プレイレポート
[プレイレポ]“カーカルチャーのビュッフェ”は伊達じゃない。「ザ クルー:モーターフェス」でマシンを取り巻く歴史や文化を味わい尽くそう
本作は,オープンワールド型レースゲーム「ザ クルー」シリーズの最新作だ。ハワイのオアフ島で1年中開催されている,マシン好きが集うフェエスティバル「モーターフェス」を舞台に,さまざまなテーマに沿ったレースやイベントを通じて,新たなカーカルチャーを体験できるという作品になっている。本稿では,さまざまなジャンルのマシンたちを取り巻く歴史や文化を,これでもかというくらい味わえる「ザ クルー:モーターフェス」の魅力をお伝えする。
「ザ クルー:モーターフェス」公式サイト
カジュアルに遊ぶのも,こだわったプレイスタイルにするのもプレイヤー次第
ゲームを開始すると,まずはモーターフェスのPRを務めているというキャラクター「マル」から,操作のチュートリアルも兼ねたモーターフェスの解説を受けることに。
本作の操作は,通常のアクセル,ブレーキに加え,ドリフトがしやすいハンドブレーキ,瞬間的な加速をもたらすニトロなど,いわゆるレースゲームの基本的なものといった印象だ。レースゲームに慣れている人なら操作方法を見なくてもすぐ運転できるだろう。
しかし,ここからオプションを変更することで,さらにカジュアルにも,リアル志向にも寄せることができる。例えばレースゲームが苦手な人向けには,ナビゲーションルートを表示するレーシングライン機能や,コーナーへの進入スピードを検知してオートで減速をしてくれる自動ブレーキ機能,ナビゲーションルートに沿ってハンドリングをしてくれる自動ハンドリング機能など,至れり尽くせりな機能が用意されている。
自分の運転技術をもっと極めたいという人は,ホイールスピンを検知してスロットルを自動調整してくれるトラクションコントロールや,ドリフト時に自動で軸を調節してくれるドリフトアシストなどを調節することで,自分なりのバランスを見つけるといいだろう。もちろんギアチェンジもオートマとマニュアルの変更が可能だ。
筆者はレースゲーム初心者というほどではないが,どちらかといえばカジュアル寄りなタイプなので,プリセットにある中間の難度“インターミディエイト”を選択。自動ブレーキや自動ハンドリングはオフになるが,レーシングラインが表示されるのでコース取りが分かりやすい。
なお,操作はゲームパッドが推奨されている。実際にPC版でキーボード&マウスとパッドの操作感を比べてみたが,単純に運転がしやすいというだけでなく,トリガーの押し込み具合でアクセルやブレーキの強さを調節できるので,細かい操作がしたい人は使用することをおすすめする。
そして,本作のシステムで一番助かったのが「巻き戻し」機能だ。「コースを間違えてしまった」「壁に思いっきりぶつかってしまった」「いまいち納得のいかないコーナリングだった」そんな時にはこの機能を使用することで,最大で15秒前までレース展開を巻き戻せる。
ここで注意したいのが,あくまで“レースの展開”を戻すだけで“時間”を戻しているわけではない点だ。要するに,走行タイム自体は巻き戻されず,タイムアタック系のモードでは逆効果になりかねない。とはいえ順位を競うタイプのモードではかなり強力なシステム。苦手なコーナーの練習などにも有用なので,思う存分活用したい。
マシンにまつわる歴史や文化を体感できる「PLAYLIST」
操作方法を理解したら,いよいよモーターフェスの世界へ飛び込もう。本作では,好きなマシンでオアフ島を自由に走行する「フリードライブ」で移動しながら,「PLAYLIST」と呼ばれるさまざまなテーマ別キャンペーンをクリアすることが主な目標となる。
舞台となるハワイの魅力と秘密を探る「HAWAII SCENIC TOUR」や,険しいオフロードで己の道を切り拓く「OFF-ROADING ADDICT」,あらゆるバイクを乗りこなす「BIKE LOVERS」,ボートと飛行機で青い世界に飛び込む「OCEAN'N SKY」など,現時点で15種類のPLAYLISTが用意されている。
PLAYLISTは,テーマに沿ったさまざまなレースやタイムアタックなどに挑む「イベント」,マップの特定のスポットで指令をクリアする「サイドアクティビティ」,イベントクリア後に開放される「チャレンジ」で構成されており,基本的にはイベントを中心に進めていき,道すがらにサイドアクティビティを,イベントクリア後のやり込みでチャレンジに挑むといった流れだ。
イベントのジャンルも豊富で,コースを走ってNPCとの順位を競う「RACE」,コースの走行時間を計る「TIME ATTACK」といった基本的なものはもちろん,できるだけドリフトを続ける「DRIFT TRIAL」や,指定されたスポットを巡る「NAVIGATION」など一風変わったものも登場する。
各PLAYLISTにはホストと呼ばれるキャラクターが登場し,それぞれのPLAYLISTのテーマに沿ったカーカルチャーの解説をしてくれる(見ている余裕があるかは別だが)。ここでは,その中からいくつかのPLAYLISTを紹介しよう。
まずは,日本が題材となる「MADE IN JAPAN」だ。ネオン煌めく街中や湾岸,峠などのロケーションで繰り広げられるレースが主体となっており,日本人プレイヤーとしてはつい最初に選びたくなるPLAYLISTだろう。1つ目のイベントは,日本のクラシックカーがテーマの「旧車スピリット」だ。
イベントをプレイして感じたのは,レースを走るのももちろん楽しいが,先程も紹介した「ホストたちによるカーカルチャーの解説」がとても興味深い。旧車スピリットでは,操作中の“NSX”がフェラーリやポルシェと互角に戦うために作られたこと,NSXという名前が“ニュー・スポーツカー・エクスペリメンタル”の略であることなど,思わず「へぇ」と声を漏らしたくなるような雑学が語られる。
続く2つ目のイベント「湾岸スピリット」でも,指定マシンである日産の“SKYLINE GT-R [R34]”が,運転技術を要するマシンの象徴かつ,「ゴジラ」の異名を持つことが分かった。
イベントをクリアすると,それぞれに設定された経験値とゲーム内通貨,マシンのカスタムパーツを入手できる。経験値は溜めることでレベルが上昇し,マシンのパーツやマシンそのものを手に入れられる。ゲーム内通貨はショップでさまざまな要素の購入に使用可能だ。
続いては,1950年代から80年代のビンテージカーを題材とした「VINTAGE GARAGE」を紹介しよう。このPLAYLISTは,GPSなんてものは発明されていない古き良き時代の伝説的マシンを駆り,20世紀の感覚を味わおうというものだ。
説明にある通りこのPLAYLISTでは,GPSによるミニマップが表示されないというのが大きな特徴になっている。1つ目のイベント「バック・イン・タイム」は,1957年のキャデラック“ELDRADO BROUGHAM”に乗り,「NAVIGATION」というモードに挑戦する。写真で指定されたチェックポイントを辿っていくという,ドライブそのものを楽しむ粋なイベントだ。
もちろんレースイベントも用意されている。3つ目のイベント「キス・ミー、KOMBI」は,レース形式のイベントになるのだが,ただのレースではない。今回の指定マシンはフォルクスワーゲンの“KOMBI 21 WINDOW BUS”。その名の通り“バス”だ。
本作の面白いところは,このようにガチガチのレースカーでない車両も登場していることだ。ショップでは乗用車はもちろん,タクシーやパトカーなんかも購入可能なので,息抜きしたい時には,フリードライブでこれらを運転してみるのもいいだろう。
3つ目は,電気自動車という今っぽいテーマの「ELECTRIC ODYSSEY」だ。このPLAYLISTでは,電気自動車のハイエンドモデルをレビューして,ガソリン車と直接対決させるという,なんともワクワクするレースに挑む。
しかし,レースに参加するには,レース会場まで車を運ばなければならない。1つ目のイベント「PORSCHE E-EXPRESS」は,レビュー予定のポルシェ“TAYCAN TURBO S”を運転して,できるだけ傷つけないように目的地へ届ける,「DELIVERY」というジャンルだ。本作はどれだけ勢いよく衝突してもマシンが壊れないため,スピードを出しまくってきたが,ここはいちど安全運転でドライブを楽しむことに。
1つ目のイベントをクリアするといよいよ本番のレースに挑む2つ目のイベント「ピース・オブ・E-ストーリー」に挑戦だ。電気自動車でのレースの大きな特徴は,ニトロが充電式になっている点だ。本来ニトロゲージは走行中に自動で溜まっていくのだが,このイベントでは,コース上に設置された充電エリアを通過することで,ニトロが充電されていく。
このようにPLAYLISTでは,テーマごとの車両に合わせた特殊なイベントを楽しめるだけでなく,車に関する歴史や文化を知ることができる。また,同じRACEのジャンルでも,それぞれのPLAYLISTごとに特徴があるのはなかなか面白かった。
なお,PLAYLISTを3つクリアすると「MAIN STAGE」というシーズンコンテンツが開放される。PLAYLISTのイベントや大会への参加,島の探索など,さまざまな条件で経験値を獲得しレベルを上げることで,ゲーム内通貨やマシンなどのリワードを得ることが可能だ。
PLAYLISTで鍛えた腕を実戦で試そう。でオンライン対戦型ゲームモード「LIVE大会」
PLAYLISTではテーマに沿ったNPC戦を楽しんだが,オンラインでほかのプレイヤーと腕を競うモードも用意されている。それが,対戦型ゲームモード「LIVE大会」だ。
このモードは,専用に用意されたさまざまなイベントの成績を競う「SUMMIT CONTEST」,己のスキルとスピードを純粋にレースで競い合う「GRAND RACE」,32人のプレイヤーが8つのクルーに分かれ,マシンでぶつかり合うバトルロイヤル「DEMOLI TION ROYALE」,それぞれのカスタムマシンを見せあって,気に入ったマシンに投票する「CUSOM SHOW」の4種類に,いつでも参加できる。
1人でじっくりとハイスコアを狙いたい人も,純粋にレースを楽しみたい人も,走ることよりもマシンを自慢したい人も,それぞれが自分の得意分野で勝負できるというのは魅力的だ。
レースだけがモーターフェスじゃない。FEATSやトレジャーハントで島を探索し尽くそう
フリードライブで島をドライブしていると,赤い三角形のマークが道に表示されることがある。これは「FEATS」と言って,PLAYLISTのサイドアクティビティに含まれる要素だ。地上での車両に用意されたFEATSは,特定の地点を指定速度以上で通り抜ける「SPEEDTRAP」,スラロームに挑戦する「SLALOM」,追いかけてくるゴーストから逃げ切る「ESCAPE」の3種類。1回あたりのチャレンジ時間はそう長くないので,気軽に挑戦できるのがポイントだ。
また,同じくサイドアクティビティの一環として,各地のフォトスポットで指定の写真を撮影する「PHOTO QUEST」がある。こちらは具体的な場所はマップに表示されないが,プレイヤーがフォトスポットに近づくと知らせてくれる。条件を満たしているかは常に確認できるので,それを頼りに走り回ってみよう。
クエストで指定されるポイントはどこも写真映えが良いので,綺麗なスクリーンショットを取りたい時などは,ついでに挑戦してみるのもいいだろう。
ドライブの楽しみはこれらだけではない。島を走っている時,たまにミニマップがピコピコと音をたてながら点滅しだす時がある。これが起きたら,近くにトレジャーがあるという証拠だ。トレジャーの中には経験値やゲーム内通貨,マシンのパーツなど,さまざまな報酬が入っているので,反応があったらぜひ見つけておきたい。
ミニマップの反応はトレジャーに近づく方向に進むと点滅が速まり,離れる方向に進むと消える。とにかく点滅が発生する方向に進んでいけば,見つけるのにはそれほど手間取らないだろう。
無限に広がるカスタマイズで自分だけの理想のマシンを作り上げよう
イベントやサイドアクティビティでお金とパーツが溜まったら,自分の好きなマシンを購入してカスタマイズしてみよう。ショップはメニューからいつでもアクセス可能だ。
マシンは全部で14種類のカテゴリーに分けられており,「STREET TIER1」「STREET TIER2」というカテゴリーが,汎用性の高いスポーツカーで構成されている印象だ。他のカテゴリーは,とてつもないパワーを秘めた「HYPERCAR」や,フォーミュラカーを中心とした「ALPHA GP」,オフロード車がメインの「RALLY RAID」など,特定のシーンに特化していることが多い。バイクやモーターボート,飛行機などもカテゴリーで分けられている。
マシンを購入したら,今度は外見のカスタマイズだ。いじれる部分は車種にもよるが,車体はもちろんブレーキキャリパーや内装のカラーリング,ボンネットやバンパーといったさまざまなパーツの形状を変更できる。
そして最後はもちろん,マシンの性能のカスタマイズだ。各種アップグレードパーツには,パフォーマンスレベルというものがあり,レベルが高いものほど性能も良い。とりあえず所持しているパーツの中から最高レベルのものを装着しておけば単純な性能アップにつながる。
しかし,マシンにはパフォーマンスレベルの上限が設定されていて,この上限値をオーバーするレベルのパーツは装着できない。レベル上限はマシンのカテゴリーによって違うので,レベルが低いからといって,考えなしにパーツを捨ててしまわないように気を付けよう。
ここまでさまざまな「ザ クルー:モーターフェス」の魅力を紹介してきたが,本作には,まだまだ見つけられていない魅力が多数存在すると,プレイしていて強く感じた。冒頭で紹介したマルが,モーターフェスを“カーカルチャーのビュッフェ”と表現していたが,なかなかに言い得て妙だ。差し当たり,今回紹介した内容はビュッフェの“一皿目”と言ったところだろう。もし本稿を読んで興味を持ったという人は,ぜひ二皿目,三皿目を味わいに「ザ クルー:モーターフェス」の世界へ飛び込んでみてほしい。
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