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「ドラゴンクエストX」に対話型AIバディ“スラミィ”が登場。スクエニ×Google Cloudによる説明会をレポート
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印刷2026/03/21 20:00

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「ドラゴンクエストX」に対話型AIバディ“スラミィ”が登場。スクエニ×Google Cloudによる説明会をレポート

 スクウェア・エニックスとGoogle Cloudは2026年3月18日,ゲーム業界における生成AI活用に関する記者説明会を開催した。

 本発表会では,ゲーム開発の効率化やプレイヤー体験そのものを変革する次世代のビジョンが語られたほか,具体例として「ドラゴンクエストX オンライン」に実装される対話型AIバディ「スラミィ」が紹介された。本稿ではその詳細をお届けする。

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AIはツールからバディへ。Google Cloudが描く「リビングゲーム」


 Google Cloud ゲーム インダストリー グローバル ディレクターのジャック・ビューザー氏は,現在のゲーム業界が抱える厳しい現状について言及した。

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 業界全体の営業利益は2021年以降,年平均で7%減少しており,パンデミック前の水準を下回っているという。さらに,市場成長の大部分が一部のプラットフォームに集中し,プレイ時間の半分以上が,リリースから6年以上経過したタイトルに占められている。

 一方で,開発コストは2017年以降でほぼ2倍に増大しており,現在のゲームビジネスは機能不全に陥っていると指摘した。

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 この破綻した構造を乗り越え,プレイヤーに新しい体験を届けるための鍵としてジャック氏が提示したのが,ライブサービスと生成AIを融合させた「リビングゲーム」という構想だ。

 生成AIを活用して開発の煩雑な反復作業を短縮し,開発スピードと効率を向上させる。そして,リアルタイムのAI推論をゲームの基盤に組み込むことで,プレイヤー体験そのものを再定義するという。

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 従来のゲームにおけるAIといえば,倒すべき敵や単なるNPCであったが,ジャック氏は「今のAIは架け橋であり,デジタルアドベンチャーにおける真のバディになる」と語る。

 いっしょに旅を共有し,負けたときには励ましてくれ,勝利の喜びを共有できる,プレイヤーの感情に寄り添う存在になるというのだ。

 この中核となるのが,Googleの「Gemini Live」である。低遅延でマルチモーダルな会話が可能であり,AIがプレイヤーの言葉を理解すると同時に,ゲームのプレイ画面を視覚的に認識できる。

 さらに,AIのハルシネーションを軽減するための高度なガードレールが用意されており,一貫性のあるキャラクター体験を担保できるとのことだ。

 ジャック氏は,「AI搭載のライブサービスは,Google CloudのDNAそのもの。その研究におけるブレイクスルーは,自社のライブサービスで大規模に実証済みだ」と自信をうかがわせた。


「DQX」に登場する自分だけの友だち。おしゃべりAIバディ「スラミィ」


 続いて,スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストX オンライン」ショーランナー安西 崇氏と,AI&エンジン開発ディビジョン ジェネラル・マネージャー 荒牧岳志氏が登壇。具体的なAI導入事例として,AIバディ「スラミィ」を発表した。

左から荒牧氏,安西氏
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 「ドラゴンクエストX オンライン」は,2026年8月で正式サービス開始から14周年を迎える。長年のアップデートにより,「『ドラクエ』好きが集まる遊園地」は広大な世界へと成長し,プレイヤー同士の活発な交流という大きな財産を築いた。

 一方で巨大になりすぎたゆえ,新規プレイヤーが「どこから遊んでいいのか分からない」と感じやすい課題も生まれていた。

 そこで,コミュニケーションに新たな要素を加えるべく提案されたのが,自分だけのバディとして寄り添ってくれる「スラミィ」だ。

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 安西氏によれば,このアイデアは,「ドラクエ」シリーズの生みの親である堀井雄二氏との対話からヒントを得ているという。

 堀井氏は「村人などのNPCにAIを使うのは違う。いっしょに遊んでくれる友だちや仲間として入ってくれるといい」と語ったとのこと。NPCと際限なく会話ができてしまうとゲームの区切りがなくなり,かえってプレイヤーの負担になってしまう,という考えだ。
 そのため「困ったときに助けてくれる友だち」としてのAIバディという形に落ち着いた。

 特筆すべきは,スラミィのほうから話しかけてくれる点だ。対話型AIは,ユーザーからの質問に答えることが常である。しかしスラミィは,プレイヤーの状況に応じてコミュニケーションを取ってくれる。

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 これについて安西氏は,「友だちというものは,こちらが言ったことを返してくれるだけの存在ではない」と,スラミィの立ち位置を強調した。

 さらに,AIに話しかける心理的ハードルを下げるため,専用のスタンプを用意し,それをきっかけに会話を始められるといった気遣いも盛り込まれている。

 デモ映像では,スラミィがかわいらしいボイスでプレイヤーと交流する様子が紹介された。イントネーションが若干浮いている部分などはあったが,現状は調整中であり,正式リリースでは改善する見込みとのことだった。

 なお,会話内容は,プレイヤーとスラミィの間だけのもの。 ほかのプレイヤーから会話を見られることはなく,秘匿性が担保されている。

 荒牧氏は,本サービスにGeminiを採用した理由として,レスポンスの高さとカスタマイズ性を挙げた。たとえば世界観に合わせたプロンプトを制御することで,逸脱した質問には答えないようにも調整しているという。

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 また,スクウェア・エニックスが10年以上にわたって培ってきたAI開発のノウハウと,Google Cloudの最先端技術が組み合わさったことで,スピード感をもってプロジェクトを進められたと振り返った。

 そんなスラミィの機能を体験できる,事前のクローズドベータテストが開催される。
 募集期間は2026年3月21日から3月30日まで。参加は製品版を利用中であることなどの条件があるが,気になるプレイヤーは公式の「目覚めし冒険者の広場」をチェックしてほしい。

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 説明会の最後には,メディアから登壇者への質疑応答が行われた。ここでは,ゲーム開発におけるAIの活用や,人間とAIバディの関わり方について質問が寄せられた。

 ジャック氏は,開発現場におけるAIを「『アイアンマン』のスーツのようなもの」と表現。AIが煩雑な作業を軽減し,開発者がパワーを得ることで,よりクリエイティブな作業に集中できるようになると語った。

 安西氏も,実際の現場では資料作りや情報共有の際に,AIを活用して効率化を図っていると補足。なお,顧客向けのアウトプットデータ自体に,現状はAI生成物は使用していないとのことだ。

 オンライン上の人間の友人とAIバディの違いについて安西氏は,「オンラインゲーム上では,目の前のキャラクターの中身がどんな人であるのか,私は気にしない」とコメント。

 そのうえで「コミュニケーションを取っていたのがAIだとしても“ああ,きみAIなんだ”と当たり前に受け入れられるような,新しい未来が来るのではないか」と展望を語り,説明会を締めくくった。

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