プレイレポート
[プレイレポ]「星のカービィ Wii デラックス」は1人でもみんなと一緒でも賑やかなアクションが楽しめる。遊びの要素が“デラックス”になって帰ってきた
任天堂より2023年2月24日に発売される「星のカービィ Wii デラックス」は,2011年10月に登場した「星のカービィ Wii」のSwitch版だ。シリーズ作品のあらゆる要素を盛り込み,当時の集大成的なゲームとして評判を呼んだオリジナル版に,さらなる新要素やエピソードを追加。より綺麗になったグラフィックスで,カービィの冒険をたっぷり楽しめる仕上がりとなっている。
「星のカービィ Wii デラックス」公式サイト
これこそまさに“デラックス”。アクションやサブゲームなど,遊びの要素盛りだくさん
物語は,カービィたちが暮らすポップスターに,宇宙船ローアが不時着したところから始まる。宇宙船に乗っていたマホロアと出会ったカービィは,不時着時に散らばってしまった船のパーツを探してあげることに。カービィの冒険に同行するのが,近作では相棒やサポート役としておなじみバンダナワドルディに孤高の戦士メタナイト,そして宿敵(?)のデデデ大王だ。
本作はカービィシリーズの“定番”と言える,ステージクリア型のゲーム進行となっている。カービィの「すいこみ&はきだし」や「コピー能力」「ホバリング」などを上手に使いこなし,森や丘,砂漠の遺跡,海中といったさまざまなアクションステージをクリアしていく。
カービィシリーズに欠かせない要素が,敵を吸いこみ,その特徴をコピーして自分の能力にする,カービィの「コピー能力」だ。
華麗な連続攻撃がウリの「ソード」,長いリーチのムチで敵を攻撃し,遠くのアイテムを引き寄せる「ウィップ」,水を操って波に乗り,ダッシュや攻撃を行う「ウォーター」など,使える能力は全部で26種類。メカのアーマーを装着してビームやボムで攻撃する「アーマー」,砂を変幻自在に操る「サンド」という,本作で追加された2つの新能力も個性的かつ華がある。
場面によって能力を使い分けたり,好きな能力でどんどん攻略したりして,プレイヤー自身の方法でステージをクリアしていこう。一度クリアしたステージや倒したことのあるボスも,使うコピー能力を変えればひと味違った感覚で攻略を楽しめるのもポイントだ。
虹色に光る敵を吸いこめば,地形を破壊するほどの強大な威力を持つ「スーパー能力」が発動する。画面全体の敵やモノを壊しまくれるその威力はもちろん,その演出も見ごたえあるものとなっているので,使える場面は逃さず,ド派手な演出で繰り出す大技を堪能しよう。
敵やオブジェクトだけではなく地形ごと破壊する「スーパー能力」。あまりの強さに調子にのりすぎ,勢いあまって穴に落ちる……なんてことがないよう要注意 |
コピー能力だけではなく,キャリーアイテムも活用しよう。写真は,花火を連続発射して敵を攻撃したり、硬いブロックを壊したりできる「クラッカー」 |
「星のカービィ Wii」の大きな特徴と言えば,最大4人で楽しめる協力プレイ要素。もちろん本作でもそれは健在だ。Switch本体とソフトが一つずつあれば,Joy-Conやコントローラを持ちよって協力プレイが楽しめる。
気軽に参加/離脱ができるので,すぐに家族や友人を誘って一緒に遊べるし,小さい子どもがプレイしているときは,強敵や難所で苦戦している場面だけ助っ人として参加するといったことができるのもポイントだ。
選べるプレイヤーキャラクターは,冒険のメンバーであるカービィ(1Pは固定),バンダナワドルディ,メタナイト,デデデ大王。バンダナワドルディは槍を武器に戦い,メタナイトは青き翼で飛び回りながら剣を振るう。デデデ大王は自慢のハンマーでパワフルな一撃をみまうといったように,キャラクターによってアクションが異なる。本作で新たに使える技が増えた仲間たちにも注目だ。
強敵を相手にしたときには,“おんぶ”をしてプレイヤー皆で力を合わせる強力な攻撃「せーのでドン!」を繰り出そう。それぞれが持つ個性的な技や,おんぶ状態からの大技などが飛び交う賑やかさが協力プレイの何よりの魅力だろう。
面白いのが,カービィだけは複数のプレイヤーが選択できるところ。カービィは仲間もすいこむことができるのだが,カービィがカービィをすいこむと,すいこまれたほうのカービィからコピー能力を奪うことができるのだ。
“すいこんだ仲間を敵にぶつける”なんてこともできるため,カービィが複数揃うと,もともと賑やかな協力プレイがさらに何でもあり(?)な展開に。仲間から能力を奪ったり,敵にぶつけたりといったことは,ケンカにならないようほどほどに。個性あふれるキャラクターたちの賑やかな冒険を楽しもう。
やり応えを感じさせてくれるのが「エナジースフィア」探し。ふつうにステージクリアだけを目標にすればそこまで難しくはないが,エナジースフィア探しもするとなると,コピー能力を使った謎解き,正確で素早い操作を求められるアクションなどがあってなかなかのチャレンジとなる。
エナジースフィアを集めていくと、その数によっておまけステージやサブゲームが開放されていく。サブゲームはマホロアの船ローアで遊べるほか,マホロアのテーマパーク「わいわいマホロアランド」に行くことでさらに楽しめるので,冒険の合間に訪れてみよう。
盤上から相手を押し出して得点を競う「スマッシュライド」,爆弾をかわしながら,玉子だけを選んですいこむ「たまごきゃっちゃ」といった過去のシリーズ作品に登場したものに,本作で新たに追加された「みつけて!マホロア図書館」を加えた全10種類のサブゲームが登場する。さらに,オンラインでほかのプレイヤーと記録を競う「刹那の見斬り 百」もあり,ボリュームはたっぷりだ。
10種類のサブゲームはすべて4人対戦に対応しているので,仲間を誘って遊ぶのがオススメだ。皆でJoy-Conを持ち寄ってプレイしてみよう。また,サブゲームごとにミッションが用意されており,そのクリアを目指すというやり込み要素も。1人でもみんなでも楽しくチャレンジできるのが,サブゲームの魅力だ。
メインストーリーをクリアするとプレイ可能となる新モード「マホロアエピローグ」にも触れておこう。本モードの主人公マホロアを操作し異空間からの脱出を目指すのだが,マホロアは力を失っており,最初にできることはちょっとした攻撃とジャンプのみ。敵を倒すと手に入る魔力を集め,それを消費して浮遊する力や攻撃力といった能力を強化して難関をクリアしていく。
ステージは20以上となかなかのボリュームで,遊び応え十分。4人プレイも対応しているので,メインストーリー同様,家族や友人を誘って遊べるのもポイントだ。
最後になにより伝えたいのが,本作の大きな魅力であるカービィのかわいさ。とんだり,すったり,アイテムを使ったりするたびに見せてくれる仕草や表情,変身した姿によって異なる動きなどは,眺めていると知らないうちに笑顔になっているほどのかわいさだ。カービィだけではなく,仲間や敵といったキャラクター,それらを描きだす温かなグラフィックスも込みで,カービィの世界観を堪能してほしい。
体力が倍になるクスリの供給や,ステージから落ちたときに引っ張り上げてくれるといった形でプレイヤーをサポートしてくれるおたすけマホロアを呼べば,アクションが苦手な人や小さな子どもも楽しめる。さらに協力プレイでの手助けという方法もあるので,保護者には子どもの成長とともに長く付き合えるゲームとしてオススメできる。
アクションゲームの楽しさがこれでもかと詰めこまれた「星のカービィ Wii デラックス」は,カービィシリーズのファンはもちろん,初めて触れる人,仲間と楽しく盛り上がれるゲームを探している人に手に取ってほしい作品だ。
「星のカービィ Wii デラックス」公式サイト
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星のカービィ Wii デラックス
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