考えました。シネマティックトレーラー「Duality(二重性)」で,もう一つの地球の存在が明かされた後だったので,この二つの世界の間で起きている戦いをもう少しだけ見せることにしたのです。この戦いが実はそれほど単純な構図ではないことが,フラクチャーの登場によって分かってくるのではないでしょうか。
 過去のマップと同様,このマップにも「VALORANTの世界で一体何が起きているのだろう」とプレイヤーの皆さんに考察してもらうための材料を,随所に散りばめてあります。

――日本のプレイヤーに伝えたいことはありますか?

Brandon Martynowicz氏(プリンシパル エンバイロメントアーティスト):
このマップのどこかに,計10匹の「戦略ベア」が隠されています。ぜひ探してみてください。;)

David Nottnigham氏:
 現在の地球と,そこに自分たち側のVALORANTエージェントを送り込んでくる謎に満ちた「もう一つの地球」との戦いを示す時系列上において,このマップは重要な役割を果たすことになります。そのため,環境や視覚面でのストーリーテリングに力を入れ,考察好きなプレイヤーの皆さんに,この戦いの謎をさらに深く紐解く手がかりを用意しました。



 明かされる答え,新たな謎,“if”の要素が加わり,さらにプレイヤーを引き込んでいくVALORANT。デベロッパコメントにも「もしもの実現に全力を尽くした」とあり,戦術的な意味合いでも,ストーリー的にも,新たな要素を携えて姿を現すフラクチャーがゲームシーンに与える影響は大きい。
 マップ探索の楽しみや,初実装となるストーリーオブジェクトに胸を躍らせつつ,今後,明らかになるであろう続報に期待しよう。

超キュートな「戦略ベア」を発見。残り9か所を探してみてはいかが?
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