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残り時間,わずか1分。リスクとリターンのギリギリを攻め,闇を駆ける「朱鴉 〜Journey to the Underworld〜」[TGS2024]
東京ゲームショウ2024のBlack Beard Design Studioブースでは,同社が開発中の「朱鴉 〜Journey to the Underworld〜」のプロトタイプが出展されていた。スピード感あふれるアクション,タイムとリスクを天秤に掛けるゲーム性がスリリングな本作のプレイレポートをお届けしたい。
「朱鴉 〜Journey to the Underworld〜」公式サイト
「朱鴉 〜Journey to the Underworld〜」は,2025年冬にSteamで配信が予定されているアクションゲームだ。
主人公の「颯(ハヤテ)」は,愛する「陽葵(ヒナタ)」をライバルである「迅(ジン)」にさらわれてしまう。迅は人間の心と記憶を奪う「アケガラス」と呼ばれる禁忌の儀式を行い,陽葵を自分のものにするつもりだ。颯は陽葵を救うため,まっしぐらに突っ走る――。
颯は闇の中を飛ぶように駆けていくが,残された時間はわずか1分。道は平坦ではなく段差や亀裂があり,そこには柵や回転する炎の罠などの障害物,そして妖怪たちが待ち構えている。
亀裂から落ちるとチェックポイントまで戻され,障害物や妖怪に触れるとスピードが落ちてしまう。残り時間が少ないだけに,こうしたミスはなんとしても避けたいところだ。
道中にいる妖怪を倒すと,残り時間がわずかに増える。つまり,全ステージをクリアするのであれば,障害物を避けつつ,妖怪も倒さなければならないわけで,リスクとリターンのギリギリを攻めるのがスリリングだ。
コースもよく練られており,「行く先には崖と平坦な道。前者は妖怪が並んでいてハイリスクだが残り時間を稼ぐチャンス,後者は安全だが妖怪を倒せないので残り時間は増えない」といった地形も出てくる。超スピードで突っ走る中,地形や罠,妖怪の配置を見て一瞬で判断しなければならないし,前者の崖ルートを選ぶなら上に登る方法を探す必要もある。
初回のプレイでは即座の判断を迫られてドキドキするし,2回目以降は「あの崖に登る方法を探さないと……」という最適なコースを開拓するモチベーションも上がる。
颯は2段ジャンプや左右への回避,剣術に手裏剣といった多彩な技を持ち,難関に立ち向かうポテンシャルは十分。なかでも特徴的な技が「風雷石火」だ。
複数の妖怪が並んでいるときに攻撃すると風雷石火となり,最初の妖怪を倒したあと,そのまま次の妖怪,その次の妖怪,さらにその次といったように連続で斬り倒していく。颯が稲妻のように妖怪たちのあいだを駆け抜けていくアクションはスタイリッシュで自分に酔えるし,残り時間が一気に増えるので攻略も有利になる。
しかしながら,颯を操作するのはあくまでプレイヤーだ。判断が遅れたり,操作を誤ったりすると,あっちでぶつかり,こっちで亀裂に落ちたりと散々なことになってしまう。上手くいけばスピーディに駆け抜けて爽快だが,ミスをすれば「ここから巻き返さないと!」と焦ってしまうだろう。
上手くいったときがカッコイイだけに,「コースを覚えて,もっと腕を上げたい」という気持ちが湧き上がるのだ。
Black Beard Design Studioの代表,岸 孝侍氏によれば「アニメのヒーローになったような活躍をイベントシーンではなく,プレイアブルなかたちとして描きたい」という思いから,本作を制作することになったそうだ。ゲームデザインにおいては「早いゲームに速さを追加する」をキーワードに掲げ,颯が自動で突っ走る現在のかたちになったとのこと。
今後は颯のスキルを増やし,複数のスキルを組み合わせる攻略も採り入れたいという。さらなる制作を進めていくうえで,良いパートナーを探したいと考え,TGS 2024の出展を決めた。
会場に出展されていたのはプロトタイプだったが,美しいグラフィックスとダークな世界観,爽快なアクション,リスクとリターンのギリギリを攻めていくゲーム性の完成度は高いと感じた。攻略の面でも盛り上がれそうな本作のリリースを楽しみに待ちたい。
「朱鴉 〜Journey to the Underworld〜」公式サイト
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