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「Mon Amour 〜モナムール〜」の完成を記念したOnion Gamesの公式番組をレポート。気になる新作RPGの開発も着々と進行中
「Mon Amour 〜モナムール〜」公式サイト
最初のコーナーでは,「モナムール」の実況プレイが行われた。Onion Gamesの木村祥朗氏によると,本作は「チュウする即死ゲーム」。その由来は,テストプレイでほぼすべての人が初回プレイで即死したのを見て,考えついたからだという。1ボタンでプレイできるゲームだが,やればやるほど面白い,進めば進むほど物語が見えてくる,やりがいのあるゲームになっているとのこと。
また繰り返しプレイしていると,BGMが変化していくことも特徴となっている。作曲を手がけたスタジオカリーブの杉山圭一氏によると,木村氏から「フレンチポップの響き」というオーダーと同時に「尺は10数秒」と指定され,少々戸惑ったそうだ。
木村氏は,プレイ中のスピード感や死んだらやり直しのテンポ感を調整していった結果,「このくらいで1ステージをクリアできたら気持ちいい」と感じたのがその秒数だったと説明。杉山氏は「ここまで短い尺の作曲は初めて」としつつ,「面白く,また難しい仕事だった」と振り返っていた。
本作は,2017年頃から開発に着手したという。木村氏によると,当時開発中だった「Million Onion Hotel」や「BLACK BIRD」とはまた違ったテイストのグラフィックスにもチャレンジしようと,ポップな色調になったとのこと。また,ほかのゲームの開発と同時進行で作っていたので,完成までに時間がかかってしまったとも話していた。
本作では,プレイヤーの操作する男爵が画面右端の「モナガール」にチュウすると,そのモナガールが男爵の後ろからついて来る。画面上下の建物に当たるなどして男爵がダメージを負うと,モナガール達が死んでいく。そして男爵だけの状態でダメージを受けるとゲームオーバーとなる。
木村氏いわく,本作は暗転することなくゲームが進行していくのも特徴とのこと。途切れなくプレイを繰り返すことにチャレンジしたという。また,あるプレイヤーが死んだときの情報がほかのプレイヤーに届くのだが,自分が経験していない先のステージがどうなっているかを示唆するケースもあるそうだ。
ヤマグチクエストさんが,ゲームバラエティ番組「勇者ああああ」で披露したPS版「moon」のプレゼンを再演するコーナーも設けられた。木村氏いわく,当時のプレゼンが「moon」のSwitch版リリースにつながったと言っても過言ではないとのこと。
またPC,PS5,PS4版「moon」のリリース時期については未定とのことで,木村氏は「気長に待ってほしい」と話していた。
新作RPGの進捗報告コーナーでは,木村氏が2020年冬に発表した制作開始宣言から苦難が始まったとし,「何段階かあるうちのステップ1は乗り越えつつある」と発言。具体的にはUnity上でゲーム画面が動いており,RPG開発の基礎工事的な部分はひと通り揃ったという。
これと並行して木村氏が世界観を作っており,大量のアイデアやテキスト,イラストなどが散乱しているとのこと。番組ではその中から10枚のイラストが「アイデアノート」と題して公開された。
このコーナーには,新作RPGの背景画や設定画を手がけるデザイナー・勝田 聡氏がゲストとして登場。木村氏が細かい部分まできちんと考えており,話を聞き逃すと致命的なことになりかねないので,しっかりメモを取っていることを明かした。
また,キャラクターデザインや設定画を担当する倉島一幸氏は,すでに「moon」の初期段階を超える量の絵を描いていると話していた。
木村氏によると,新作RPGは「moon」のときのようにチームのスタッフ各自がアドリブでやっていく感じと,きちんと仕様を作って進めていくことの両軸で開発していこうと考えているという。例えばキャラクターに関しては倉島氏に,風景に関しては勝田氏に任せる方向だが,最終決定するまでにいろいろなやり取りをする時間を長く持ってもいいんじゃないかと考えて実行した結果,両氏が指摘したような事態になってしまったそうだ。
新作RPGについて「まだ海のものとも山のものとつかないが,周囲が支えてくれるおかげで面白いゲームになりそう」「自分の中にある,残していかなければならない物語の片鱗みたいなものをかき集めて良いものにしようと努力している」と木村氏。「『モナムール』発売前の3か月は完全に新作RPGの開発をストップしていたが,どんな物語なのか,どんなキャラクターが出てくるのかなどをしっかり決めなければならない。開発を再開したら止まれないし,もったいないと思う気持ちが判断を邪魔することもある。次に始めるときは相当冷静に決めなければ」とも話していた。
また木村氏は「これまでもこれからもクラウドファンディングに頼らず,ゲームの売上で新作RPGの開発を行いたい」と発言。しかしRPGの開発は長期におよぶため,資金調達のためにクラウドファンディングでOnion Gamesファンに協力を請う可能性もないとは言い切れないという。「可能であればクラウドファンディングには頼りたくないが」としつつ,もしそうした事態になったらすぐに報告するとのこと。
最後に視聴者からの質問に,木村氏と倉島氏が回答するコーナーが設けられた。その中からいくつか抜粋して,以下に掲載する。
「新作RPGのプラットフォームは?」という質問には,木村氏から「発表すると縛りが生じるのでまだ言えないが,Onion Gamesがゲームを出してきた全プラットフォームに可能性がある」との回答が。
「リアルイベントの予定は?」という質問には,両氏とも「やりたい」と回答。とくに木村氏は音楽イベントをやりたいそうだ。
また「新作グッズの予定は?」という質問には,「今のところない」という回答がなされた。CDや薄い本などのグッズの制作は自社で行っているそうで,新作RPGに取りかかっている現状では余力がないという。
番組のエンディングでは,出演者が感想を述べたり,視聴者への感謝を口にしたりした。最後に木村氏が「新作RPGを完成させたいと思っていますが,その前に『モナムール』が発売されますので,まずはそちらを応援してください。そして『モナムール』をプレイして,(ゲーム内で)死んだり生きたりしてスルメのように楽しさを味わってください。その次にもう一度PVの可愛らしさを見ると,腹が立つこと請け合いです」とし,番組を締めくくった。
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(C)Onion Games K,K.
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