プレイレポート
[プレイレポ]味方は過去の自分。時間を巻き戻して過去の幻影と一緒に戦うハクスラアクション「Lysfanga: The Time Shift Warrior」は,時間に縛られる緊張感が心地良い
Steamの「Lysfanga: The Time Shift Warrior」ストアページ
本作最大の特徴は,主人公に時間を巻き戻す能力があることだ。時間を巻き戻すと書くと,失敗したときの巻き戻し,やり直すための機能を想像する人が多いと思うが,本作はひと味違う。時間を巻き戻すと,自分自身が幻影として現れ,その幻影と一緒に戦っていくのだ。ちなみに,この幻影はレムナントと呼ばれる。
スクリーンショットを見て分かるとおり,本作はクォータービューのアクションゲームで,2種類の物理攻撃と魔法を使い分けながら戦っていく。敵はどこかのポータルから次々にわいてくるわけではなく,ステージごとに数と配置が決まっており,一定時間内に敵をすべて倒せば,次の場所に移動できるようなる。だが,この一定時間というのが恐ろしく短い。本当に短い。正直,どんなにゲームがうまくても,一度も死なずに次へ進むのは無理。一度は死ぬのが前提のゲームデザインになっているのだ。
1度死ぬと時間が戻り,過去の幻影,レムナントが最初にプレイした通りに動く。なので,2度目は,レムナントと生きている自分の2人で戦っていく。だが,2人でも時間は足りない。そうなると3度目の挑戦になるわけで,レムナント2人と死んでいない自分の3人で戦うことになる。
時間内に敵を全滅させることが目的なので,過去の自分が倒した敵は,レムナントにまかせてしまえばいい。たとえば,敵が右,中央,左の3か所に分かれていたら,1回目で右,2回目で中央,3回目に左を攻めて効率良く倒すことで,設定されている時間内でのクリアが可能だ。
ゲームを始めたばかりの最序盤は,チュートリアル的なステージなので,単純に自分とレムナントで攻撃ルートを分担すればクリアはさほど難しくない。だが,ステージが進むと一筋縄ではいかない,やっかいな敵が出てくる。とくに2人1組になった敵がやっかいで,ほぼ同時に倒さないと復活してしまうのだ。なので,どちらか一方はレムナントに任せるとしても,レムナントが敵を倒すのに合わせて,もう片方を倒す必要がある。このペアになっている敵が同じ画面内に表示されているときは,そこまで難しくないが,それぞれの位置が離れている場合は,目視でタイミングを合わせられず苦労する。スタートから何秒後に倒したのかを覚えておき,その時間に合わせて倒さなければならないのだ。
また,前方からの攻撃を一切受け付けない敵もいる。この敵はレムナントが攻撃しているときに後ろに回り込み,背後から攻撃を当て続ければわりとあっさり倒せる。最初はなんとか攻撃を当てようと左右に動きながら戦ったため,いざ後ろから攻めるとなったときに,レムナントの動きに合わせて敵も左右に動き,後ろからの攻撃が当てづらくて苦労した。
ハクスラ形式のアクションゲームは,アイテムを求めて惰性で戦うというか,ちょっと作業的になってしまうこともある。だが本作は,どうやって時間内に敵を殲滅すればいいのかを考える必要があり,心地良い緊張感に包まれる。また,ステージをクリアするとクリアタイムが表示されるので,その更新を目指して同じステージを何度も遊ぶという人も出てくるだろう。
今回は時間の都合で序盤しか遊べていないが,ゲームが進行すれば,2人1組の敵のように,頭を使わないと攻略できない敵のバリエーションも増えるだろう。今回はあまり使えなかったが,物理攻撃以外に遠距離攻撃が可能な魔法も使用できるので,魔法の特性を理解したうえで,有効活用してクリアタイムの短縮に挑むなんていうこともできるはずだ。また,自分の戦い方に合わせてキャラクターの成長方針を変えることもできる。
クォータービューのハクスラアクションは食傷気味だったというのが正直なところだが,本作は改めて何度もチャレンジしたくなる魅力があった。今回の試遊は英語版だったが,発売時には日本語化も予定されている。Steamのウイッシュリストに登録しておきつつ,発売日を楽しみに待ちたい。
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Lysfanga: The Time Shift Warrior(C)2023 Sand Door Studio. Published by Quantic Dream S.A.S. "Lysfanga : The Time Shift Warrior" is a trademark of Sand Door Studio and Fabloo Games. Quantic Dream and Quantic Dream logos are trademarks and/or registered trademarks of Quantic Dream S.A.S.