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1人用アナログRPG「Thousand Year Old Vampire」の日本語版が4月10日に発売へ。千年を生きる吸血鬼の人生を綴る傑作ソロジャーナル
FrogGames公式サイト
Tim Hutchings氏が2018年に発表し高い評価を受けた本作は,海外ではソロジャーナルと呼ばれるジャンルの一作にあたる。ソロジャーナルとは,ルールに従いながらイベントを読み進め,自らの物語を文字どおり“書き綴っていく”遊びのことだ。ルールによって提示されるお題に沿いながら小説を書いていくような創作の側面が強く,ゲームブックやテーブルトークRPGともまた違ったタイプのゲームといえるだろう。
例えば本書の場合,ゲームを開始するにあたり,プレイヤーは千年を生きることになる吸血鬼のキャラクターを作成する。キャラクターに吸血鬼となる前の【特性】――〈記憶〉や〈技能〉,生前の〈資産〉や親しい定命の〈人物〉を設定し,最後に吸血鬼となったきっかけの不死の〈人物〉と,その証である〈刻印〉を決めていく。
ゲームがスタートすると,ダイス(本作ではd10とd6を用いる)によって決められた番号の【啓示】――これが先の説明のお題にあたる――を読み進めていく。【啓示】の内容次第で【特性】は増えたり失われたりを繰り返し,プレイヤーはその度に何が起こったのかを想像し,物語として書き留めていく。【啓示】がゲームの終了を宣告するまで。そして千年の時が,すべてを風化させてしまうまで。
埃と蜘蛛の巣に紛れ、きしむ音をあげながら哀れな獲物を探すために、夜の帷に潜み歩く狩人。それが君だ。知る限り、もう大昔からこの繰り返しである。捕え食らう人間として生きていた記憶はない。しかし、人間だった頃の微かな痕跡は未だに消えない。自身の墓に刻まれた見事なアラベスク模様に指先が触れると忘れてしまった言語で囁く歌が、脳裏に蘇る。遠く離れた博物館には500年前の大芸術家による君の油絵が飾られている……君たちは恋人だったかもしれないが、そのことを記した日記はとうの昔に失われてしまった。
本作のもう一つの特徴は,その優れたアートワークにある。さまざまな古典作品からの引用やコラージュによるページレイアウトは美しく,プレイに不可欠な想像力をかき立ててくれることだろう。日本語版はPDFしかないのがいささか残念だが,ナラティヴ志向のアナログゲームファンは,4月10日の発売を楽しみにしておこう。
『Thousand Year Old Vampire』の日本語版のPDF版を2023年04月10日にDLsite専売で発売
2020年ENNIES賞ベストルール賞を受賞した名作ついに日本語化
FrogGamesは、アートワークに優れた『Thousand Year Old Vampire』日本語版を発売いたします。
TRPG出版を手掛けるFrogGames LLC.(フロッグゲームズ合同会社)(本社:東京都渋谷区 代表社員 渡辺健)は、2020年ENNIES賞ベストルール賞を受賞した名作『Thousand Year Old Vampire』の日本語版のPDF版を2023年04月10日にDLsite専売で発売いたします。
「これまでに作られた中で最も絶賛されたソロ ジャーナリング ゲームの 1 つ...」
-チャーリー・L・ホール、ポリゴン
権威あるエニー賞3部門受賞! ベスト ルールとベスト プロダクション バリューにはゴールド、プロダクト オブ ザ イヤーにはシルバーが贈られました。 Indiecadeから Tabletop Design賞も受賞しています!
日本語版ではこのすぐれたアートワークを忠実に再現しました。
●188ページ(オリジナル版)のファンシーページ、日本語版総ページ数190ページ(表紙など含む)
●数時間または数週間でプレイ
●ソロプレイ、オプションのグループプレイ対応
価格:2200円(税込)
FrogGames公式サイト
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Thousand Year Old Vampire
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