プレイレポート
ソウルライクなダークアクション「Mortal Shell」をプレイ。あらゆる攻撃を防ぐ“硬化”を活かし,凶悪な敵との死闘に挑め
Mortal Shellは,死にゲーやソウルライクなどの呼び名でおなじみ,高難度が魅力のアクションRPGだ。ダークファンタジーの世界を舞台に,戦士達の遺骸(Mortal Shell)に“憑依”して強敵達に挑んでいく。さっそく6時間ほどプレイし,その特徴と,いかに死にゲーかをチェックしてみた。
「Mortal Shell」公式サイト
凶悪な敵との死闘を制するカギは,あらゆる攻撃を防ぐ「硬化」
ゲームの舞台となるのは,不気味な雰囲気漂う森林や朽ち果てた遺跡といった風景が広がるダークファンタジーの世界。物語の詳細は語られないが,魂のような存在である主人公(プレイヤー)は,骸となった戦士を操り,凶悪な姿のクリーチャーを倒し,この世界の謎に近づいていく。操作できる戦士は全部で4人で,それぞれ攻撃のモーションやコンボが異なっている。
謎めいた場所でのチュートリアルののち,鬱蒼とした森の中の沼地・フォールグリムから本編開始だ。スタート地点付近で戦士の骸が見つかるので,まずはそれを操り戦うことになった。
敵との戦いは,1体ずつ引き寄せて1対1で戦うという,ソウルライクアクションのセオリーと言える戦い方が有効だ。なるべく複数を同時に相手することは避け,敵の動きをよく見て反撃に出よう。回復手段が限定されているので,極力ダメージを受けないよう戦うことも重要となる。
最初に使える防御手段は「回避」と,本作独特の要素となっている「硬化」の2つ。硬化とは,その名のとおり身体を固くして敵の攻撃を防ぐというアクションだ。盾とは異なり,攻撃を繰り出したときや回避アクションの最中など,どんな姿勢でも使用できるのが特徴だ。
一度解除すると7秒ほど使用できなくなり,また,敵の攻撃を受け続けると硬化は解除される。決して万能ではなく,すべての危険を切り抜けられるものではないが,これを使いこなすことができれば,自信を持って強敵に挑めそうだ。
硬化中に攻撃してきた敵は,弾かれてのけぞり,大きなスキができる。これによって近い距離から反撃が可能だ。敵によってはスキを見せない者もいるので要注意 |
投石機を持った敵は厄介だ。地形を活かして回避しつつ近づき,戦闘に介入されるのを防ごう |
最初はこん棒を振り回す軽装の敵くらいだったが,少しずつ探索範囲を広げていくとハルバードを持った屈強な敵も登場するようになった。離れた位置から重い一撃を放ってくるため,これまでの敵と同じ感覚で戦うと痛い目にあう。なかなかの強敵だが,敵の突きを横方向に回避し,間に合いそうにないときは硬化でしのぐといった形で対策することで,脅威を減らすことができた。
敵の動きを見切ったつもりで大振りの強攻撃を繰り出したところ,相手の素早い反撃を受けてしまった──ソウルライクアクションではよく起こり得る状況だが,本作ではそんな場合でも,とっさに硬化することでダメージを受けずに済む。
さらに硬化の解除後は,硬化前に実行していた攻撃の続きが発生するので,一連の行動をタイミングよく行えば,効果的なカウンターとして放てる。
このように硬化は,敵の動きのパターンを掴みたいときや,回避が間に合わないときはもちろん,防御から攻撃に転じ,不利な状況を脱する際の起点としても活用できるのだ。
沼地の中心らしき場所にたどり着くと,そこには塔が立っていた。中にいるジェネージャと名乗るシスターと出会い,「ター」なる飲料(乳?)で体力を回復してくれた。彼女は主人公のサポート役として,戦士の回復やアビリティの開放を行ってくれるようだ。
シスター・ジェネージャ。どう見ても普通のシスターではないが…… |
アビリティの開放には経験値のほか,「一瞥」と呼ばれるポイントを集める必要があるとのこと。なお,経験値も「ター」と表記されている。ターとは一体? |
しばしの休息を取っているとき,「そういえばこの建物,見たことがあるぞ」と思った。それは,フォールグリムに着いた直後,石碑を調べたときに見えた「ビジョン」の中で見た建物だ。それと同じものだとすれば,この建物を調べることで,この先進むべき道が分かるかもしれない。
さっそく塔を調べてみると,予想どおり新たなビジョンが見えた。見えたのだが……。それはかなりの数で,逆に何をしていいか分からなくなってしまったのである。
ここで立ち止まって考えても仕方がない。とりあえずはこの塔を拠点にあちこち足を伸ばしてみることにした。
このように,手探りで進めていくような感覚は人を選ぶかもしれない。しかし,謎多き世界を考察したり,その謎を解きながらゲームを進めたりするのが好きな人にはたまらないものがあるだろう。
さらに塔の探索を続けて頂上に登ると,「古い囚人」と呼ばれる巨大な怪物がいた。怪物といっても敵ではなく,主人公に協力してくれる存在のようだ。彼から贈られた「色あせた封印」を使うことで,パリィが行えるようになった。
パリィから繰り出す強化反撃には回復効果もあり,回復手段が限られている旅路には欠かせないものとなりそうだ。
パリィと硬化と組み合わせた新たな戦い方を生み出したことにより,沼地の探索はかなり安全に進められるようになった。
その戦い方とは,パリィを狙いつつ,タイミングが合わなかったときは即座に硬化して防ぐというもの。これによってパリィをミスした際のダメージを受けずに済むし,なによりパリィの練習にもなる。
あちこちを探索していると,塔の中で見たビジョンと同じ地形がいくつも見つかった。おそらく沼地は,今後の目的地となるさまざまな地域をつなぐハブのような場所なのだろう。
そして,塔のすぐ近くに「グリシャ」なる人狼(?)がいることも分かった。さっそく戦闘を仕掛けてみると,画面上部にグリシャの体力ゲージが表示された。初の本格的なボス戦である。
グリシャの攻撃力は高く,最初の数戦はあっという間にやられてしまった。なお,戦士がやられても身体から追い出されるだけで,戦士の身体が朽ちる前に入り直せば,体力が全回復した状態で戦いが再開する。身体に戻れるのは一度だけで,さらに戦士がやられてしまった時点でゲームオーバーだ。
苦戦は必至かと思われたが,“パリィと硬化の組み合わせ”を使うことで,早い段階で相手の行動パターンを掴み,そしてパリィしやすい攻撃を見つけられた。
さらに敵のパリィ不可の攻撃も,真後ろまで回りこむことで攻撃チャンスにできることを発見。コツコツとダメージを与えていくうちに,ついにグリシャ討伐を達成した。
グリシャの居場所から先に進むと洞窟があり,その奥には骸となった戦士の躯が横たわっている。そこの風景にも強烈な既視感があった。そう,その風景と戦士の骸は,塔の中で見たビジョンそのものだったのである。
そこに横たわっていた者は「探求する者,ソロモン」。主人公が操ることができる,新たな戦士である。
ソロモンに乗り移ったあとは,沼地から流れ出す川に沿って探索を進めていく。すると,その先が地下墳墓につながっていることが判明した。地下墳墓に入った直後,主人公は書物から現れた蜘蛛によって精神世界に引き込まれ,そこで試練を与えられる。
その試練とは,身の丈を越える長剣「殉教者の剣」を持つハダーンとの戦いだった。ハダーンの攻撃は大半がパリィ不可のため,グリシャに対して行った戦い方は通じない。回避で間合いを維持しつつチャンスを待つ。こちらの攻撃中に反撃がきたり,回避が難しい攻撃がきたりしたら硬化を使ってしのぐ。そうして戦い続け,幾度かゲームオーバーになりながらもなんとか粘り勝ち。試練を終えると,ハダーンより「殉教者の剣」が授けられた。
剣の入手後,さらに地下墳墓の探索を進めていく。地下墳墓は,死肉を漁るグールのような敵や,自分の体に刺さった刃物で戦うアンデッドが徘徊しており,なかなかの強敵で最初は苦戦することに。しかし,「なるべく1対1に持ち込む」「まずパリィを試し,失敗しそうなら硬化で防御」という戦い方を心がけることで,効率よく倒せるようになった。
地下墳墓の先にはまたもやグリシャが待っていたが,こちらは「奴隷のグリシャ」という名で,新たな攻撃パターンが増えただけでなく,身体には防具までつけている。とはいえ,グリシャはグリシャ。以前戦ったときの動きを思い出し,落ち着いて戦うことで,それほど苦戦せずに退治できた。
だが,ここで勝利し,先に進んだのは失敗だったかもしれない。グリシャを倒したのちしばらく進んでから,筆者はその場から地下墳墓に戻る方法がないことに気がついたのである。
ここまではボス戦ではそれなりに苦戦するものの,それ以外はそこそこ順調に進んできたため,武器もキャラクターもあまり強化していなかったのだ。強敵が増え,引くも地獄,進むも地獄だが,こうなればもう先に進むしかない……。
地下墳墓の先に待っていたのは,雪に埋もれた谷間だった。ここではフレイルを持った巨漢の戦士や,魔法を使う幽霊が行く手を阻んでくる。それらと戦いつつさらに進んでいくと,いつしか氷に閉ざされた礼拝堂のような場所に到達していた。
そこで待っていた氷の剣士「最初の殉教者,ターサス」は,ここまでのボスとは格の違う強敵だった。こちらのターゲットロックを外し,死角から襲う。連続で切りつけたあとに間を置いてこちらの反撃を誘い,パリィ不可能な一撃を放つといった,今までに身につけたテクニックの裏をかくような戦法で襲ってくるのだ。
それでも30分ほど試行錯誤を繰り返し,新たなリズム(?)を会得して倒すことができたが……。なんと氷の剣士は復活し,戦いは続行となった。
またもや変化した相手の動きに対応できず,あれよあれよという間にゲームオーバーに。いかにパリィや硬化が強力とはいえ,動きを知らない相手には対抗しきれない。
そして,また一から戦い方を組み立てていたとき,こちらが与えるダメージがかなり低いことに気がついた。つまり,適切な武器の強化が行われていない状態で,ターサスの元に到達してしまったようだ。嫌な予感は的中した……。
とはいえ,ほどなくして敵の行動パターンは把握できた。あとはひたすらミスを減らし,小さなダメージを根気よく与え続けるのみ。何度も何度も挑戦し,ついにぎりぎりのところで撃破することができた。
「硬化」があるからこそ高まる難度。パリィのタイミングもシビアでやり応え十分
このとおり,6時間ほどのプレイで,3つのロケーションの探索と,4種類のボスとの死闘を体験できた。硬化の使い勝手がよいため“死にゲー”としてはぬるいものにならないか気になったが,パリィのタイミングがシビアなため安定して成功させることが難しく,敵の動きもなかなか意地悪で,硬化だけでどうにかなるものではない手強さがあった。
手堅く攻めると極端に手数が減り,戦闘が長期化して集中力が途切れてしまう。そこで硬化やパリィで相手の攻撃を受けつつ反撃のタイミングを狙うのだが,慣れないうちはパリィがなかなか決まらず,硬化も時間切れのところで猛攻を食らうこともしばしば。あらゆるタイミングで硬化できるが,逆に言えば,あらゆるタイミングで硬化を活かさなければ,強敵を倒すことが難しいのだ。
また,回復手段が限られているため,強化反撃での回復を狙うあまり,ピンチに陥ることも少なくない。このあたりもなかなかシビアに感じられた。
振り返ってみると「先に進む前に,操れる戦士を増やしておけばよかった」「地道にしっかりと武器を強化していれば……」と,反省点がたくさん見つかる。しかしそれは後悔ではなく,次にプレイする際のモチベーションになっている。
一見便利そうな硬化も,有効な使い方は自分で“手探り”して会得するしかない──死闘に挑む覚悟ができた人はぜひチャレンジしてみてほしい。
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